【感想】刑事何森 逃走の行先

丸山正樹 / 東京創元社
(22件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
3
5
10
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ブクログレビュー

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  • momo0707

    momo0707

    ベトナム人の技能実習生が上司を刺して逃亡した。刑事の何森はその行方を追ううちにその奥にある問題に直面する。
    「デフヴォイス」シリーズの何森が主人公の話。入管やホームレスなどの問題が描かれていて、重たい内容だけど、ぐいぐい読ませる。
    続きを読む

    投稿日:2024.05.18

  • えりっっそん

    えりっっそん

    「デフ・ヴォイス」のスピンオフ、何森編第2弾
    短編二つは2021年、中編は2022年が舞台

    前作の表紙は夜道を一人歩く何森…という感じでしたが、今回は夕日さす街を相棒と二人で歩いていく後ろ姿。じーん続きを読む

    投稿日:2024.05.13

  • べあべあべあ

    べあべあべあ

    このレビューはネタバレを含みます

    デフ・ヴォイススピンオフ
    定年間際の刑事何森。捜査の主軸からは外されたている何森と荒井コンビが追う、社会の片隅で生きる女性たちの罪。
    技能実習生、単身女性の貧困、入管法…ほかにもまだある、見えないことにされている人たちの痛みと苦しみ。
    知ってはいる、新聞で、テレビで、あるいはネットで取り上げられるたび心を傷めたりする。でも、すぐにその痛みも流れていってしまう。
    そうやってなかったことにした痛みを、何森と一緒に感じ続けた。
    生きていくことさえ困難な、希望の光もないこの国の生活で、それでも罪は罪だと裁くのか。
    何秘湯解決しない事件たち。読後残る混沌と不全感こそがこの国の現実なのだろう。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.04.15

  • マエダ

    マエダ

    デフ・ヴォイススピンオフ、何森刑事が主役の第2弾。今度はフォンさん主役のお話も読んでみたく思ってしまった…スピンオフのスピンオフ!

    投稿日:2024.03.28

  • fuku ※たまにレビューします

    fuku ※たまにレビューします

    〈デフ・ヴォイス〉シリーズスピンオフ〈刑事何森〉シリーズ第二作。
    はみ出し刑事・何森が、〈デフ・ヴォイス〉シリーズの荒井みゆきとタッグを組んで三つの事件の捜査をする。

    読み終えて何ともモヤモヤする作品だった。
    弱者の女性たちの犯罪を描いているのだが、何森とみゆきが犯人を捕まえてお仕舞いではない。それどころか捕まえることさえ出来ない事件もある。

    作中に出てくる『クー・ハン』なる組織も、そこに助けを求めるしかない女性たちも、その先には何があるのか。
    映画のようなハッピーエンドが待っていれば良いが、本当にそうなるのか。一生守られて逃げ続ける日々が続くのは辛くないのか。

    今の日本社会にある様々な問題。救済が必要な人、救済を求める人がたくさんいても、全ての人を救うことは出来ない。そもそも今の日本にそんな経済力などない。みんなが今日生きるのにいっぱいいっぱいな、貧しい国になっている。
    一方で様々な救済措置を悪用し、法の隙間をすり抜けて不法行為・違法行為をする人間がいるのも事実。得てしてそちらの人間に少ないペイが渡るのも事実。

    最後の事件で何森は自分で選択して自分で女性を取り調べた。
    女性は救われたのか、どうなのか。


    何森は作品の最後でまもなく定年を迎える設定となっている。次の作品があるとすれば、刑事ではない何森としての姿が描かれるのか。第二の人生の舞台はどこなのか。そこで何森は何をするのか。機会があれば読んでみたい。
    続きを読む

    投稿日:2023.12.29

  • あやごぜ

    あやごぜ

    「デフ・ヴォイス」シリーズのスピンオフ、“刑事何森”第二弾。

    「逃走の行先」というタイトルにもある通り、“逃げる女”(逃げざるを得なくなった女)をテーマにした、連作三話が収録されています。

    定年間近(!)の何森刑事とバディの荒井みゆきが追うのは、派遣先の上司を刺して行方をくらましたベトナム人技能実習生。その背景には非合法の救済組織があるようで・・(第一話「逃女」)。

    丸山さんの作品には毎回考えさせられていますが、今回も、この国が抱える厳しい実情が浮き彫りになるような内容となっております。
    技能実習生の厳しい現実を扱った、第一話「逃女」。
    ホストに嵌った女性の末路・・売春斡旋、パパ活問題の第二話「永遠」。
    難民申請の困難と非正規滞在外国人問題、そして高齢単身女性の貧困を描いた第三話「小火」。
    各話、追い詰められた女性達の悲痛な思いが伝わってきて、読んでいて心がえぐられるようでした。
    勿論フィクションではあるのですが、実際に起こった事件がベースになっているので、リアルな問題提起になってもいるのですよね。
    という訳でスッキリ解決!という展開ではないのですが、本書を読んで“この国のセーフティーネットは一体どうなっているんだろう・・?”と、関心を向けるきっかけになりました。

    さて、やりきれない事件への対峙でいつも以上に哀愁漂う何森さんでしたが、定年を迎えた後の彼の進路(?)も気になるところです。
    あと、第二話で、捜査の為にホストクラブに通う羽目になったりと、本編シリーズとは違った面をみせてくれるみゆきさんでしたが、どうやら次女の瞳美ちゃんの学校の事でお悩みを抱えている模様です。
    荒井ファミリーの状況が心配なので、本編シリーズの続きも是非お願いいたします~。
    続きを読む

    投稿日:2023.12.23

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