【感想】八犬伝 下

山田風太郎 / 角川文庫
(2件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • nyan0620

    nyan0620

    武士の矜持にこだわっていた馬琴の息子との関係は、過干渉の毒親タイプと最初は感じてたけど、そんな一言で言えるもんじゃなかった。もっと複雑で暖かみもあるものだったと感じた。息子との死別を体験する年老いていく馬琴・・・。

    八犬伝は、嫁のお路の口実筆記で完成したものと知り、その努力に思いをはせる。

    だけど、原作は、今の眼で見たら、もっと血沸き肉躍るものになったはずって思える作品なのかな。やたら古風な言葉遣いの親兵衛の怪童というべき大活躍が楽しいのだが。それぞれのキャラが立ってるから、改変したくなるお話なのかも。
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    投稿日:2023.09.09

  • saga-ref

    saga-ref

    戯作者・馬琴の壮絶な人生が明らかになった実の世界。特に白内障によって隻眼となったうえに、残る一眼にも侵食した後の、漢字を知らない亡き息子の妻・お路の凄まじいまでの気力に感動した。そのおかげで八犬伝は未完の大作とならずに済んだ。まあ、馬琴の微に入り細を穿つ文章は冗長だ。しかし、完成したからこそ今に伝わったとも思える。そして、著者はその冗長さを排して、読者に八犬伝の面白さを伝えてくれた。終盤の幼犬士・犬江親兵衛の活躍は、まさに桃太郎のような微笑ましい一篇に仕上がっていた。続きを読む

    投稿日:2023.01.31

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