【感想】ヘルンとセツ

田渕久美子 / NHK出版
(10件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
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ブクログレビュー

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  • たすきがけ

    たすきがけ

    最初は、二人が別々に書かれているので(当然ですが)ちょっと、戸惑いましたが、ハーンが日本に来てからは、スムーズに読めました。
    ハーンは小説家なのかと、ぼんやりと思っていましたので、びっくりしたのと同時にとても日本を細かく抒情的に表現していることに感動していました。
    外国に人だからこそ出来ることなのか、とも感じました。

    この二人が出会うまでのお互いの人生の、何と波乱万丈なことにもびっくり。
    「日本の面影」も併せて読んで、ラフカディオ・ハーンという人に興味がわきました。

    終盤、「小泉八雲」という名前についてのくだりが、とても良かったなと思いました。
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    投稿日:2023.09.25

  • コプ眠

    コプ眠

    小泉八雲とその妻セツの話。
    まず、とても読みやすかった。歴史物、史実ものは人が練ったプロットではないので、展開があまりなかったり、状況説明続いて眠くなったりするのに、これはサクサク読めて、そこに感動した。NHKの篤姫や江の脚本を書かれた方だそうで、状況見えるような話の流れに大河の脚本家かぁ、と納得しました。…とここまで書いてからググったら、これもNHKでドラマ化されてました。
    小泉八雲の生き方を全く知らなかったので、勉強になりました。明治維新の頃の武士の生活も垣間見れます。
    ちょっと難しいのと、妾という単語でてくるので、中学校以上。児童向け小泉八雲伝記をよんでみたくなりました。



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    投稿日:2023.05.11

  • ねこ

    ねこ

    松江の美しい情景が目に浮かぶような描写の数々。
    さすが脚本家だなと思わされた。
    ドラマを見ているように章が展開していき、とても読みやすかった。
    異国からやってきて、ここまで日本を深く愛し理解してもらっていることがありがたい。
    同時に、日本という国にもっと誇りをもってもいいんじゃないかという気持ちになった。
    自分の中での小泉八雲像より、かなり陽気な人物として描かれていて親しみがわいた。
    いつか映像化されたらいいなぁ。
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    投稿日:2023.04.25

  • todo23

    todo23

    ヘルンはラフカディオ・ハーン=小泉八雲、セツはハーンの妻の小泉節子です。二人の生い立ちから出会い、結婚、松江での新婚生活までを描いた作品です。全21章とかなり細かな章立てになっています。
    それにしてもこの二人の生涯のなんと波乱万丈なこと。その波乱ぶりの一つ一つを各章で竹を切るようにバッサリと明快に描きます。そしてそれらが積み重なって物語が形作られて行きます。判り易くてワクワクします。
    読了後、奥付の著者紹介を見て納得。NHKの大河ドラマ「篤姫」などを手掛けた脚本家なのですね。各章が放映一話分、一話ごとに盛り上がりがあって終わる。如何にもそれらしい造りの物語です。そしてビジュアル。
    私の中でラフカディオ・ハーンは『怪談』しかなく、どことなく暗いイメージなのですが、ここで描かれるハーンは気さくで日本を愛し、その文化を世界に発信し続けた人として描かれています。教師として松江に赴任したハーンは、世界に追いつこうと躍起になる学生たちに、鎖国によって日本の優れた文化が破壊されなかった、日本人は優秀ですぐに世界に追い付き追い越すだろう。しかし、その先で悩むことになるだろうと語ります。物語の半分を占める没落士族の娘・セツの生き様も見事です(というか、士族の男どもの情けない事)。
    これが本当のハーン像かどうかは分かりません。しかし、なかなか痛快で清々しい物語でした。
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    投稿日:2023.01.20

  • マサキ

    マサキ

    本書を書いたのは脚本作家でもある田渕久美子さん。主に大河ドラマや連続テレビ小説などを執筆されており、本書でもそういった文章の味が出ている。例え松江に行ったことがない人でも昔ながらの松江の風景が頭の中に鮮明に浮かばれてくる。ストーリーとしては、非常にわかりやすく思わず感情移入してしまいそうになるようなタッチで描かれている。いつか本書を参考にNHKの連続テレビ小説になって欲しいと願うばかりである。
    なお、本書は私の浅い読書経歴の中でも簡単にイッキ読みした本でもある。気づいたら1日で読み終わってしまった。いつか松江にある小泉八雲記念館にも訪れてみたい。 
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    投稿日:2022.12.31

  • おとん

    おとん

    滑稽極まりない、体面取り繕うだけのだらしない男たち。武士らしいのは女性たちばかり。「誇りとは体面を守ることではない。本物の誇りは自分の中に」「愚痴は底なしー。文句は言うただけ、たまるもんだわね」「無理は自分の心がつくるもの。無理だと思わなければ、何でもできる」「見ているものと本当のことは違う」八雲を支えた強いセツのその後も知りたくなった。続きを読む

    投稿日:2022.12.17

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