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ドミニク・チェン / 新潮文庫 (28件のレビュー)
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kovalsky
このレビューはネタバレを含みます
ユクスキュルの環世界論。暇と退屈の倫理学も同時に読んでいたので、この本でも出てきたことに運命を感じた。また、Spotifyの超相対性理論でも紹介されていたこともあり、即購入した。 内容は娘の誕生という、生と死の同時に感じた出来事から分かり合えなさについて、言葉について、自己を拡張することについて、学びについて述べられている。ドミニクチェンの人生から自分の人生について考えさせられる一冊。 印象に残った部分 学習行為とは個の中だけで行われるのではなく、他者との関係性の中で発達すると実感した。 学習を行う必然性が娘に生じる状況を、一種の場のデザインとして作り出した。 ひとつの能力が線形に上昇するプロセスではなく、複数の能力が増減や進退を繰り返す「変化」が学びにだともわかった。 共話という概念 梵我一如 密教 翻訳行為としての理解 フィルターバブル 私たちは自分たちが使う言葉によって、自身の認識論を変えられるからだ。 いずれの関係性においても、固有の分かり合えなさのパターンが生ずるが、それは埋められるべき隙間ではなく、新しい意味が生じる余白である。 じっと耳を傾け、眼差しを向けていれば、そこから互いをつなげる未知の言葉が溢れてくる。私たちは目的の定まらない旅路を共に歩むために言語を紡いでいける。 始終美しい言葉で文体に惚れた。こんな上手く言葉を紡げるようになりたい。そして、日常生活は本当に分かり合えなさの連続。それはスタート地点であってその分かり合えなさこと、愛おしむべきことである。自分の娘と、職場のお姉さんと。完璧な翻訳は無理なのだから。そんなイメージで生きることができればいまのこの一瞬も、いろいろな学びに満ちている。言葉は偉大だ。だからこそ言葉をもっと磨いていかないといけない。逃げない。
投稿日:2024.05.27
ふろっぐ
柔らかく書かれているようでいて、とても深いので、数年後にまた読み直したらいろいろなことにもっときづけそうな本。モンゴルの話がとても良かった。
投稿日:2024.05.18
saphire
薄い本でとても興味深いのだが、サクサクとは読み進められなかった。哲学、言語学、文化人類学などといった分野や、それらを超えた広がりがある。 日本語の共話という会話様式が特徴的とあったところが印象的だった…。続きを読む
投稿日:2024.04.25
あいぼん
「おわり」が別の「はじまり」。 この感想もまた、読み「おわり」、感想という創作の「はじまり」になるのだろう。不思議な感覚だ。
投稿日:2024.04.24
Fox
タイプ・トレース面白い。 https://youtu.be/u_TnZFOlFII?si=-bUVeQSyuWn1JamI
投稿日:2024.04.02
あき
人間関係で悩んでいる方、コミュニケーションが苦手な方、新しい考え方が見つかるかもしれません。 人は一人ひとり違うのは尊くて。でも違いが争いのもとにもなる悲しい現実。 一読すると、苦手な私でもコミュニケ…ーションって素敵だなと思いました。 コミュニケーションに新たな意味や価値を見出せます。また一つ学びました。続きを読む
投稿日:2023.07.13
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