【感想】ここから世界が始まる―トルーマン・カポーティ初期短篇集―(新潮文庫)

トルーマン・カポーティ, 小川高義 / 新潮文庫
(10件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • lacuo

    lacuo

    ほんと、短くて、すぐ読める。
    冒頭の短編も、表題作もおもしろかった。
    とくに、表題作は、女の子が主人公だけど、授業中にどんどん別のこと考え始めて、意識がどこまででもトリップしていく様子が、まるで昔のオレみたいで面白くて笑った。続きを読む

    投稿日:2023.04.08

  • kym

    kym

    カポーティのキャリアの中でも超初期の、習作ともいえる短編集。訳者のあとがきにもあるように、きちんと校正が入ったらもっと修正がかかりそうな部分も多々あるが、それを補って余りある瑞々しい感性や表現力に圧倒される。状況としては2人の人間が会話している場面を切り取っただけのような話でも、それぞれの台詞や仕草、周りの光景の描写から、あまりにも多くのことが読み取れる。
    ひとつひとつの作品は本当に短いけれど、読み応えはすごい。それぞれの作品を読み終えるたびにしばらくその余韻に浸ってしまう。
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    投稿日:2023.03.05

  • たお

    たお

    名前を聞いたことはあるけど、作品を読んだことがなく、これが初めて読んだもの。

    短いのにどれも後先を想像せずにはいられない。
    どれも話に夢中になったけど、この4つが好き。好き、というか頭に残った。

    分かれる道、これをジェイミーに、ルーシー、こここから世界が始まる

    ここから世界が始まる、はタイトルにもなっているが、松任谷由実のひこうきぐもの歌詞とちょっと重なった。

    あまり暗いお話は、ましてノンフィクションはあまり手に取らないですが、『冷血』を読んでみようと思う。
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    投稿日:2023.02.27

  • narumin256

    narumin256

    『8歳で作家になった』と言ったと言われるカポーティは、16歳の時に『ニューヨーカー』で雑用の仕事をしていて、21歳の時にO・ヘンリー賞を受賞。恐るべき子供(アンファン・テリブル)と注目を浴びて社交界デビューするけど、51歳の時に書きはじめたみかんの遺作『叶えられた祈り』で社交人の秘密にしたいことを暴露しちゃって追放される。60歳にハリウッドの友人宅で心臓発作で死亡。酒と薬物の問題を抱えていた。
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    早熟の天才が社交界で豪遊して酒か薬の問題抱える例で言ったら『悲しみよ、こんにちは』のサガンを思い出す。
    この短編集、カポーティが10代とか20代前半に書いた作品集なんだけど本当何か物語を描写するために生まれてきた人なんだろうなって思った。
    『知っていて知らない人』『これはジェイミーに』『似たもの同士』『ここから世界が始まる』の4作品が特に好きだった。

    ゲイで、女の子に生まれたくて、父親は刑務所に行きそうになるし母親はアルコール依存だし、預けられた親戚の家は差別主義が根強い土地だし、その中で生まれ育って貧困や黒人をテーマの話をなんとか書こうとした若年期の作品たち、カポーティの苦しさが透けて感じられてすごくせつなかった。
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    投稿日:2023.01.31

  • reader93

    reader93

    ハーパーリーの幼馴染で、”アラバマ物語”の”ディル”はカポーティがモデルだと知ったのがカポーティの本に興味を持ったきっかけ。
    代表作の冷血をまだ読んでいないのだが、先にこの、”ここから世界が始まる”を読んでみた。
    若い時、なんならまだ高校生のときにこれらの短編のいくつかを書いたとは、作家になるべくして生まれた人だと感じた。くどくどとしていないシンプルな文体の情景描写がさすが。早く冷血も読んでみたい。私は”ルイーズ”と”ミスベルランキン”がお気に入り。
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    投稿日:2022.12.31

  • noguo1975

    noguo1975

    習作とのことだが、十分作品に仕上がっていると思わせる短編ばかりで、やっぱり天才と言われる人は違うんだなぁ…と思いました。こんな作品を十代で…と考えると、すごいとしか良いようがありません。
    面白いです。

    投稿日:2022.11.02

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