【感想】あなたのための短歌集

木下龍也 / ナナロク社
(92件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • hifumi1232001jp

    hifumi1232001jp

    不特定多数には網を放つ、あなたのための短歌では、両手で掬う、銛で刺す感覚でつくるとのこと。007のイラストレーターさんによるお題「風とおしの良い」に対し、ぬりたての絵を風という観客がよろこびながら乾かしてゆく、これは網を放つ感じもありイラストレーターさんにぴったりと感じました。続きを読む

    投稿日:2024.04.07

  • Russian Blue

    Russian Blue

    お題に沿って書かれる短歌

    私に向けて書かれたわけではないのに、お題を出した人と感情を重ねてまるで私にも向けた短歌のように感じられる

    ちょっと笑ってしまうようなものから
    思わず涙してしまうようなものまで

    短歌の世界に触れられる幸せ
    ひしひしと感じています
    続きを読む

    投稿日:2024.04.01

  • kumkum96

    kumkum96

    短歌って、五・七・五・七・七だったよね。
    どうだったっけ。
    そう思って短歌について調べてみると、詩という言葉が目に飛び込んできた。
    この短歌集は、まさに詩。
    お題が右側にあり、左に短歌が詠まれているのだが、歌うような言葉選びでグッと惹きつけられる。
    お題を提供した方々にもそれぞれの思いがあり、ドラマを感じることができ、短歌の世界観でもドラマを感じることができる。
    作品にふれることで読者側のこころもあたたかくなるような一冊。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.30

  • fukayanegi

    fukayanegi

    このレビューはネタバレを含みます

    依頼者から届けられたお題に対して、歌人木下龍也さんがその人だけのために詠んだ歌達。

    見開き、まず右側にお題。
    読みながら、その立場になりきる。
    そうして読む左側の一首。

    時に?となるような歌もまぁあるにはあるのだが、それはそれは多くの歌に胸を撃ち抜かれる。
    そのヒット率の高さが驚異的。

    こんな歌を自分にだけに向けられた歌として受け取った方たちの気持ちや解釈も聞いてみたい。

    寄り添い、支え、後押ししてくれる優しさを感じる歌がやっぱり好き。
    31文字とその韻だからこそ凝縮された想い、場面が身体の中を駆け巡る。

    ◇人は生まれた時から、もしかすると生まれる前から不平等だと思います。でも不平等だからこそ生きたいと思えるような短歌をお願いします。
    ⚪︎大きさも深さも違う花瓶にはそれぞれ似合う一輪がある

    ◇初めての子どもが生まれました。「愛」といいます。この子の名前にちなんだ短歌をお願いします。
    ⚪︎ふくらみに愛と名付けたあの日からつまずいたって父親である

    ◇結婚して3年目、もともと子どもはそんなに好きではありませんでしたが、友達の子と触れ合ううちに可愛いと感じ、自分の子が欲しいと思うようになりました。現代は本当に大変な世の中だと思います。こんな世界に生まれた子は幸せになれるのだろうかと悩むときもあります。未来に希望が持てる短歌をお願いします。
    ⚪︎いじわるな星だとしても母さんがそこにいるなら生まれてみるよ

    ◇お題は「たこ焼き」です。夫と付き合ってから食べるようになった思い入れのある食べ物です。
    ⚪︎恋人はノアの手つきでうつくしいたこ焼きだけを舟皿に盛る

    ◇私の名前にある「鳥」に関する言葉を入れて、短歌をお願いします。私は来年の春から、ずっとなりたかった中学校の国語の教員になります。俳句や短歌が好きで、それを通して言葉の魅力を伝え、生徒の気持ちに寄り添える教員になりたいと思っています。赴任先はこれから決まります。今は、どこで働いてどんな子たちに会えるのかドキドキとワクワクが半分半分で過ごしています。
    ⚪︎背を向けて板書しながらあなたにも翼があると教える仕事

    また、ユーモア溢れる擬人化、擬生物化の歌も、ふふっと思えて少し心が軽くなる気がして好き。

    ◇最近ずっともやもやした悩みを抱えています。励みになるような短歌をいただきたいです。
    ⚪︎いつからか頭の中で飼っている悩みがついにお手を覚えた

    ◇お題は「迷子」でお願いします。
    ⚪︎捨てられたことに気付いた空き缶が迷子のような動きをやめる

    101首目の、言葉に対する柔らかな洞察も素敵。

    ◇私は十八歳から詩を書き始めていつの間にか九十歳になってしまいました…という人間を面白がらせる短歌が読みたいのです。
    詩人 谷川俊太郎
    ⚪︎言葉ってくすぐったいね靴下を脱いで芝生を歩くみたいに

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    投稿日:2024.03.30

  • あんこ

    あんこ

    たま、そんな小さな足で一生の大半をもう駆けてきたのか

    たまはハムスターだそうです。うちのモルモットの名前を重ねると、涙があふれました。とても愛しく、一日一日を大切にしていこうと思います。

    投稿日:2024.03.29

  • れさん

    れさん

    006 適温の愛を見つけたぼくたちは燃え尽きることなく抱き合える
    008 エアコンの壊れた部屋で兄さんと海の匂いの部位を見せ合う
    015 どなたって戸惑う祖父を抱きしめたかなたで思い出してほしく
    019 服を脱ぐたびにあなたは神様をやめてわたしの獣になった
    026 いじわるな星だとしても母さんがそこにいるなら生まれてみるよ
    038 愛された犬は来世で風となりあなたの日々を何度も撫でる
    052 ふりむけば君しかいない夜のバスだから私はここで降りるね
    065 見開きにひかりを受けるとき本は手元に灯るふたつめの月
    084 死者たちは重石をくれる大切なあなたが追ってこないように、と

    好きなの全部あげたらこんなにたくさんになっちゃった、特に好きなのは038と065
    切なかったり、静かな愛があったり、少し怖い内容だったり、木下さんの短歌はおもしろくてやさしい
    続きを読む

    投稿日:2024.03.26

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