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西村賢太 / 文春e-book (11件のレビュー)
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パトリシア
この作品を読了してこれで全ての西村作品を読んだことになる。 西村作品に多く出てくる「秋恵」が全く出てこない、西村作品としては稀有な作品。 敬愛する藤澤清造氏の没後弟子を自称して命日に「清造忌」を取り行…ったり、七尾に住まいを持ったり、藤澤氏のご遺族との交渉など、今作は藤澤清造一色なので、若干の物足りなさを感じられる向きもあるかもしれないが、そこここに西村賢太氏の美しい情景描写があり、はっとさせられたりもする。 昨年の急逝は急病によるもので、死を予測できたとは思えないのだけれど、死に関しての思い書いた文章も複数あるのも複雑な思いで読んだ。 今は生前、藤澤清造氏の隣に建てた墓に眠っておられる西村さん、安らかに。 続きを読む
投稿日:2023.09.29
sebastian
発売日に買ったものの読まずにしてた。 これが最後か。 手元にあってまだ読んでないのが雨滴は続くと、どうで死ぬ身のひと踊り
投稿日:2023.08.23
レコスケ
師たる藤澤清造の全集および書作文庫での復刊へ奔走する西村賢太氏の日々。自身も「何故それ迄に」と疑念を持つ程の執着。 ですが作中の「だが彼我も、当人には当人なりの事情と目的があって、互いにそれを自信をも…って行なっているのだ。」と言う氏としては珍しい他者共感の一文が一ファンとしても面映ゆかった。続きを読む
投稿日:2023.07.29
hanon
なぜか読みたくなる、そして読めてしまう西村賢太さん。 藤澤清造さんの「殉後弟子」としての短編集や全集出版に奔走する著者を書いた私小説でした。 著者の破天荒なプライベートを書いた私小説とは違い、コアな層…以外にはとっつきにくい内容です。 好きですけどね。派手さは無い。やっぱり、他の作品も読んでいる読者からすると、藤澤清造さんについての記述は繰り返し読んでいるものになってしまうし。若い頃の話はパンチがあるけれど、老いてくれば目新しいことは無くなるし、私小説はその点難しいなと思いました。 亡くなる数年前まで親密な女性がいたのは知らなかった。その方とのことについての話が読みたかったな。どこかで書いているのだろうか。続きを読む
投稿日:2023.07.04
tom555
このレビューはネタバレを含みます
逝去からちょうど一年後に発売された本。P148(まあ、あれだ。人それぞれってことだよな……)がとても良かった。著者は孤独の中で自分の支えを見つけ、人生を捧げている人だからこそ、そこに関わる他人の所作には非常に厳しい。皆同じ価値観ではないのに……。「これしかない!」と人生を棒に振り、お金も人間関係も自分都合で巻き込みながら突き進むのは破滅的だと思い読んでいたけれど、命懸けで真剣で純粋だからこそ、危険な生き方になってしまったのかもしれない。そう思った時の(まあ、あれだ。人それぞれってことだよな……)が良かった。
投稿日:2023.05.11
チャオ
完成した小説で言えばラストということで、不思議と死を匂わせたところも有り、読んでいてなんとも言えない気分となった。 出されてしまった小説感は否めず、個人的な評価は凡作という判断ではあるが、独特の作風で…、読み手を不思議と惹きつける類稀なる作家さんの新作をもう読めないというのは、矢張り悲しい限り。 西村賢太の没後弟子の出現を今は待とう。続きを読む
投稿日:2023.04.13
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