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安部龍太郎 / 幻冬舎時代小説文庫 (2件のレビュー)
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タク
秀吉との和睦という副題がぴったりの内容。家康は、秀吉が信長を裏切り、全く異なる世界を作ろうとしていると思っていたが、秀吉は信長の夢見た律令制に従った統治制度を志していて、同じ理想を持つことを知り、少し…ずつ敵対心が溶けて、恭順への姿勢に変わっていった。続きを読む
投稿日:2023.09.30
mr.shinyapapa
大河ドラマの影響でなく著書独特の「家康」という人物の描写、物語の進み方に興味を惹かれていた、(六)巻から間が空いたが違和感なく手にとる。 六巻まで物語を読んでみてあまり感じていなかったが、著書において…これまでの歴史小説と違う構成の仕方が、臨場感や家康の心の機微が伝わる気がした。それは何かというと徹底した家康目線で物語が進んでいく事であった。 歴史小説では、大局的に物語が捉えられ同じ場面でも「家康」の苦悩や想い、戦略や戦術と半目の「秀吉」の苦悩や想い、両者の戦略や戦術、心の動きを表現する事で、互いの駆け引きや物語の進行、解説にも繋がっていた。しかし著書では徹底した家康目線に拘る事で、必ずあるはずの「秀吉」の家康に対しての想いや恐怖が解らない、この演出が人間家康の不安や苛立ちを伝わり易くし、一方の「秀吉」の存在感が大きくなり、緊張感を高め物語が締まって感じた。 もう一つ著書の良かった点は「秀吉」が語る「本能寺の変」の核心である。諸説ある「本能寺の変」の謎が物語の進行の中で腑に落ちるように伝わってきた。大変興味深い(七)巻であった。続きを読む
投稿日:2023.04.15
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