【感想】待つ(乙女の本棚)

太宰 治, 今井 キラ / 立東舎
(20件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
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ブクログレビュー

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  • 土瓶

    土瓶

    遠い。
    二十歳の娘さんの心境はとても私からはあまりに遠く、繊細で、壊れ物のように感じました。

    戦争が始まって以来、何か落ち着かず、自分でも分からない誰かを何かを待っている娘さん。
    最期の一行がほんのりと怖かった。

    イラストが綺麗で構図がいいなぁ。
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    投稿日:2024.05.05

  • kazekaoru21

    kazekaoru21

    タイトル、イラストに惹かれて手に取りました。戦争を題材に太宰治氏が書き残した作品に、今井キラ(今井キラさん初めて知りました)さんのなんとも不思議な雰囲気のイラストがぴったり。
    誰を待っているのか、私もはっきりとわからないけれど、その感覚、凄くわかります。帰るあてのない人を待つ、或いは誰ともわからぬ誰かを。
    自分自身を客観視している表現があり、わかるわかると頷いてしまった。
    主人公はまだ20歳の娘ということに少々驚き。
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    投稿日:2024.02.15

  • 紫月

    紫月

    この娘は誰を待っているのだろう。明確な答えは本人にもわからない。でも、この感覚、すごくよく分かる。
    誰かにかまってほしくて、誰かに見つけてもらいたくて、でも、そんなことがあったらと思うとドキドキしすぎて、白昼夢みたい、というのはその通りで…。
    待っているのは、ただ、漠然と寂しいから。人間が怖いから、一人でいる時間のほうが安心するけれど、それでも自分を受け入れてくれる、温かい誰かが現れたらいいなと幻想を抱いている。そんなことをする自分を、みだらな女だと思ったり、不埒な計画が燃えていると認識していても、こんなことでしか、寂しさを紛らわせられない。こんな自分を壊してしまいたいし、誰かに救い出してほしいと思っているのだろう。
    すごく短い絵本といった感じなのに、深い。手元に置いて自分の心境の変化と比べながら都度確認したくなった。
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    投稿日:2024.02.13

  • ねこ

    ねこ

    乙女の本棚シリーズ。
    今井キラさんの装画が見事にマッチ。
    ペールトーンの柔らかな色合いが、すごく好みだった。
    誰かを待つ、待ち人が誰だか分からないけど待つ。
    そんなことも遠い昔にあったかも、と思いながら読んだ。続きを読む

    投稿日:2024.02.12

  • なな

    なな

    もっとなごやかな、ぱっと明るい、素晴らしいもの。
    彼女は誰を、何を待っているのだろうか。
    ある日偶々その駅で出会って、忘れることのできない人か、それとも戦争も、何の不安もない穏やかな日常か。
    想像が膨らみます。
    一人ひとりそれぞれに忘れられない記憶、あと一度でいいから会いたい人、そんな存在があると思います。
    だからこそ、心に染みる作品なのかなぁと思いました。
    続きを読む

    投稿日:2023.12.01

  • 1980069番目の読書家

    1980069番目の読書家

    日常、なんでもないことがすこし楽しくなるようなアイデア。頭の中の世界を表現するのは、わたしは音楽より文字のほうに魅力を感じる。発想をたくさん蓄えるところから

    投稿日:2023.11.28

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