【感想】懲役病棟

垣谷美雨 / 小学館文庫
(59件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • pomme03

    pomme03

    聴診器でその人の考えが読めるシリーズで、今度は女性刑務所の病棟での話。前作の希望病棟とテーマが近く、社会の(特に女性が抱える)の課題ゆえに犯罪を犯してしまった人々を描いていた。
    犯罪を肯定するような描写にはさすがに「どうなの?」とは思ったが、犯罪者に同情の余地があるのは確かなので、このような作品がきっかけで制度や法律が見直されれば良いと思った。続きを読む

    投稿日:2024.04.14

  • ねこぱんだ

    ねこぱんだ

    このレビューはネタバレを含みます

    2024.03. Audible

    本当に加害者というよりは被害者。
    どうにかしたいね。

    Amazon 本の紹介
    舞台はなんと女子刑務所!
    「後悔病棟」「希望病棟」に続くシリーズ第三弾!
    神田川病院の“金髪女医”太田香織と看護師・松坂マリ江は、ひょんなことから女子刑務所に派遣される。当初は、受刑者との距離を感じていたが、同僚から授かった不思議な聴診器を胸に当てると――

    惣菜四三〇円の万引きで懲役二年を科せられていたり、夫からの執拗なDVに耐えきれず殺害に及んでいたり、はたまた悪い男にそそのかされ、クスリに手を出していたり、と彼女たちの切実な事情が見えてきた。
    二人は受刑者たちとは個人的に接してはならないという禁を破り、あっと驚く方法で解決に乗り出してゆくが……。
    【編集担当からのおすすめ情報】
    シリーズ第三弾となる本作も、垣谷節全開! 現実に根差した理不尽をうま~く料理しながら、時にピリッとしたスパイス(怒り)をもまぶした物語を、著者は私たちに、すっと差し出しだします。本作の最初の読者といってもいい、解説を務めた村木厚子さん(元厚生労働事務次官)の言葉を紹介します。
    〈読み始めてしばらくは、リアルさにとにかく圧倒されました。ここに書かれていることは本当のことばかりと思いながらページをどんどんめくっていったんですが、途中から「こんなにリアルだったら、どうやって話をまとめるんだろう?」と勝手にハラハラし始めたんです。そうしたら……エンターテインメントとしても見事な仕上がりになっていた〉
    極上のエンタメ作品をどうぞご賞味あれ!

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    投稿日:2024.04.01

  • ユカリ☘

    ユカリ☘

    聴診器を通して心の声が聞こえる病棟シリーズの第3弾。
    第1弾の後悔病棟が良かったが、この懲役病棟はそれよりもずっと良かった。
    女子刑務所に出向?になった元暴走族の女医 太田香織と看護師の松坂マリ江。
    特に太田香織は囚人たちは犯罪者、同情の余地はないと豪語していたが、聴診器を通し万引き犯、殺人犯、覚醒剤犯、放火犯の心の声を聞き、元の病院の医師たちの力も借りつつ、生きる希望を与えていく。
    みんながみんな同情に値する事情のある人ばかりでは無いのだろうが、読後は少し考えさせられるところもあり、しみじみと感動した。
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    投稿日:2024.03.24

  • ネムネムプリン

    ネムネムプリン

    受刑者と医師の関わり合いが面白い
    受刑者は極悪人なわけでもなく自分達にとっても身近な話だった。
    特に放火で捕まった人はこれから誰になったとしてもおかしくはない話
    柿谷美海の話は誰かが悪いと特定するわけでもなく、いろんな人の立場になって考えることを教えてくれる
    香織とマリエさんがなんだかんだ仲良くしていて途中から楽しくなった
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    投稿日:2024.03.10

  • YUYA

    YUYA

    **「心の刑期を解く鍵―『懲役病棟』を読んで」**

    『懲役病棟』は、ただの物語ではありません。女子刑務所の静かなる日常を舞台に、金髪女医・太田香織と看護師・松坂マリ江の目を通して、私たちにもう一つの世界を垣間見せます。このシリーズ第3弾では、特別な聴診器を通じて、受刑者たちの心の奥に秘められた物語が浮かび上がります。

    物語の核心は、犯罪と向き合うことの難しさと、罪を犯した人々が背負う重い心の荷物です。しかし、それだけではなく、人間がどのようにして環境や日常のストレスによって狂わされるのか、そして、どうやってその状況から抜け出し、自身を再構築するかというテーマが織り交ぜられています。

    シリーズ第3段として、この物語は一貫して、罪と罰だけでなく、希望と再生についても語ります。犯罪者を単なるラベルで見ず、彼女達の背後にある人間性と葛藤に焦点を当てることで、読者に対し深い共感と理解を促します。また、香織とマリ江のユーモアと温かさが物語に光をもたらし、暗い舞台背景の中でも人間の強さと優しさを見出します。

    この物語を読むことで、自分たちも同じ過ちを犯す可能性があるという事実に直面させられます。しかし、それと同時に、どんな状況からも立ち直ることができる希望と勇気も与えてくれます。『懲役病棟』は、刑務所の壁を越え、人間の弱さと強さの真実を描き出した、極上のエンターテイメント作品です。

    読後感としては、ただの続編を望む以上に、作者がこれからも私たちに提供するであろう深い洞察と人間の心に対する温かいまなざしを待ち望んでいます。この物語は、読む人々の心に長く残り、多くの人にとっての視点変容を促すことでしょう。
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    投稿日:2024.03.09

  • mario13

    mario13

    このレビューはネタバレを含みます

    女子刑務所にお馴染み神田川病院の医師が派遣されるお話。

    派遣されたのは、暴走族経験のある香織先生と肝っ玉母さん看護師まりえさん。もう、ピッタリ。

    2人は人情味溢れた診察で、家族問題にも首を突っ込み、受刑者のこれからの人生を方向づけていく。

    たまたま恵まれた部屋仲間で、例の聴診器があったから、そして小説の世界だからだけれど、ハッピーエンドで、爽快。

    でも現実は厳しい。
    舅や教育長みたいな、自分が諸悪の根源という自覚のない凝り固まった人物が、改心しないまま被害者意識でいることが、悔しい。

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    投稿日:2024.03.03

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