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田中清久, しば犬部隊, ひろせ / コミックガルド (1件のレビュー)
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clamamus
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2028年にダンジョンが現れた近未来の if 現代世界から、異世界ファンタジーワールドへ。 上級探索者・遠山鳴人が異世界転移で一から始める冒険物語の第一巻である。 帯にもあるが、開幕からラスボスが襲い掛かるタイプの(負けイベントでもないのに容赦のない)ストーリーがこの巻では紡がれている。 開幕ブッパ型のダイナミズムのある一巻だろう。 この作品は小説家になろう連載作の(書籍化に伴う)コミカライズであり、ストーリーは原作が存在する。 かなりテキスト量の多い作品なのだが、このコミカライズは上手くエッセンスを抽出している印象だ。 原作読者としては「こうして欲しいなあ」を思う所を、かなりの精度で実現してくれている。 死の間際、クリティカルな後悔をしながら、それでも笑って見せる鳴人の姿。 決死の場面で「夢が叶ってしまったのだ」と満足のまま、祈りを捧げるかのように慟哭するトカゲの人。 運命の矢印に指図する、あまりに身勝手な主人公。 鎧野郎のスタイリッシュさ。 目覚めた竜のひとりごと。 欲しい絵がそこにある。 それは漫画において、特にコミカライズにおいてはこの上ない武器だろうと思う。 不良主人公が切り札で戦い抜く原作由来のストーリーには、元から作品としての良さがあるのは事実だろう。 往年のライトノベルを思わせる良き風情がある。 だが、このコミカライズがその良さを上手く活かしているのも確かだ。 今巻は文句なしに星五つを贈りたい。 コミカライズがこれからも順調に刊行されていくことを望むところである。
投稿日:2023.05.17
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