【感想】はじめての王朝文化辞典

川村裕子, 早川圭子 / 角川ソフィア文庫
(3件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 便所飯

    便所飯

    このレビューはネタバレを含みます

    とても面白かったです!
    物の名前と説明だけではなく、それが登場する作品を引用して解説していたので頭に入りやすかったですし、物の意味を知ると見える世界がこんなにも変わるんだな〜と驚かされました。
    平安時代の文芸作品には苦手意識があったのですが、本書を読んで興味が湧きました!

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    投稿日:2023.09.29

  • 重度積読症

    重度積読症

     平安時代の貴族たちはどのような生活を送っていたのか、住んでいた家や調度品、服装、儀式、季節の行事、食事や音楽、娯楽、病気、信仰や風習などはどのようなものだったのか、「蜻蛉日記」、「枕草子」、「源氏物語」等の文学作品を通して、具体的に描かれた物や事柄について詳しく解説をしたもの。挿絵も多く付されており、理解を大いに助けてくれる。
     
     それらの物や事柄がどのようなことを含意しているのか、ある場合には、登場人物の位置や関係であったり、その心情を如実に示しているものであることを、著者は丁寧に教えてくれる。引用されている文章はいずれも数行程度のものなのだが、著者の解説により、それらの文章を大変ふくらみをもったものとして受け取ることができるようになった。

     平安時代の貴族の生活をよりリアルに感じることができるようになったし、古典の解釈としても得るところも多いが、著者の語り口調の丁寧過ぎる文章には好き嫌いがあるかもしれない。
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    投稿日:2023.09.26

  • mato

    mato

    素敵!
    川村裕子氏の著作はいくつか読んでいます。
    どれも共通するのは、
    優しく穏やかな語り手がいること。
    まるで平安時代の物語に出てくる女房に案内されている気分になります。

    たくさんの説明で疲れているときにも、
    励ましてくれる、
    あたたかでやさしい王朝文化への入門書なのです。


    さて、この本は、
    平安時代に当たり前のように出てくる言葉や風習、物、場所を解説した本です。
    解説といっても、心配いりません。
    とてもとてもわかりやすくガイドさんが案内してくれます。

    最初は寝殿造などの建物のお話から。
    ほんとうに、一緒に建物を見て回るような気分になれます。

    平安貴族たちの暮らしは、結構忙しく、
    行事の準備から、文化を学ぶことまで…。

    文化と暮らしがしっかりと結ばれた彼らの暮らしは、
    今の基準から見ると、優雅で美しいけれど、
    本音を言えば面倒臭そう…。
    でも、彼らがしっかりと日本文化を築いていってくれたから、
    私たちの中にも微かに花よ蝶よの心が残っているのだと思います。

    源氏物語や、枕草子といった、ポピュラーな古典作品以外にも、あまり知られていない文献も紐解きつつ、案内されるので、
    しっかり古典を学んだ人にも、
    その場面に別の見方ができることに驚くと思います。

    古典に出てくる風習を学ぶと、
    かけていたパズルを埋めるのとはまた違った、
    奥行きある物語理解ができます。
    学べば学ぶほどこの感覚がクセになる。

    とにかく、この本は一般向けに書いてあるので、
    少し平安時代が知りたい人にもおすすめ。
    この本よりもやさしい『平安女子の楽しい生活』や、『平安男子の元気な生活』から入るのも良いでしょう。
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    投稿日:2023.02.25

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