【感想】Coaching A to Z  未来を変えるコーチング

ヘスン・ムーン, 伊藤守, 田村加代 / ディスカヴァー・トゥエンティワン
(6件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 河野雪隠

    河野雪隠

     コーチ・エィ著「コーチングの基本」を読んでコーチングの定義や原則やプロセスについて学んだ。続いて手に取ったコーチング本が本書。
     選んだ理由は、本書のレビューに対話の技法に関する具体的なエピソードが豊富でかつ自己対話の役にも立つとの触れ込みがあったので、読むことで現場におけるコーチングの対話について学び、イメージを深めることができるのではないかと考えたからだ。
     読了後の感想としては特に自分と苦手な相手に対するコミュケーションの取り方について気づきを得られたと感じている。
     
     本書はA~Zの頭文字から始まる細かい章に分かれ、各章では①著者の家庭(主に父母の)の思い出やコーチングや教育現場でのエピソード、②エピソードに象徴された対話の現場における技法のヒント、の2部で構成されている。冒頭のエピソードを楽しみながら、「ここから得られる教訓は何だろう」と探りながら読書を進めた。
     
     本書は「コーチングの基本」と違い体系的な内容ではなく、どの章から読んでも楽しめる内容になっているが各章に通底するテーマがある。
     著者は本書においてコーチングを「目的・可能性・前進のストーリーをキュレートすること」と定義している。対話の中で相手の何が問題かに関心を持つのではなく、相手の中で「何が大切か」に関心を向けることでその人を本当に大切な物や夢中になれるものを発見する旅に誘えるのだ、と。
     ベースになっているのは冒頭で明かされるフレームワーク「リスニング・コンパス(聴き方の羅針盤)」。未来・過去の縦軸と望ましい・望ましくないの横軸を掛け合わせ、①望ましい未来、②充実した過去、③辛かった過去、④望ましくない未来の4象限に分割し、両者が紡ぎ、変容していくストーリーがどこに行きつくかを可視化したものだ。
     ”対話の相手自身が、目指す方向に向かって自分がすでに実践している取組みに気づくよう、そっといざなうのが良い聴き手”と言うように、話者の語る辛い過去や望ましくない未来の中にあって、問題点の抽出ではなく「望ましい方向に前進している」といえる「兆し」や積み重ねてきたものに目を向けるというのが、この著者の基本的なスタンスだ。

     本書を読んでいて予想外だったのは、各章を読んでこれらの教訓をどのように活かしていこうかと思いを巡らしていた時、自然と浮かび上がってきたのは周りにいる自分勝手で攻撃的な話し方をする人や、他人への不平不満を吐きすぎると感じられる人々との会話だった。
     苦手な人への対処法として「その人の良いところを探そう」というアドバイスを聞くことがあるが、自力でその人の良いところ見つけようにも苦手な部分が大きすぎて受容しがたいのが実情だ。そうではなくて、受容するか否かの前段階として、その人が何を大事にしているのか、どんなロジックで生きているのか、どこに向かっているのかについて本人に語ってもらうよう促してみる必要があるかもしれない。みんな自分語りは好きだ。その人たちが語るストーリーをその人たちの生の声として、自分の言葉に書き換えずその人の定義に従って聴いてみようと思う。こちらからすれば「負債」の部分でもその人の世界の言葉では生きていく上で必要だった「資産」なのかもしれない。
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    投稿日:2024.04.28

  • sck

    sck

    カウンセリングをかじっていたり、1on対話の経験があったうえで、コーチングに興味がある方にとって良書。
    良い質問の例がたくさんあり、参考になる。
    心に残ったのは、相手のストーリーは相手の方が詳しいので、決めつけたりミスリードしないこと。
    すでに出来ていること、見つけていることなどに意識を向けてもらうために、1から10段階で現在地を示し、過去を振り返ること。
    決して、到達点へ向かうために足りないものやボトルネックを見つけてその解消を目標にしないこと(だいたい頓挫する)
    なぜその結果を望むのかに気づいたときにやる気が湧く。避けたい未来ではなく、進みたい方向に意識を向ける。
    未来へ向かって相手が語るストーリーの証人になるだけで良いこと。
    愚痴や違和感の中に希望があること。
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    投稿日:2024.01.08

  • keizoh

    keizoh

    コーチングと言うよりも、会話が重要ということ、そして一昔前にあったようなダメ出しをしたりすることで、相手が提供するのを期待するのは思ったほど、効果がない。
    対話の確信にあるものは、相手が何を望んでいるかそしてどうすれば、その人がゴールに到達続けるかを見つめてみることが大事。

    気に入った言葉
    人は望む結果を手に入れるための計画を詳細持ったところで、必ずしも奮起するわけではありません。自分がなぜその結果を望んでいるのかと言う時にやる気が湧いてくるケースがほとんどです。
    対話の相手が望ましい。自分になりつつあることを先入観なし。信じるラジカルアクセプタンス(あるがままの受容)は、大切な人たちとの関係を修復したり、固めたりするために、誰もが使える接着剤なのです
    繰り返し聞かされる文句が、実はポジティブな変化を求めている事実な訴えと考える
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    投稿日:2023.11.13

  • moyu

    moyu

    改善したいこと
    改善のきざしが見える最初の一歩はなんだと思いますか?
    改善したら何がしたいですか?

    ポジティブな質問で解決に導く


    投稿日:2023.10.02

  • 北風三太郎

    北風三太郎

    おすすめ!コーチを目指さなくても、目指しても読む価値あります。心が温かくなります。もっと対話しようと思います。
    訳文もわかりやすく、洋書独特の冗長な言い回しもなく読みやすいです。
    こんなコーチになりたい!と思った一冊です。
    「心の眼で観、心の耳で聴く」ん深い〜
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    投稿日:2023.10.01

  • satomshr

    satomshr

    1on1 (する側) の技を得るために読んでみた. 参考になることは多かった. 内容がちょっと雑駁な感じがするので, コーチングや 1on1 を既に始めていて問題意識のある人なら解を見つけられると思うが, 始めたばかりの人がこの本から体系的に学ぶのは難しいと感じた.続きを読む

    投稿日:2023.09.18

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