【感想】Number PLUS「イビチャ・オシム 日本サッカーへの遺言。」 (Sports Graphic Number PLUS(スポーツ・グラフィック ナンバープラス) )

Number編集部 / 文春e-book
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  • まいつき

    まいつき

    2022年5月1日に亡くなられたイビチャ・オシム。
    日本人による日本人のフットボールを目指した彼と共に歩んだ時間は、多くのファンを惹きつけ、いまだにその夢を追い続けてやまない。

    ジェフをナビスコ優勝させ、阿部や羽生をはじめとして多くの選手を育て、独特の言い回しで人々を魅了したオシム。監督会見でなかなか本音を引き出せずにいた記者たちが、協力して立ち向かったというエピソードが好きです。誘導されていることに気づいたオシム、その瞬間に彼の本音が一番見えた、とかだったかな。後藤健生さんがサッカーおやじ会で言ってましたね。
    これは、同じ質問を繰り返すしかないマスコミとは一線を引くエピソードとして好きです。引き出したい記者と、引き出させないオシムとの戦いでもある。

    一方で、オシムが志した日本化というものの幻想に取り憑かれてはいけない、とも思います。工程半ばで病のために現場を離れてしまったオシム。その最終地点は残念ながら見ることができず、当時の状況と進み続ける現在との共通点を探して、あれこれを想像するしかない今、そこに囚われ続けることは日本の進化に繋がりはしないと思います。

    なんというか、プロレス最強という猪木の作り上げた幻想から抜け出せなかった一時期の格闘技界に通じるような気がします。

    提示された夢に憧れ、希望を見出し、その実現に邁進するというのはいいのです。ただ、その夢に固執するあまり、過去に留まることがあってはならないと思うのです。
    それは、常に最新の情報を得ようとし続けたオシムの流儀とは外れてしまう、と一ファンとして感じます。
    幻想としてしまわないためにも、夢を実現させるためにも。


    とまあ叙情的に語ってしまう自分が最も夢や幻想に囚われやすい人物ではあるのですが。観客としては、どうしてもストーリーを紡いでしまうものなので、それが個人的な楽しみとしてたまらない嗜好なので、どうしようもないです。
    そこのバランスがね、大事です。偏りがちですが。
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    投稿日:2022.06.26

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