【感想】夜叉ヶ池(乙女の本棚)

泉 鏡花, しきみ / 立東舎
(11件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
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ブクログレビュー

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  • shifu0523

    shifu0523

    このレビューはネタバレを含みます

    知らなかったから無意識なのだが、似たような話を続けて読んだのは……これもシンクロニシティというのだろうか。

    きれいなイラストではあるのだが、この物語には現代的すぎる気がする。

    結末は、正直いい気味である。約束を守る、池に棲む姫と鐘撞守夫婦の対極にいる、こういう村人みたいな集団はほんとに嫌い。もっともらしい顔した宗教者や教育者がいるのが情けないし、虫唾が走る。

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    投稿日:2024.04.13

  • 土瓶

    土瓶

    ついに、とうとう、やっとこさ
    乙女(の本棚)デビューしましたぁ~!!

    いやぁ、ウチの図書館にはないんだと思って諦めてたんですが、なんとありました!!
    なぜかトイレの近くのティーンズコーナーの近くに10冊ほどまとまってた。
    最近トイレ使ってなかったからなぁ、気づかんかった。

    で、適当に2冊借りてきたうちの1冊。

    ……戯曲でした。

    ま、いいんだけどね。

    なんか台本みたいだし、泉鏡花さんのはそもそも言葉遣いが難しいわ。



    三国岳の麓の里に、暮六つの鐘きこゆ。――幕を開く。
    萩原晃この時白髪のつくり、鐘楼の上に立ちて夕陽を望みつつあり、鐘楼は柱に蔦からまり、高き石段に苔蒸し、棟には草生ゆ。見やがて徐に段を下りて、清水に米を磨ぐお百合の背後に行く。

    晃 水は、美しい。いつ見ても……美しいな。

    百合 ええ。
     その水の岸に菖蒲ありニ三輪小さき花咲く。

    晃 綺麗な水だよ。(微笑む。)

    百合 (白髪の鬢に手を当てて)でも、白いのでございますもの。

    晃 そりゃ、米を磨いでいるからさ。……(框の縁に腰を掛く)お勝手働き御苦労、せっかくのお手を水仕事で台なしは恐多い、ちとお手伝いと行こうかな。

    百合 可うございますよ。
       

    こんな感じです。
    ルビふってあるからなんとか読めるは読めるが分かりづらい。
    そこんとこをうまいことイラストが補完してくれてるのがありがたい。

    内容は……、日本昔話にでも出てきそうな話でした。

    今後も立派な乙女になるべく精進いたしますとも!!
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    投稿日:2024.03.23

  • 白いヤギと黒いヤギ

    白いヤギと黒いヤギ

    夜叉ヶ池には龍神が封じ込められている。自由を求める龍神は、遠い昔に人と約定を交わした。麓の鐘を必ず日に三度、撞き鳴らすこと。一度でも忘れたら、夜叉ヶ池から津波が起こり、村も里も水底に沈むであろう。

    文学士で僧の山沢学円は越前琴弾谷で旧友の萩原晃に再会する。晃は、妻の百合と共に鐘楼守をしていた。
    夜叉ヶ池の主•白雪は、白山千蛇ヶ池の主が思い人で、会いたくてたまらない。

    "義理も仁義も心得て、長生きしたくば勝手におし。…生命のために恋は棄てない"

    しかし、家を留守にした晃を慕い歌う百合の子守唄を聞いて約定を思い出す。
    折しも旱魃続きの夏。村の人々は、夜叉ヶ池の雨乞いに、村一番の美女の百合を人身御供にしようとする…

    再読。
    突然思い立ったのは、やはり元旦の地震があったから。被災された方々の話を聞くといたたまれない思いが募る。僧の学円はこの地に多い本願寺派の僧侶。宗門とは何かを考える中で、この作品がまた読みたくなっていた所だった。
    この立東舎のシリーズは、近代文学の短編を、最新のデジタルアート系のイラストで飾っていてなかなか美麗な装丁。とても良い取り組みだと思います。

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    投稿日:2024.03.09

  • 魚雷屋阿須倫

    魚雷屋阿須倫

     〈乙女の本棚〉シリーズ。この間、少年時代の泉鏡花を主人公にしたミステリを読んだ。連作短篇集なのだが、その作中にも登場する話なので読んでみた。

     しきみさんの絵がとても良い。今作は戯曲として書かれており、芝居も観てみたい。ちなみに夜叉ヶ池は実在し、そこに伝わる龍神伝説がベースになっているとのこと。

    https://booklog.jp/item/1/4591178730
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    投稿日:2023.12.20

  • 借買無 乱読

    借買無 乱読

    泉鏡花とイラストレーター・しきみ氏のコラボ作品。今回は、怪異戯曲という感じのつくりで、わりあい読みやすかった。しかし登場人物が多過ぎて、話の筋を追うのに少々苦労した。

    投稿日:2023.08.06

  • かな

    かな

     乙女の本棚シリーズから、泉鏡花さんとしきみさんのコラボ作品「夜叉ヶ池」です。しきみさんのイラストは、「夜叉ヶ池」らしく青緑を基調としたもので雰囲気出てます。が…戯曲??何??しかも、今回も難しい…ってところから(^-^;)

     竜神が住むといわれる夜叉ヶ池。1日3回鐘を撞かなければ、池から津波が起こり、村は水の底に沈んでしまうという言い伝えがあった…それを守るのが萩原晃・百合夫婦だった。一方その言い伝えがあるために剣ヶ峰に行けない夜叉ケ池に住む白雪姫…この2つの恋の行方を戯曲で表現しているのがこの作品…でいいかな(汗)。

     ラストがまた息をのむ展開で…さすが泉鏡花さんです!!難しい…読めるかなぁ…と思わせておいて、気が付くとこの世界に引きずり込まれてしまったような…そんな感じなんです。深い深い作品でした。
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    投稿日:2023.07.27

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