【感想】ザ・ブランド・マーケティング

スコット・ベドベリ, スティーヴン・フェニケル, 関野吉記, 土屋京子 / 実業之日本社
(4件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
1
2
1
0
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • TAKEYA

    TAKEYA

    ナイキとスターバックスの実際に起こった出来事を文字にしたのですが、翻訳の問題なのか、いまいち言いたいことがわからない内容でした。。ここからは何かを得るのは難しかったです。

    投稿日:2024.01.16

  • 麺とパン

    麺とパン

    SDGsの関連で手に取ってみた。ナイキ、スターバックスといった著者の関係が深い会社を中心にブランドが解説されている。

    昔はビジョナリー・カンパニーといった成功企業の仕組みの解説書があったが、それは今ではブランドと言われるようになったのではないかと思えた。

    分厚いが、読み物なのでサクサク読める。翻訳書にありがちな冗長さも控えめ。
    続きを読む

    投稿日:2023.07.31

  • japapizza

    japapizza

     特定の商品に限定された結びつきを超え、時間を超えた強い感情にブランドを結びつけること―「情緒的ブランディング」の重要性は、新ブランド社会においても変わらないが、それは意味のある商品開発に取って代わるものではありえない。情緒的ブランディングとは、商品に物質的価値以上に重要な情緒的価値があることを認識させ、それによってもともと力のある商品やサービスの訴求効果を高めるだけのものなのだ。これからは、情緒的ブランディングに加えて、商品開発やマーケティングのイノベーションを一層進める努力が大切になる。どんなブランドも、ひとところに立っているだけでは生き残れない時代なのだ。


    「まず最初に、ナイキには消費者に訴える強い商品があった。第二に、ちゃんと機能するビジネス・モデルがあった。第三に、クリエイティブを検討するうえで常識をわきまえていた」どんな業界のどんなブランドであろうと、アドバイスはこれに尽きる。まず、消費者が望み、売り手が利益をあげることのできる優れた商品またはサービスが存在すること。勝ち残るブランドは、けっして最初から優れたブランドを構築しようと考えて商売をはじめるわけではない。まず利益を生み出せる優れた商品またはサービスを用意し、事業を支えていける組織作りに全力を注ぐ。それを達成した上で、マーケティングに本腰を入れ、世界に向けて宣伝をはじめるのだ。ただし、マーケティング活動が作り出す需要に対処できるよう準備しておくこと。でないと、プランドは離陸する前に墜落してしまう。さらに、広告には商品やサービスの利点をくりかえし訴求する力がなくてはならない。


     ブランディングとは、ありふれたものを取り上げ、それに価値や意味を高めるような改良を加えることである。


     商品は顧客がエクスペリエンスを得るための単なるモノにすぎない。


    ■強いブランディングを育てる8カ条
    1ブランドのDNAを定義し保護する
    2ブランドを賢く拡張して企業を育てる
    3顧客とのあいだに商品やサービスを超越した情緒的きずなを築く
    4時代を超えて価値の変わらぬものの擁護者となる
    5企業の大きさをマイナスでなくプラスに活かす
    6企業が持つ大きな力をよい目的に役立てる
    7自社のブランド価値を組織全体に浸透させる
    8ブランドのよき育ての親になる


     スターバックス・ブランドの中核アイデンティティは、すばらしいコーヒーを提供することよりも、むしろコーヒーとのすばらしい出合いを提供することにある。いうまでもなく、最高級のコーヒー豆を正しく挽き、清浄な水を使い、適切な温度を保ち、きちんと時間を測って淹れることは大切である。が、「ナイキ・ブランド」の本質がトーション(ねじれ)・コントロールやミッドソール・クッショニング(衝撃吸収)・システムを超えたスポーツとフィットネスの歓びにあるように、スターバックス・ブランドの本質はエイブラハム・マズロー流にいうならば「コーヒー・ゲシュタルト」、すなわちコーヒーが醸成する雰囲気にあるのだ。

     このようなインサイトがまとまった結果、スターバックスは、「コーヒーとの最高の出合い」を提供する商品に的を絞ることができた。
     たとえば、以前マクドナルドに勤めたことのあるマネジャーたちから240ccの「ショート」カップをやめて960ccの特大カップをメニューに加えたらどうかという提案があったとき、議論には明確な基準があった。純白のペーパーカップをハンバーガー・ショップやコンビニで使っているポリスチレン・カップに変えたらどうかという提案があったとき、われわれはこれを退けた。スターバックスにとって重要なのは、コストを下げることだけでなく、一杯のコーヒーを楽しんでもらうことなのだ。コーヒーを入れる容器は、非常に大切だ。ペーパーカップの縁の感触も、真っ白なプラスチックに小さな穴のあいた持ち帰り用の「トラベラーリッド(蓋)」も大切なのだ。妥協するわけにはいかない。
     さらに重要なのは、スターバックス・ブランドの本質を読み解くことによって、いかに魅力的に見えるチャンスでもスターバックス発展のコンセプトに合致しないものには手を出さない、という原則ができたことだろう。


    「バーガー・ショップは客の腹を満たす。いいコーヒーハウスは魂を満たす」


    ■優れたブランドは優れたモノを超える
     効果的なブランド構築のためには、人間に深く根ざす感情と文化を正面からきちんととらえる努力が必要だ。人生という名の広大で複雑な環境の中で確固たる地位を築いているブランドは、意味のある差別化ができている。優れたブランドは、消費者の物質的ニーズと情緒的ニーズをともに尊重することの重要性を理解している。広範な消費者と情緒的きずなを作り上げたとしても、失敗や判断ミスがなくなるわけではない。反感は、たとえそれが小さなセグメント内の現象であったとしても、共感と同等か、それ以上の影響力を持つものだ。
     最近では大企業に対するメディアの監視がますます厳しくなったおかげで、小さなミスも大きな問題になりかねない。何年もかかってやっと築いた信頼のきずなが一瞬にして崩れ去ることだってありうるのだ。いまよい関係を築けているのなら、その相手を大切にすることだ。そして、愛憎は紙一重だということを忘れないように。
     どんなマーケティング手段を使おうと三大ネットワークのテレビコマーシャルであろうと、ラジオのスポットCMであろうと、自前のウェブサイトであろうと、電柱の貼紙であろう企業が顧客に提供できる最もパワフルで最も永続的なものは情緒的利益だ。物質的利益は商取引から当然に発生するものではあるが、それ自体は、どれほど優れた商品であっても、単なるモノでしかない。
     優れたブランドは、優れたモノを超越する。優れたブランドは、人間や場所や商品やサービスに対する時を超えた探求を大切にする。意識するかどうかは別として、われわれは思考を刺激す経験、心を揺さぶる経験、成長を促す経験、人生を何らかの形で豊かにする経験を求めている。可能なかぎり、ブランドをそうしたプロセスの一部にしていく努力が必要だ。

    1自社ブランドのDNAを探り、商品やサービス・カテゴリーの内部および周辺に存在する中核価値や経験品質を把握すること。自社ブランドの時代を超えたメッセージは何か?
    2この基本的理解にもとづいて、成長戦略(商品、サービス、市場の拡大)を選択する。戦略はブランドを希釈したり断片化したりするものではなく、ブランドから内発的に発展しブランドを強化するものでなければならない。ブランドを補完する商品やサービスがあれば、ブランドのより豊かなプレゼンテーションに役立つ。スターバックスでは、エスプレッソ・マシーン、カップ、ステンレス容器など実用的で美しいキッチン用品を販売している。ナイキは、時計やMP3プレーヤーを販売するようになった。どれも、アスリートを意識商品だ。もちろん、スポーツブラも毎年新しいモデルを発表している。
    3どんなビジネスでも、優れた商品とサービスがまず基本だ。そうした基本を押さえたうえで、優れたブランドは、顧客の情緒的ニーズに対応することをめざす。
    コーヒーショップへやってくる客は、少し元気になりたい、少し休憩したい、と思っている。どちらにしても、いい音楽は店での経験を一層好ましいものにするはずだ。また、コーヒーハウスは、社交のニーズを満たす場でもある。スターバックスは、ほんの数分でも、立ち寄った人が気持ちのよい時間を過ごせるように努力している(わたし自身は、スターバックスを「肉体と魂を満たすエネルギー企業」と考えたい)。自社の商品やサービスが物質的・情緒的にどのような利益を提供できるかを明確にすることが大切だ。ブランド環境保護の観点からは、情緒面の蓄積が非常に大切だ。しかし何よりも、優れた商品・サービスこそがブランディングを高いレベルに引き上げ、顧客とより深く情緒的な関係を築く原動力になることを忘れてはならない。商品から目をそらさないように。


     コスト削減策を考えるときは、顧客の視覚、触覚、嗅覚、聴覚に触れにくい部分から手をつけること。そして何よりも、顧客との接点すべてにおいて同一レベルを保つこと。最も弱い部分(トイレ)がすなわち実力なのだ。


    ■創造的能力を引き出すブリーフの極意は、三点。
    1簡潔に―2ページ以内に。できれば1ページに。
    2きっちりと―ビジネス(またはカテゴリー)およびブランドの現在地と目的地を明示する
    3ゆるやかに―やり方は現場に任せる


    ■ブランドを支える七つの価値
    1シンプルであること
    2気長であること
    3適切であること
    4利用しやすいこと
    5人間的であること
    6広範に露出すること
    7革新的であること
    続きを読む

    投稿日:2023.07.16

  • toshifukushima

    toshifukushima

    20年前に書かれた本で、昨年末に日本でお目見え。20年の隔たりは大きいかと思ったが、今でも十分通用する内容、というか、今を予言しているようだ。Nike、スターバックスで働いた経験をもとにブランドを語る。知らなかったことも多かった。ネットとかにとらわれずに、ブランドの本質がわかる一冊。続きを読む

    投稿日:2023.05.20

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。