【感想】吉岡里帆写真集 里帆採取 by Asami Kiyokawa

吉岡里帆, 清川あさみ, 熊谷貫, 三瓶康友 / 週刊プレイボーイ
(1件のレビュー)

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  • tasogareanalysis

    tasogareanalysis

    このレビューはネタバレを含みます

    「Show Must Go On!!!不安は壇上では呑み込む、女優のリアルは極限のコントラストにある!」
    京都府出身、芸能事務所A-team所属の女優、吉岡里帆さんの通算2作目となる写真集です。販売元は集英社、撮影は熊谷貫さん、三瓶康友さん、プロデュースは清川あさみさんです。

    ボーナス商戦迎えるに相応しいビッグタイトル登場。平成最後の清純派女優、再びグラビアの土を踏む。オタク的には小言のひとつも言わずにおれぬどんぎつね…じゃなかったDIC岡里帆…いや違う吉岡里帆(大好きじゃねーか)、生涯2度目のアット・バットであります。

    まとめサイトにまで拡散されちゃったグラビア時代回顧の言。最早不要とも思われるグラビアへここに来ての回帰、それも正真正銘の「グラビア」で…。女の敵とも囁かれるあざとい彼女の、男前なまでに背筋の伸びた生き様。
    表現する事に真摯な態度はグラビアに対してもブレは無い。正面切って演るぞの姿勢はタブー視する向きを打ち消して余りある実直さ。今回の写真集で彼女のイメージは大きく書き換えられましたよ。壇上で生きる「勝負師」へと…。

    人物を対象としたアート作家の清川あさみ氏をお供に迎えた今回は3つのChapterから成るコラボレーション作品。巻末のインタビューで明かされていますがモデルからインスピレーションを得た複数のテーマが下地となっています。
    3つのChapterと言っても全てが明確に分かれているようでいてどこかぼんやりと繋がっていて、モデルの精神性が起点である為か読後には女優・吉岡里帆のリアルな内面が胸の中に去来する…、そんな印象を覚えました。

    「自然」がテーマのFirst Chapterでは深緑の映える渓谷にてピクニックに興じるひと幕。ビキニ以上に破壊力を感じる白ニットに目を奪われつつ谷のド真ん中にテント張りオフモードなスマイル。グラビアンを全うする姿にただひと言「楽しそうやな…」。

    Second Chapterではスタジオへと移り趣が一変、プレーンな幕を背景に花をあしらう主枝のイメージで色を盛る「ファッション」。光を焚きスタイリッシュなラメの明暗、生い茂る土色に寝転ぶ滑らかな肌色、口唇へと乗るベージュ・ボルドー・くすみ色…。色彩が舞うアーティスティック・セクション。

    終幕Third Chapterでは銀河劇場にて交差する吉岡里帆の「光と影」。舞台上で誰よりも鮮やかに微笑む彼女の、奥に潜める影の側面。

    蕾ほころぶワンピース着て客席へ、壇上を見据える目は何の惑いも伺えぬ「まっすぐ」。開演を待ち望む我々も恐らく同じ表情をしているだろう。演者の腐心など思いも寄らずに。

    厳かなドレス着て壇上へ、下りた幕の所為で「まっすぐ」な目を避ける女優の何と憂わしげな事か。客席からは届かない場所にこそ女優のリアルが存在するのだと深く、深く得心する。



    そして「影」と「光」は同居して初めてその色合いに気づくことができる。



    幕が、上がる。不安は全て、呑み込む。

    いつもの彼女が遂に現れる。よく知るえくぼが花開く。

    目も眩む程の「光」。

    すぐ側に潜む「影」。

    危ういまでの極限のコントラスト。触れたリアルに息を飲む。



    肖像を超えた「気づき」を与える写真集。稀に見る傑作です。

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    投稿日:2020.11.12

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