【感想】綿の帝国――グローバル資本主義はいかに生まれたか

スヴェン・ベッカート, 鬼澤忍, 佐藤絵里 / 紀伊國屋書店
(2件のレビュー)

総合評価:

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  • くろもも

    くろもも

    とても分厚く丁寧に、綿の帝国についての変遷を描き切っている。
    綿業の250年ほどの歴史は資本主義の発展の歴史であり革新に暴力と強制があるという。
    資本主義の発展に綿は重要な役割を果たしてきた。
    インド、南北アメリカ、アフリカ、中国からのヨーロッパという広がりからの、極めて広大かつエネルギーに満ちた世界を結ぶ商業ネットワークを築きあげた。
    特定の国家・不平等な労働力に依存した来たし方から始まり生産性は格段に向上してきた。
    今後、公正を踏まえた資本主義に希望はあるということであった。
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    投稿日:2024.02.23

  • 76b459301c077b67

    76b459301c077b67

    資本主義の先駆けとして、資本主義のすべての変遷を経験してきた綿産業を有史以来戦間期まで書き下ろした大著。筆者はハーバード大教授。
    資本主義はその創生以来、時間と空間にわたって展開されてきたことを綿産業に基づいて語る。綿は農作物として収穫され、紡績によって綿糸になり、綿糸が綿布となってさらに染色されて最終産物になって最終消費者の手に渡る。本書ではこの過程が、世界各地で異なる役割を異なる地域に担わせながら、さらに時間の経過と共にその場所を移り変わりながら展開されることを知ることができる。さらにこの別々の過程を繋ぐのが商人であり、ローカルで局所視的な各産物の生産者と、それらを繋ぐ商人の間の権力関係も表現される。この商人たちにとって、国家的権力と結びついて生産の原資となる労働力・原材料を確保することが死命を制するのである。続きを読む

    投稿日:2023.01.17

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