【感想】落花狼藉

朝井まかて / 双葉文庫
(17件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • shushu

    shushu

    江戸中に散っていた傾城の場をひとつに集めた「吉原」
    大火事や幕府からの移転命令にもまけず
    しぶとく生き残ってゆく吉原の姿を
    ひとりの女将の目線で描いた作品

    吉原って最初から浅草にあったわけじゃないんだ・・・続きを読む

    投稿日:2024.03.14

  • なんてひだ

    なんてひだ

    なんだろうこれって、昨日も一気に読み終える金と銀、まさかやーあさいまかてをほんの1日で終えるとは。よっぽど面白くて朝井まかてが合うんだろうな、吉原に新吉原に街を一から作るという物語で、歴史も読めたし花魁の粋も素敵だな。甚右衛門の生き様が一本通る、死に際もだよ、貢献して最後はひっそりとか。清五郎にトラ婆にかやが死ぬ場面も全部出てきて、身近にあるのだよと教わったよ。桜も吉原に咲くから、凄いやり方で。続きを読む

    投稿日:2024.01.16

  • もち

    もち

    吉原の西田屋の女将・花仍と、日本一の遊郭吉原の姿を描いた長編小説。鮮やかな筆致で遊女たちや吉原を創り上げた人たちの姿が描かれていて、歴史を学び直したくなった。
    歴史を学ぶことが今、そしてこれからを考える何よりのヒントになるんじゃないかなと思います。
    (歴史=暗記だと思ってしまってる学生、良い先生に出会って欲しいな、と、他人事みたいで申し訳ないけど、思います。。。)
    途中から本の感想とずれまくっちゃった!!
    続きを読む

    投稿日:2023.05.07

  • 1462148番目の読書家

    1462148番目の読書家

    江戸幕府開闢後間もなく、幕府の許しを得て吉原遊郭を創設した庄司甚右衛門の妻として妓楼西田屋の女将となった花仍の目を通して語られる、吉原とそこに生きる遊女たちの物語。

    江戸歌舞伎の始まり、猿若勘三郎や伊達騒動の殿様なんかも登場するし、明暦の大火にも見舞われて、なかなかダイナミックな時代の動き、変わり目を感じる話でした。

    ちょっと終盤の展開が飛ばし過ぎなのが勿体ない感じもありますが、遊女若菜とその忘れ形見の鈴、その娘菜緒、菜緒の子の小吉と、血は繋がらないけど、心の葛藤を越えた絆に結ばれた家族に囲まれて、花仍の賑やかな晩年は安らいで見えました。
    続きを読む

    投稿日:2023.02.13

  • ふち

    ふち

    遊女・遊廓モノでは珍しく、遊廓の経営者を描いた作品。吉原の創成期の話。終盤に菱川師宣や松尾芭蕉が登場するのはご愛嬌でしょうか。

    投稿日:2023.01.10

  • mendako

    mendako

    吉原が好きだ。
    成り立ち、歴史、文化、とかく吉原という街そのものに興味がある。
    今では(も?)ソープランド立ち並び、「堅気」の女には入りにくい街ではある。
    道を歩けばまっすぐ歩いているはずなのに、大きくカーブして、何処にいるのかわからなくなる。
    昔の姿を伝える見返り柳は代替わりし、角に建てられたという稲荷神社がかつてを偲ばせる。
    吉原を行き来する人を見てきた大門もない。
    しかし、そこにある歴史に惹きつけられる。

    性産業そのものは、良いものとは思わない。
    必要悪とも思わない。
    今も昔も、女にとっての苦界が男にとっての楽園であるのなら、せめて、それが紛い物であったとしても華やかな誇りのある、そんな「悪所」であってほしい。
    そう思うのは、現実を知らない人間の描くただの夢だろうか。

    さて、本作では、まだ日本堤に吉原が来る前の話から始まる。
    花仍(かよ)が桜田(千代田のお城付近)で西田屋の女将として花見に出かけ、乱闘騒ぎを起こすところから物語は始まる。
    負けん気強く、直情径行。
    突っ走るばかりの女将。
    たくさんの女を見てきた。
    まちづくりに奔走する甚右衛門とともに吉原を作ってきた。
    決して順風満帆ではない。
    人の死を見てきたし、汚いものも見てきた。
    だが、尊敬する夫と夢を見、奔走したたまちづくりのなんと志高いことだろう。

    遊女の立場ではなく、経営者の立場から見た本作は、吉原を舞台とした物語としては珍しい。
    そこしか知らない、だからこそせめて、という生き方には悲しさも感じるが、今いる場所で必死になる姿に心が動かされてならない。
    続きを読む

    投稿日:2023.01.09

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