【感想】ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた

斎藤幸平 / 角川学芸出版単行本
(56件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
14
24
9
3
0

ブクログレビュー

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  • ホースケ

    ホースケ

     人新世の資本論で著名な社会学者のフィールドワーク。

     ギグワークというライフスタイルを検証すべく、ウーバーイーツをやってみる。
     はたまた、気候変動の調査に有害鳥獣駆除の現場を見に行ったり、
     差別とは何かを考え水俣へ。

     体験したことは日数が短い。
     しかし、この体験を伝えようと本書に記す。

     資本主義は全てのモノの価値を値段で数値化することだ。
     その資本主義に対する懐疑的な目を養うには、モノを見て聞くことが重要だ。
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    投稿日:2024.02.28

  • yubixxx08

    yubixxx08

    100分で名著で知ってわかりやすくていいな〜と思って人新世の資本論買ったものの積読
    こっちのタイトルならシュッと読めるかもと思って買った、シュッと読めた

    読みやすいし、自らフィールドワークするっていうのはアグレッシブでいい取り組みと思う反面、最初のUber回からなんとなく違和感というかバッドランズに出てきたドヤ街を盗撮する大学生とこの活動はどこで線引きされるんだろう、とモヤモヤも残りながら読み進める
    Uber初出勤!とLINEで報告とか「おいしいコオロギ」を撞着語法とか、そこはかとない他人事感というか「通常こんなとこには来ませんが、社会科見学です」みたいな雰囲気を感じてしまった

    ただ、後書きの研究者の暴力性で、この人はそういった批判も承知で発信をしてるのか、と
    水俣は自分のゼミ課題でもあったが、風力発電機計画などまったく知らなかった、当時ですら重すぎてのめり込めなかった自分を思い出す。
    社会問題に対して全身全霊を注げるかと言われると無理と答えるしかない、でも世界は0か100ではないのだよな、と思い直した
    向き合うのにはしんどいが、でも無理のない範囲で関わりを持ち続けるというのだったら
    そう思うと自分自身でハードルを高くしていただけだったのかもしれない
    大学以来行けてないけど炊き出しとか行ってみようかなあ
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    投稿日:2024.02.07

  • mountaineer

    mountaineer

    このレビューはネタバレを含みます

    一つ一つの章が短いので、不勉強な分野は理解が進まないが、備忘録としてふたつ。

    自らの偏見の源泉は、自分の苦しみのせいかもしれないということ。資本主義社会でお金を稼ぐため、家族や健康を犠牲にして働き続ける社会のマジョリティが、「我慢だらけの人生のせいで、頑張ってないように見える人たちを許せなくなるのでは」。

    大切なのは誤りを認め、学ぶこと。それを避けて同質的な正しさの世界に閉じこもれば、内向きになり、排他的になる。現場で他者に出会い、自らの問題に向き合い、学び捨てることが新たな価値観を作り出すことにつながる。

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    投稿日:2024.01.30

  • miyaD

    miyaD

    思ったより面白くなかった。

    思ったより「学ぶ系」の本。勉強にはなると思う。
    著者の姿勢は良いのだけど、胸を打つものはない。
    ただ学ばせる、知らせるだけの本になってると思う。

    投稿日:2024.01.30

  • たぬき

    たぬき

    人新世の資本論の著者だったとは。まだそちらは読んでいないが、この本の内容から斎藤さんには十分に興味を持てた。
    ちょっと現場に行ったくらいで全てを知ってるという顔はもちろんできないと思うが何も知らないから何も言わないは決して良いことではないと思う。
    知ったかぶりをしない、排他的にならないというのは心がけたい。
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    投稿日:2024.01.02

  • rafmon

    rafmon

    一つの問題や正義に固執し、他の問題や自分の加害性に目を瞑るなら、それは共時者と言う視点から不十分なものである。共時者は様々な問題とのインターセクショナルティー(交差性)を見出し、様々な違いや矛盾を超えて、社会変革の大きな力として結集するための実践的態度が必要。当事者では無いことや中途半端な関わりを非難し合うのではなく、より大きな視点で連帯しなければならない。

    家にこもらずに他者に出会うこと。現場で他者と出会い、問題に向き合って、新しい人々とのつながりを生み、新しい価値観を作り出すこと。

    こう語り、斎藤幸平は本著で様々な現場に赴く。正直、近年珍しい真っ当な左派ながら、草の根運動だけでは何も変わらないだろうと諦念するが、胸を打たれる。ウーバーイーツに自ら挑戦し、京大では生徒とともに禁止されたタテカンを作る。男性メイクにチャレンジしたり、脱プラ生活にトライ、昆虫食も試す。水俣病の現場を訪問し、部落解放同盟とも交流する。

    新たなイデオロギーを思い描きながら自らの生活から資本主義的なものを切り離せない事実に悩む等身大のマルクス主義者は、時にコミカルでさえある。斎藤幸平は、まるで、我々に微かに残る地球保全に対する良心の象徴、いや、妖精みたいな存在なのだ。そのもどかしさや矛盾こそ、今の我々が抱えるリアルだからだろう。誰しも、くだらないマウント合戦をやめたがっている。しかし、一斉にやめないと取り返しが付かない競争弱者になることも分かっている。せいぜい、ウーバーで捻挫する位が、関の山という事だ。でも、いつかはそこを打開したいと夢想する。それを仮託した存在が斎藤幸平氏だという気がしている。
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    投稿日:2023.12.17

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