【感想】パンに書かれた言葉

朽木祥 / 小学館
(8件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ハリモグラ

    ハリモグラ

    ホロコーストと、広島の原爆と、福島の津波・原発事故とをリンクさせている物語。
    現代の子が、親族から聞く形で戦争、核、人権などを考えていき、違和感なく読むことができそうです。

    物語の設定がしっかりしていて、違和感なく、この3つの重大な災害を大雑把に捉えられるように思います。

    小学校高学年から読めると思いますが、内容が重いので、中学、高校、大人でも読むと気づく事が変わるかもしれません。
    厚みのある本で内容もあるので、これが読める児童には勧めていきたいと思いました。

    事実を物語に落とし込み執筆する中で、はまる沼が2つあると著者あとがきにあります。
    「文献沼」そして。「推敲沼」。
    ホロコーストや広島の本を読み出すと、私も違う立場から、違う角度から、また、同時期に他のところでは?など、知りたくなります。
    反対に絶望感が強くて何も読みたくなくなったのは、「あのころはフリードリヒがいた」ですが、衝撃が強いだけに1度読んでおくべき本だとも思います。

    人が戦争を起こさなくなるまで伝え続けなければという著者の意志を感じた1冊です。

    個人的に戦争の本はノンフィクションが読みたいのですが、文章が読みにくいものもあり、文章の面では創作物語の方が、心に響くような気もしますし、読み返したくなる。勧めたくなるというのも良い点と思います。
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    投稿日:2023.10.05

  • あき

    あき

    今の当たり前だと思っている生活は、実は当たり前じゃないんだ。

    世界で起こっていることならともかく、日本で起こっていることさえも自分毎として捉え考えることが難しかったりする。
    自分には関係なくて、自分とは違う世界で起こっている出来事として無関心でいる。
    それに気づいたとき、皆さんの中でどんな変化が起きますか?

    今ある小さな幸せに気づいたり、大事なことを手帳に記したり。
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    投稿日:2023.08.07

  • alouette18

    alouette18

    前半のイタリア編を読んでいたときは、まだ少しぼやーっとしていましたが、後半の広島編を読んでいるうちに、朽木さんがこの本に込めた思いがわかった気がしました。

    「伝えること」「声を上げること」

    の大切さ。

    あとがきにも、

    「戦争やヒロシマを描こうとするとき、心から去ら  
     ぬ問いがあります。
     物語ることが先か、伝えることが先か。
     伝えたい思いが募るあまり物語を損なうことがあ
     ってはなりませんが、しかし、どうしても伝えて
     いかねばならない〈記憶〉もあります。」

    とありました。

    将来を担う、一人でも多くの子どもたちに、この思いが伝わりますように。


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    投稿日:2022.12.15

  • エル

    エル

    ヒロシマのこともよく知らないのに第二次世界大戦中のイタリアのことなんて知るよしもない。イタリアもなかなか酷い目に合っていたんだなあ…軍に抵抗する人たち、収容所に連れて行かれる人たち、処刑される前に血で書いたのは『希望』。戦争という災害がいかに愚かなのか、イタリアとヒロシマを通して考えさせられる。続きを読む

    投稿日:2022.11.10

  • 麦

    夏休み、戦争のニュース見てもっと戦争について知りたいなって思ってた時に出会った本

    あとがきにも書いてたけど、物語るのと伝えるのどちらを取るかみたいな話、これはほんとに丁度いい塩梅やった
    数字で○:○って出せるようなわけじゃないけど物語の中に戦争の記録が溶け込んで一つになったのがこの本

    戦争は誰も勝てない」みたいな言葉、ほんとに誰も勝てないんだよ
    続きを読む

    投稿日:2022.10.10

  • かとのひも

    かとのひも

    このレビューはネタバレを含みます

    “子供たちたちのために作りたい。歌い出すような明日を”

    イタリア人のママと日本人のパパの間に生まれたわたしには三つの名前がある。
    光・S ・ エレオノーラ

    イタリアのおばあちゃんは真ん中の名前にとても喜んだんだって

    鎌倉に住むわたしの今日もいつもと同じだと思っていた
    そしてぐらりと揺れた地面は、わたしから日常を奪っていった

    ・イタリアの親戚の家にしばらく預けられた光は、おばあちゃんにおばあちゃんのお兄ちゃんのこと、仲良しだった女の子のことを聞く
    二人はナチスに命を奪われている
    おばあちゃんの家で見つけたカチコチのパンに書かれていた文字は…

    ・日本に帰ってきた光は広島のおじいちゃんの家にやってきた
    フクシマの災害から、戦争体験を話すようになったというおじいちゃんが語ってくれたのは、マメちゃんという光と同い年だった妹の話

    〇この本で語られるパルチザンはユダヤの人々を助ける活動を行っていたが、やはりその中で…
    〇光の気付き。突然日常が奪われる。人ごとではなく、またジブンゴトのように考えていくことの大切さ
    〇イタリアでも酷いナチスの侵攻があったことを初めて知った

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    投稿日:2022.09.14

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