【感想】望楼館追想

エドワード・ケアリー, 古屋美登里 / 創元文芸文庫
(3件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
1
1
1
0
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • リン/タロー

    リン/タロー

    ジョジョの敵キャラだけを集めて話を作ったら・・・? というお題を出されたらこの本を出せば良い。というほどに登場人物全員が異質で奇妙で偏執狂的だ。
    特に素晴らしいのが主人公の性格がめちゃくちゃ悪い事である。息をするように物を盗み、自分のコレクションにする。この「盗む」ことが重要で、社会から外れた主人公の社会との唯一の接点が盗む行為なのだ。これは万引き家族とも通じるテーマだなと思った。

    次に微妙だと感じた部分。
    この小説の物語構造として、過去の出来事が次々と判明して彼らがなぜこのような異質な人間になったのか? ということが語られる。彼らの異質さの多くは過去の事件の影響ということで括られ、原因が開陳された後は普通の人間に戻るか、死ぬかの二通の末路が用意されている。この回収のされ方はせっかくの彼らの異質さを「幽霊の正体見たり枯れ尾花」式に矮小化させてしまっている。もっと無茶苦茶な終わり方で良かったのではないかと思わずにはいられない。
    続きを読む

    投稿日:2023.11.26

  • こぼんこ

    こぼんこ

    とにかく最初から濃い。半分迄はなかなか入り込めず疲れてしまったが後半父母の記憶の章からは一気読みだった。前半と後半で味わいが変化する、というより早々キャラが減ってしまった時にはどうするの?!と思ったけれどそれもあの建物の歴史の一つとして飲み込まれた。まさにアイアマンガーシリーズで描かれた話の萌芽がこの作品にはある。物に刻まれた沢山の記憶達、そしてその際たる物はその建物そのものなんだという事。主人公のフランシスは奇妙な男だけれど妙に親近感を覚えるのも不思議ではあった。続きを読む

    投稿日:2023.06.18

  • karaku02

    karaku02

    このレビューはネタバレを含みます

    最後まで頑張って読んだが、自分には残念だが全く合わなかった。決して読みずらい文体ではなく、主人公に
    ただただ共感できない。だれかの替わりに生きていて、成長過程も複雑で可哀想だとも思うけど、やってることはただの泥棒だし、悪質だと思った。愛されてないから、他人の愛の物品が欲しかったんだろうか?
    最後は、望楼館の終わりとともに主人公はどこにでもいる
    普通の人になってしまったんだろうか?
    好きな人は本当に大好きな本なんだと思う。
    自分は多分読み返しはしないが、色々思わされる本だと思った。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.03.03

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。