【感想】発達障害からニューロダイバーシティへ

モナ・デラフーク, 花丘ちぐさ / 春秋社
(1件のレビュー)

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ブクログレビュー

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  • basil1127

    basil1127

    ようやく読了。
    神経の話が大好物なので興味深く読んだ。

    前半はいわゆる「ポリヴェーガル理論」についての解説がメイン。「緑の回路」「赤の回路」「青の回路」という独特の用語を使い、神経系の発達と人の情緒的、心理的、身体的な状況への影響について「家」という例えで論じている。

    ポリヴェーガル理論については賛否あり、中でも「科学的に実証されている事実と、それらをもとに推測したに過ぎない仮説がごちゃ混ぜになって"現実に存在しているもの"のように語られている」ことに疑問を呈する声も聞かれるため、何もかもを鵜呑みにしないよう気をつけないと…と思いながら読み進めてきた。

    確かに納得できるところもあれば、え?これ既成事実みたいに語られちゃってるけどエビデンス…と思うところもあるのだが構成もうまく書かれており、説得力があるのだ。「へぇー、そうなんだぁ!」と納得してしまいそうになる。

    氷山モデルや神経生理学の知見などを交えながら事例を紹介し、発達障害と呼ばれるニューロダイバースな子どもたちを理解するための道筋をポリヴェーガル理論から解説する、という流れ。

    ひとつ疑問に思うのは、ニューロダイバースであることを強調するのと、みんなが同じ3つの回路を持っていて「赤」と「青」が整って「緑の回路」が育てば万事解決!みたいな考え方って両立するのかな?ってこと。

    個人的な感想としては「理論としては面白く、参考になるところもあるが、ポリヴェーガル理論ありきでその枠内から見ようとするとちょっと危うい」というところか。なんか理論としては美しくまとまってるので取り込まれそうになっちゃうのがちょっと怖いな、と。

    野生の動物がこうだから当然人間も同じ!って言われると、なるほどーって思っちゃうけど、あれ?ちょっと待ってそれマ?という視点は必要かも。
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    投稿日:2023.07.21

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