【感想】再考 ファスト風土化する日本~変貌する地方と郊外の未来~

三浦展 / 光文社新書
(10件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • こうへい

    こうへい

    著者の文章は時折読む事があるが、その中では一番こじつけ、牽強付会を感じた著書だった。結局は中央線沿線の内輪ネタじゃねえの?という感想の域を出なかった。

    これだけだと★は2つなのだが、寄せられた論考の方が優れているので★は4つ、間を取って総合★3つとした。

    日本全体を網羅するなら、寄稿の数・量をもっと増やし、著書は編者に徹する方が良かったのでは?

    自分としては、帯に書いてある「退屈で凡庸なファスト風土」と批判的に書いてあるが、退屈で凡庸こそ日常なのであって、日常はファストメインで十分だと思っている(ファストにすらありつけない人々も数多いのだから、これでもありがたい)ただ、非日常を味わえる場所を身近に幾つか抱えていたい、とは思う。

    未来屋書店大阪ドームシティ店にて購入。
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    投稿日:2023.05.28

  • nyankoteacher

    nyankoteacher

    ロードサイド、大規模ショッピングモールに代表される、都市でもない田舎でもない、無個性で画一的な生活をイメージする記号的な風景が、若い世代の心象を脆化・退化させて、未来の日本の衰亡の遠因となる・・ココロある都市社会学者のグループによる危機感の表明、というところか(だいぶ大げさに言えば、だが)。
    具体的な地点についての個別描写、個々のオーラルヒストリー的な経験談だけでなく、マッピングされたデータのエビデンス、各種デモグラフィックデータを駆使して、論証しようとてしているが、論理がくっきりと浮かび上がっているという感じではないように感じる。
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    投稿日:2023.05.28

  • tagutti

    tagutti

    <目次>(だいぶ略)
    再考   ファスト風土化とは何か
    第1部  考察編  ファスト風土論を再読する
    第2部  実践編  脱・ファスト風土な世界をつくる
    第3部  「第五の消費」のまちづくり

    <内容
    三浦展は「ファスト風土」を広めた評論家。大きなショッピングモールと大型チェーン店が展開するロードサイドが、日本中に広がり、そこだけに車を乗り付け、消費や娯楽をしていく人々の世界を指す。確かに多くの地方を旅しているが、日本中が金太郎あめのようになっている。そこだけ渋滞しているし、その反動で従来の商店街や駅前はシャッター化しているのを目にしてきた。
    それでは日本は衰退していく、というのが大筋なのだが、第3部の「第五の消費」では、それに対する対策が載る。スロー・スモール・ソフト・ソーシャブル・サステナブルの「5S」がキーワードになるという。ワールドワイドな企業よりも地元密着の店、そこにしかない商品を、儲けぎりぎりでゆっくりと販売し、客ものんびりと生活をしながら、消費していく。ある意味、先祖返りするような日々が送れればよいのだろう。
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    投稿日:2023.05.20

  • グアルデリコ

    グアルデリコ

    戦後のアメリカ的な近代化(モダン化)の一環として地方を中心に消費環境が均一化したことを「ファスト風土化」と称した一方、ポストモダン的な多様性が都市を中心に芽生えたことを紹介しつつ、ファスト風土の次の消費環境の可能性を紹介した著作。続きを読む

    投稿日:2023.05.15

  • てつ

    てつ

    「ファスト風土化」とは、著者が20年ほど前に考案した概念。   著者は、日本中のロードサイドにショッピングモールなどの大型商業施設が立ち並ぶことで、地域の風土が均質化し、コミュニティも破壊されると警鐘を鳴らす。
    本書は、この論理が人口に膾炙するようになり、ファスト風土に違和感を感じる人が増える一方で、逆にそれを所与の前提として受け入れている若者もいることから、著者が再考を企画して、著されたもの。小説家、建築家、研究者ら様々な専門家による分析や脱ファスト風土化の実践事例も紹介されている。
    地方に住む自分としては、地域文化の空洞化によるアイデンティティー危機、環境エネルギーへの負荷の増大、流動化と匿名化による犯罪の増加、人間観・倫理観の変質など、なるほどと思える要素が多々あった。反面、有名な全国的チェーンが立地することで、楽しみを味わいステイタスを実感してしまうのも事実である。
    ファストで豊かな消費も楽しみながら、それに翻弄されず、スローな関係性や居場所を確保しサステイナブルな生活を目指すというのがベストだと思う。
    その戦略として本書に示されているローカルフードの食文化での地方再生、エリアリノベーションによる遊休不動産の再生などで顔の見える関係性の構築をすることには実効性を感じた。
    また、地域のリアルな娯楽文化を取り入れたリクリエーション、リクリエーティブな店や歓楽街づくり、また、歩いて楽しいようなほどよいサイズ感の街づくり、パブリックな空間や広場づくりも参考になった。
    ただ、地方が活性化するには、経済循環が必要であり、一部の人が利益を受けるだけではいかない。また、背後地の人口が少なければ地域外の人にも来てもらわなければ成り立たない。スローでスモール、ソフトでもサステイナブルであるためには、大勢の人々のエネルギーが結束しなければならない。
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    投稿日:2023.05.13

  • boxmans

    boxmans

    論評としては主観が入りすぎているが、消費社会としての郊外のこれからをどう引き受けていくかは重要なテーマであるだろう。
    引き受けるのはそこに生きる多くの人々の話であり、建築家や開発者ではない。

    投稿日:2023.05.02

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