【感想】うけいれるには

クララ・デュポン=モノ, 松本百合子 / 早川書房
(5件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • エスメラルダ

    エスメラルダ

     『三番目に生まれた子どもは、障がいを抱えていたーー。 フランス文学を学ぶ日本の学生がNo.1に選んだ感動作』の帯の言葉に、興味を持ち購読。

     障害を持つ弟の全てを受け入れる長男、嫌悪感と共に拒否する長女、苦しく葛藤する両親。
     著者自身の実体験をもとになっているとのこと。
    だから、リアリティに溢れ、何度も涙した。
     また、設定が面白い。彼らを見つめる中庭の赤みがかった石が、意思を持って(ダジャレではなく、本当に)物語っている。 ちょっと不思議な感覚になる。

     『2021フランスの高校生が選ぶゴンクール賞』も、受賞している。
     日本やフランスの学生たちの感性・感受性を賞賛したい。
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    投稿日:2023.10.21

  • みーば

    みーば

    石がストリーテラーとなり、
    家族の物語を繊細な文章で綴られてる。

    万が一、障害のある子どもを産んでも、
    親は一生懸命育てるだろう。
    でも、兄弟姉妹にとっては、
    また違った思いが生まれる。
    障害の重さや種類によっても違うだろう。
    それは、たぶん、意思疎通ができるかどうか。
    目を合わすことも、感情を表す事もままならない子どもに、幼い兄妹はどうしていいかわからない。
    長男のように、のめり込みすぎて自分を失うか、反対に長女のように、拒絶的に嫌うか。
    どちらも心の成長に大きな影響を与える。
    障害のある子どもを持った場合、その子の兄弟姉妹にもいっそう思いを寄せてあげなければ、すべての我が子達を失いかねない。
    末っ子の誕生は、全ての集大成のようだ。
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    投稿日:2023.07.11

  • amyamy114

    amyamy114

    フランス 高校生が選ぶゴングール賞、日本ゴングール賞
    障がいのある子ども、家族 兄、妹、末っ子
    家族の再生、自然への共感、はるか昔からある石
    読んでいる間、静謐な空気に包まれていました

    投稿日:2023.07.11

  • 23

    23

    受け入れる。ことによる生き方は、1人1人異なっているが、その1人1人が繋がる時に、愛が生まれると感じた。受け入れるということは、今の自分が思っている以上に深く、広く、人格の形成に関わっている。

    投稿日:2023.05.02

  • ぽてち

    ぽてち

    父と母、兄と妹の4人家族に、弟が産まれた。彼には障がいがあった。目が見えず、四肢は動かなかった。小児科医は、こうした子の寿命は3年だと言った……。その後の家族に起こったことを“石”が語る風変わりな物語だ。
    第1章では活発でリーダー的な存在だった長男が、ある日を境に献身的に弟の面倒をみるようになる。第2章は弟が破壊した幸福な家族に反発する長女の姿が描かれる。第3章には思いがけず誕生した末っ子が登場し、次男の遺したものを通して家族を再生していく。
    彼らには家族の役割でしか名前がない。それがこの物語を普遍的なものにしている。ただ生きているだけの存在がもたらしたのはなにか。心に深く沁みる物語だった。
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    投稿日:2023.04.28

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