【感想】カッコーの歌

フランシス・ハーディング, 児玉敦子 / 創元推理文庫
(8件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
4
3
1
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ブクログレビュー

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  • おかゆ

    おかゆ

    序盤は妹に虐げられてばかりでなんだこの妹は!となり、トリスの視点からなる描写もところどころ何言ってるんだこいつ?となり読んでいてずっとこれが続くのか…とちょっとげんなりしたがなんてことはない。中盤から怒涛の展開で序盤の妹の態度と謎の描写の理由もわかり、後半はもうスピード全開。ジブリ映画を一本観たような感覚になれるし、映画化も全然いけるレベル。文庫版もあるのでフランシス・ハーディングを初めて読むならこれがオススメかも。続きを読む

    投稿日:2024.04.27

  • でんでん

    でんでん

    英国ファンタジーってどうしてこんなに魅力的なのでしょうか。ダレンシャンのようなダークファンタジー好きにおすすめ。人間ではない生き物や魔法、少々捻れている人々、ちょっと前に言ってたあれ!という伏線回収、きっと大好きなはず。

    子どもが読んでも楽しい。でもトリスの健気さやモズの職人っぷりに心打たれたり、大人の気持ちがさらっと書いてあったりもするので、大人が子どものように夢中になって読む方がもっと楽しめるかも。
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    投稿日:2024.04.25

  • ぼじょまる

    ぼじょまる

    このレビューはネタバレを含みます

    ・あらすじ
    嘘の木が面白かったので同作者の最新邦訳作を読んでみた。
    ファンタジー、サスペンスちょいホラー風味の冒険小説。

    1920年代の英国が舞台。主人公トリスが事故から目覚めると記憶の欠如、異常なまでの空腹、喋りだす人形…違和感と謎だらけ状況のなか自分の正体を探っていく。

    ・感想
    カッコー、妖精でピンとくる人はいるかも・
    前作よりファンタジー色強めだからか苦手な比喩表現が多くてちょい苦労したけど主人公の正体が判明してからは一気読みした。
    前作ともに抑圧された環境にいた主人公が事件を通じて本当の自分を開放させるという展開と曖昧な境界、善悪二元論で収まらないキレイに分けられるものなんてないというテーマを感じ取れる。
    「きっぱりと分ける」アイテムとしてハサミを使うアイデア面白かった。
    最後は結構斬新で予想外な終わり方で面白かった。

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    投稿日:2024.03.03

  • モーリ

    モーリ

    このレビューはネタバレを含みます

    大人のためのファンタジー、冷静でちょっと落ち着いたダイアナ・ウィン・ジョーンズみたいな感じ(笑)。
    本来取り替えっ子ネタは、取り替えっ子から自分を取り戻すというのがわりと鉄板だと思うんだけど、その取り替えっ子が主人公。「あと七日」…謎の囁きに怯えながら、自分を探し、見つけ、そして受け入れる。そんな王道テーマがしっかり冒険ストーリーと共に面白かった。英国幻想文学大賞も納得です。

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    投稿日:2023.12.27

  • かとまる

    かとまる

    子供の頃の児童文学を思い出しながらも、大人になったからこそワクワクだけで終わらないファンタジー。

    事故から目覚めると記憶が曖昧で、何故か妹にひどく嫌われている。事故前のこと、家族のこと、自分のこと、少しずつ思い出すものの、妹は自分を「少しずつ違う」という。

    初めはどこかのミステリー小説で読んだことあるような設定で全体的に陰鬱だなぁという印象でしたが、起承転結の承から大きく物語が舵を切り、一気にファンタジー要素が広がるため全く未体験の感覚に。

    手に汗握るバトルというよりは、魔法の世界にワクワクするタイプのファンタジーです。
    しかしながら、翻訳書ならではの詩的な例えがなんとも印象的。解説でも言っていましたが、世の中には絶対的な悪というより、悪だということに気づいていない悪があるのだと、そしてそちらの方がタチの悪いこともあるのだと思いました。
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    投稿日:2023.09.30

  • makiko

    makiko

    このレビューはネタバレを含みます

    フランシス・ハーディング、一気読み。一番面白かった!次点で「嘘の木」かな。
    本物でない偽トリスが主人公。自分が本物と思っていたのに、いきなりアイデンティティが壊された偽トリス(トリスタ)。記憶も自身の身体も借り物だと知ってもなお、それでも私は生きている!と、命ある限り本物のトリスを助けようとする。借り物であるがゆえに、いびつな家族関係を客観的に理解し、父親ピアスにはっきりと意見をいうところは良かった。
    最後は偽トリスが儚く消えて終わりかと思いきや、しぶとく生き続けるラストも意外で良かった。第一次世界大戦後、信仰への揺らぎ、女性の社会進出など、今までの価値観がすべて覆され、自分たちも変わりつつ、逞しく生きようとする少女たちを応援したい。

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    投稿日:2023.09.09

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