【感想】トッド人類史入門 西洋の没落

エマニュエル・トッド, 片山杜秀, 佐藤優 / 文春新書
(7件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 匿名希望

    匿名希望

    エマニュエル・トッドとの対談

    ロシアとウクライナ
    日本や西洋の立場でなく、非西洋的な立場から見れば違った視点が見えてくる。
    進んでいると思われた西洋の家族のあり方。
    ロシアから見たら西洋による侵略からの防衛戦争
    アメリカによるドイツの国力低下を狙った武器許与
    ロシアのGDPでは測れない軍事力

    正義でなく、ここにある現実を知ることの大切さ
    もちろん、殺戮が決して許されることではないけれど、そろそろ、冷静に2つの国の立場を確認することも大切なのかなと思いました。
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    投稿日:2023.08.13

  • 観領

    観領

    トッドの知性は現在世界の知識人の中でも、ずば抜けて信頼がおけるということを再認識した。

    トッド自身の語り口の妙は相変わらずだが、トッドの集大成ともいえる「我々はどこから来て、今どこにいるのか?」の読みどころを論じる片山と佐藤による対談も勘所をよく押さえていて、良いおさらいになった。

    ウクライナ戦争が「政治的価値観の対立」であるのは表面的なことであって、(そして経済的な動機もあくまで一面であって)より深い次元では「人類学的価値観の対立」であり、したがって意識的なレベルのことに尽くされないということを明晰に教えてくれる。

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    投稿日:2023.06.18

  • issei

    issei

    新鮮。目から鱗。濁った視野を爽快に洗い流してくれる。そして思いもしなかった視座を提示してくれる。新書で、しかも佐藤優と片山杜秀の対話型解説(贅沢が過ぎる)ということも手伝って、キャッチーに吸引力が凄い。良かったぁ。続きを読む

    投稿日:2023.05.12

  • mochioka

    mochioka

    家族の形を分類して考察するところが目新しく、面白かった。日本は長男が家を継いでいく的な直系家族だというのは今の時代たしかに違うけど根底として残っていると感じているし、ドイツが同じような家族形態であったこと、さらに直系型であるが故に社会が安定・硬直しがちで、英米の核家族型社会の破壊的創造と対比されるところはなるほどだった。
    また、ウクライナ戦争についてプーチンの方が多様性を重視していて西洋側が文化を押し付けようとしている、という部分は日本メディアでは聞かない話なのでもっとちゃんと知りたいと思った。
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    投稿日:2023.04.19

  • DJ Charlie

    DJ Charlie

    題名の「トッド」とは、フランスのエマニュエル・トッドのことである。独自な研究で世界を語るという感のエマニュエル・トッドである。近年『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』という人類の歴史を鳥瞰しながら、幾分掘り下げて行くという、長きに亘る研究の集大成的な本を上梓している。日本語版も登場して然程の時日が経っていない。この本の内容を念頭に、片山杜秀、佐藤優の両氏が「トッドの論点」で最近の話題等も掘り下げて論じるという感の一冊である。
    本書は、トッド自身のインタビュー、トッド、片山杜秀、佐藤優の3氏による鼎談、片山杜秀、佐藤優の両氏による対談というような体裁の各部、5つの纏まりから成っている。各々に興味深い。が、個人的には「ウクライナ戦争と西洋の没落」、「第三次世界大戦が始まった」という部分に殊に引き込まれた。
    「ウクライナ戦争と西洋の没落」、「第三次世界大戦が始まった」という部分に在る論点は、これまでにエマニュエル・トッド関係の本で論じられているモノに触れている内容と被る。それに佐藤優関係の本で論じられているモノも加わり、鼎談として内容が交差しながら掘り下げられている。
    色々な経過を辿った人類の経過の中、現在に至って「第三次世界大戦」とでも呼ばれるようになって行くかもしれない事態に「踏み込んでしまっている?」ということに「気付かなければならない?」ということが本書では示唆されていると思う。
    ウクライナの戦争に関して、本書の中では「思いも掛けぬ長期化」という見立てが色濃いかもしれない。他方に、1年程度の期間で何らかの収束が図られるかもしれないという見立ても在るのかもしれない。「あんた個人が如何思おうと、何ら関係無い…」とでも言われてしまうかもしれないが、それでも個人的には「人々の生命が擦り減らされるようなことを少しでも早く停めて頂きたい…」というように思いながら、この事案に纏わる情報に触れている。
    そしてトッドの研究の出発点でもあるような「家族」という問題を論じた部分も興味深い。表層的に然程の影響が無い様で在りながら、しぶとく影響力を行使し続けるような文化を「ゾンビ〇〇」と本書の中では呼んでいる。「ゾンビ儒教」とでも呼ぶべき、深く浸透した儒教の影響を免れ悪い地域の国々では、「子どもの面倒を」、「親の面倒を」と何でも背負い込むような感が在り、現に要る老いた親の面倒を見る関係で、未来を担う子どもに関する事柄を推し進め悪い側面が否定出来なくなるという論が展開されていた。日本もここで言う「ゾンビ儒教」という域内に入ってしまう。少し考えさせられた。
    初出が雑誌という部分が殆どなのだが、本書は何か「読み応えが在る記事を集めて一気に通読」という感じでもあると思う。本書のような、大著の内容を念頭に、その「触りの議論」へ一般読者を誘うような本は、なかなかに好いと思う。
    続きを読む

    投稿日:2023.04.12

  • ossa

    ossa

    トッドさんの最新の見解を対談形式を通して確認できるのでとても読みやすかった。またその見解が他国よりもここ日本で比較的受け入れられているというのは日本人の柔らかさなのかなと思う。
    そして距離人種如何に関わらず争いの早期終結を心から願っています。続きを読む

    投稿日:2023.03.28

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