【感想】珈琲と煙草

フェルディナント・フォン・シーラッハ, 酒寄進一 / 東京創元社
(15件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
4
6
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ブクログレビュー

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  • 本屋さんが大好き!

    本屋さんが大好き!

    「神」と同時に図書館から借入。
    何となくこちらを後攻に。

    とても良かったです。エッセイか物語か…どちらでも構わないと思わせるこの透明感…

    残念ながら目次がなく、タイトルもない…なので、心に残った章を記録。

    献辞
    3 映画の話とミック・ジャガー
    4 3人の弁護士
    5 死刑、さらに死刑囚の起こした事件の詳細
    8 ケルテース・イムレについて
    12 ラース・グスタフソンについて
    14 これは物語
    15 マゼンタの語源
    16 ヘルムート・シュミットと煙草
    18 キーウの女性の話。ロシアの侵略は、現在も継続中…
    20 ミヒャエル・ハネケの話。一番心をつかまれた。
    22 カミュの話
    26 高齢の神父の話 
    28 これも物語
    29 映画「バーバー」と、ハインリヒ・フォン・クライストとヴェルナー・ハイゼンベルクの話
    30 本人が意図しない舌禍事件
    33 本人の出自に関わる、ナチと美術品にまつわる話。と、大事なもの、とは、という話。
    36 物語。こわい…
    39 友人の死にあたり。
    40 物語。ありがちなストーリーだけど、ちょっと身にしみて。
    48この本の集大成的なエッセイ。「神」にもつながるような。

    シーラッハ好きなら、気に入ってもらえると思います。
    シーラッハをきっかけに、ドイツやドイツ語も気になり始めました。実は何も知らないのでした。

    人生も残り短いのに、まだまだ知らないことが多く、読みたい本も多い…困る(笑)

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    投稿日:2024.03.10

  • ゆまち

    ゆまち

    思っていたものとは違い、最初戸惑いはしたけど、心地よい文章につられてつらつらと読んでいった。
    タイトルのない、短編のようなエッセイのような、時世に皮肉と共に一石投じているかのような話もあり。
    それぞれの話にはタイトルはなく、代わりに番号が話ごとに割り振られていた。
    完全に私に染みたかと言われると少し物足りない感じもあるけれど、よかった。
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    投稿日:2024.02.29

  • kernel

    kernel

    煙草関連のエッセイは編著含めとりあえず気になるのでタイトルから手に取る。
    数ページ読んだ感じは思ったものと違う(煙草がそこまで現前しない)ので、断片的な小作品とはいえ読み終えられるか疑問符が生じたものの、「ドイツ」「弁護士」といった著者の身近な題材から広がる様々な物語は、小説に対して筆者のもの含めなかなか手を出そうと思えない偏執の身からしても、良質な、いい意味で自信から縁遠いものに巡り合うことが出来たことは僥倖だった。続きを読む

    投稿日:2023.11.19

  • いちよう

    いちよう

    話の節々に、日本人と違う感覚を持っている人がいると感じた。この本ではコーヒーとタバコで自分の心を癒していたが、多分、人によってそれは何でも良い。自分の心を落ち着かせてくれるものを持っているという自覚が大事なんだと思った。あと、体に悪いものを結局好きになってしまうのは、世界共通であると感じた。続きを読む

    投稿日:2023.11.18

  • YAJ

    YAJ

     タイトルに惹かれて読んでみた。
     近年目にした映画(『犯罪』『コリーニ事件』)の原作者なのね。ご職業は弁護士だとか。

     エッセイともルポとも短編とも見分けのつきにくい話が、長短さまざま48篇収められている。ブツブツと寸断されるので、なかなか読みすすむ勢いがつかず時間がかかった。

     とはいえ、そんなにサクサクと読む類の文章でもない。
     機知に富み、情報量も多い話が、職業柄か、理路整然とドライな筆致で綴られる。
    48篇それぞれの長さも(短いものは1ページにも満たない)、著者の独特のリズムなのだろうなと思う。

    「物書きであれば、創作した人間と言葉を交わし、その人たちと人生を共にできる。書く合い間に生じる時間はそのうちどうでもよくなる。書くことの方が本質だ。」

     長編は読んでない。本書に収められた短編の小説もどきの文章に登場する人物たちと著者がどれほど言葉を交わし、文章を練り上げたのかは分からなかった。あまり心に残る登場人物はいなかった。

     その中では、恋人だったボクサーのことを語る老婦人が印象的だったかな。
    「ボクシングは暴力と勇気と自己管理がすべて」
    続きを読む

    投稿日:2023.10.20

  • がじ丸

    がじ丸

    みんな大好きシーラッハさんの社会「観察記録(訳者あとがきより)」です。

    48の章に別れたエッセイと創作が区別無く(視点の違いがヒントかも)並べられていて、それぞれが短文だからかシーラッハ独特の世界の切り取り方、視点、省略が「犯罪」「罪悪」以上に鋭く感じられ、予想以上に楽しめました。

    幾つか「何この話」という物もあれば法律や権利を題材にした重い話もあったり、虚無感を抱えながらも人間をやっていくには他人を信頼していくしかないね、みたいな価値観に共感しながら読んでいました。

    また頻繁に挿入される引用も魅力的でした。シーラッハファンは必読かと。是非是非。
    続きを読む

    投稿日:2023.09.24

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