【感想】データでみる県勢2023 (地域がわかるデータブック)

矢野恒太記念会 / 矢野恒太記念会
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    各都道府県の地図が掲載されている。地図によってデータ異常の実感を得られる。福井県は敦賀市の辺りで狭まっている(49頁)。福井県を単一の領域とすることは不自然に思えるほどである。実際のところ、令制国では福井県は若狭と越前で分かれている。都道府県は明治以降の歴史しかない。日本の歴史を考えると令制国の時代の方が長い。逆に都道府県単位で考えることの固定観念を感じることができた。

    都道府県の地図では市町村の区域が描かれている。不自然に巨大な市が散見される。県を横断する形で一つの市があることがある。村の面積が広いことは理解できる。山がちで人口が乏しい場所なのだろう。しかし、都市を意味する市が巨大なことは気持ち悪い。合併のし過ぎで基礎自治体らしさがなくなっている。

    北海道は四国四県合わせたよりも人口が多い。面積も広い。各種統計でも北海道は四国四県よりも存在感がある。しかし、それは北海道民にとって幸せと言えるだろうか。北海道として一つにまとまると中心の札幌に一極集中し、各地に手が回らなくなるのではないか。四国のように四県に分散し、中心がない方がバランスのある発展になるのではないか。

    近年で生活を最も大きく変えたものは新型コロナウイルス感染症(COVID-19; coronavirus disease 2019)のパンデミックである。本書のコラムは収束トーンで書かれている(26頁)。本書執筆時点では楽観ムードがあっただろうが、その後に第8波が到来している。東京都の2022年12月14日の新規感染者数は1万8812人、埼玉県は1万684人である。感染者数は一時期減少しても、また増える。

    コロナ禍にも良い面がある。その一つはテレワークの普及がある。場所の制約なく、仕事ができるようになった。人間関係や対面コミュニケーションよりもアウトプットで評価されやすくなる。テレワーク率は首都圏が高く、地方が低い(60頁)。テレワークが普及すれば地方に住んでも問題ないとなりそうである。実際、テレワークの浸透で東京の人口は減少している(120頁)。地域差は将来的にはなくなっていくだろう。

    コロナ禍で過剰債務を抱える企業が出ている。実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)は2021年4月時点で約56兆円にもなり、返済の見通しの立たない企業も多い(270頁)。金が回っていることが経済発展という昭和の経済感覚から脱却した方が良い。
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    投稿日:2022.12.23

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