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蔵前 勝久 / 朝日新書 (3件のレビュー)
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総合評価:
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DJ Charlie
題名に「魔力」と偶々在るのは無関係だと思うが、紐解き始めて「憑かれた」かのように夢中になり、他の本に優先して読んでしまったという一冊となり、素早く読了に至った。 「好い」または「好くない」ということで…もない。眼前に「在るモノ」に関する経過等をやや古い辺り迄遡りながら示し、「こういうようなモノ?」と説くような、それも少しずつ角度を変えて豊富な話題を提供しながら考えるという筆致の一冊であると思う。 著者は全国紙の記者として活躍されている方である。20年余りの活動歴になるようで、政治に関することを主要な取材テーマとし、東京でも地方でも活動した経過が在るようだ。そうした御自身の活動を通じて積上げられたモノを柱に、または背景に、必要に応じて史料的な古い記事を引くようなこともしながら綴っている一冊で、なかなかに興味深かった。 1980年代末頃、所謂「1955年体制」というような政治状況が行き着く果てに在ったような感で在った中、色々な事件も在って「政治改革」というようなことが在り、1993年の細川政権による政権交代という出来事が在って、やがて衆議院議員選挙が小選挙区制となって行った。この国政に関する変化の他方に、地方での都道府県議会や市町村議会の議員選挙は旧来の形が遺った。そういう時代から四半世紀以上も経た中、「自民党?」と多様な角度で論じているのが本書だと思う。 大きく括るなら、昭和の事柄を回顧しながら平成から令和への“政治”の質的変化のようなことを論じている「30年史」ということになるであろう。が、各章を視ると「“政治家”達の肖像」というようなモノや関係証言を集めた感であり、それらを駆使して現況を説き、「で?如何なる?如何する?」を考える材料を提供してくれていると思う。細かく言えば、現在の自民党の中で重要な役職に在る人達の経歴のようなことを挙げている辺りが、少し興味深かった。「自民党一筋」ということでもない人達が大きな存在感を示しているのだ。加えて、変動した情勢の「非常に大きなキーパーソン」となった小沢一郎に関することは、著者が担当記者として苦心しながら活動した思い出も交えて、なかなかに面白い内容が在る。 本書に触れて、個人的には「“未完の革命”というようなモノが自潰し、時代の潮流で嘗てと相容れない状態が生じ、嘗てのままの中に在る人達が当惑している」というようなことが「30年史」なのではないかと思った。“未完の革命”というようなモノとは、国政選挙の大幅なルール変更の他方に地方選挙が従前のままであることや、政権交代が実現した時の様々な拙さが在って、何か「1955年体制」とも異質な硬直のようなモノが生じているかもしれないということだ。そして「時局の勢い」のようなモノの御蔭で、昔ながらの選挙運動と無関係に国政の場へ参入する議員達が登場し、地方の人達との間に溝のようなモノを認めざると得ないかもしれない一面も在る。 というようなことなのだが、「それでも“自民党”」というのが現状で、何か「明らかに性質の異なる細胞が合わさって異様な姿を見せる神話上の怪物=キメラ」という存在感を示している自民党が在るのかもしれないのだ。 2023年は、4月に地方選挙が在る。こういう時期であるから、この種の内容は「モノを考える材料」として非常に有益かもしれない。そういう意味で、併せて単純に興味深いので広く御薦めしたい。続きを読む
投稿日:2023.01.08
r
政治の入門書として良いと思う。意外と政治家も努力してんだなというのが一番素直な感想。強い野党を望む気持ちが強くなった。
投稿日:2022.10.23
okayugohan
右も左も、保守だろうがリベラルだろうが、離党しようが全てを飲み込むブラックホールのような自民党の存在をまとめた一冊。 要するに自民党は、 「どんな手をつかおうが…………最終的に…勝てばよかろうなのだァ…ァァァッ!!」 という政党だと。続きを読む
投稿日:2022.08.23
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