【感想】研修開発入門 「研修評価」の教科書―――「数字」と「物語」で経営・現場を変える

中原淳, 関根雅泰, 島村公俊, 林博之 / ダイヤモンド社
(3件のレビュー)

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  • hisakoda

    hisakoda

    人財育成の仕事をするようになって初めての課題本。
    いい勉強になりました。
    まずは研修受講後アンケートの設問から変えてみました。

    投稿日:2024.04.21

  • ntreach

    ntreach

    研修終了後「今日の研修はよかったね。みん前向きにたくさん発言していたし、ワークも積極的に取り組んでた」「○○さんの話し方すごく聞き取りやすかったよ」と、研修担当者同士で褒めあっている光景が、僕には気持ち悪い。

    僕は根がネガティブ思考のせいもあるが、研修直後は「本当に伝えたかったことが正しく伝わっただろうか」「職場に帰って明日から実践してくれるだろうか」と不安になる。

    研修で一時的に熱量が上がっても、一晩寝たらなにもなかったかのように、なにも変わらぬ日常が流れる。

    果たして、研修に意味はあるのだろうか。

    僕は人材育成に携わりながら、いつもこの疑問が頭の中を旋回していた。

    この本は、僕の長年の疑問に一筋の光を当ててくれた。「研修評価」つまり「研修は何のためにあるのか」を数字(定量)と物語(定性)で表そうという試み。

    研修の目的は、研修転移(学んだことを仕事に活かす)である。
    できることなら、「研修によって会社の業績(成果)にインパクトを与えた」という証明をしたいところだが、業績には研修以外にも多くの要素が複雑に絡み合うため、立証は非常に難しい。
    著者はアカデミックな研究にはこだわらず、その手前の研修転移(行動)に焦点を当てよ。と説く。

    従来の研修アンケートで評価していたのは「反応」と「学習」のみである。
    ・講師の話や資料は分かりやすかったですか?
    ・今日、あなたが学んだことは何ですか?

    それに対して、研修転移を評価するためのアンケートでは、このように問う。
    ・この研修はあなたの仕事に関連していると思いますか?
    ・あなたの仕事に役立つと思いますか?
    ・学んだことを、あなたの仕事で活用できると思いますか?

    つまり、研修が面白かったとか、新たな学びがあったという、反応や学習の評価ではなく、研修転移のイメージができたかを問い、研修を評価するのである。

    アンケートの自由記述欄によくこんなコメントがある。
    「講師の話に引き込まれ、新たな学びがありました。自分の職場はまだそのレベルに達していませんが、いつかやってみたいと思いました。」

    このコメントについて、反応や学習レベルで評価するなら「前向きで良いコメントがついたから、今回の研修は成功」となる。
    しかし、研修転移の観点で評価すると「受講者の行動を変えるには至らなかった。受講者と内容のミスマッチ」となる。

    当然のことながら、研修担当者は「研修は大成功でした」と経営者に報告したい。そのため、自分たちにとって都合がいい、反応・学習レベルの評価を採用する。そもそも行動に関しては、自分たちの領域ではないと考えている研修担当者も多い。

    僕が「気持ち悪い」と感じる原因はそこだった。
    研修後の反応にのみ関心を示し、その後の行動や行動によって生み出される成果に対しては、無関心な担当者の態度が許せないのだ。

    会社はそれぞれが専門性を発揮し、一つの大きな目的や夢に向かって、力を結集させる集団であるはずなのに、“研修は研修”と部分最適で満足する姿勢に違和感がある。

    介護事業では、たくさんの研修が義務付けられている。義務化された研修以外にもたくさんの研修が日々開催されている。
    いま一度「研修は何のために行うのか」という問いに立ち返り、本当に意味のある研修、人材育成について、話し合ってみたくなった。
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    投稿日:2024.04.02

  • Go Extreme

    Go Extreme

    第1部 研修評価編

    第1章 そもそも研修評価とは何か?

    1.研修のゴールは「学び」や「成長」ではない
    2.経営・現場にインパクトを与える研修評価とは
    3.研修評価の3つの役割(機能)
    4.研修をどのように評価するのか
      コラム なぜ研修評価は難しいのか?
      コラム 研修に業績への「直接効果」はない!

    第2章 研修評価研究を概観する

    1.研修評価の歴史的経緯と3人の人物
    2.カークパトリックの「4レベル評価モデル」
    3.「4レベル評価モデル」が開いた研修評価研究の扉
    4.「4レベル評価モデル」に対する批判
    5.「4レベル評価モデル」のアップデート
      コラム 実験モデルは、企業研修評価に必要なのか?

    第3章 これからの研修評価の考え方

    1.混合評価を支えるデータ
      ステップ① 成果(レベル4)につながる行動(レベル3)の明確化
      ステップ② 行動(レベル3)の測定
      ステップ③ 学習目標(レベル2)の設定
      ステップ④ 関連度・有用度・自己効力感(レベル1)の評価

    2.「数字と物語」でシンプルな報告
      コラム インパクトマップづくりの例
      コラム 統計分析は「魔法の杖」ではなかった

    第4章 これからの研修評価の進め方

    1.混合評価の3つのコース 
      ミニマムコース:最低限、ここまではやりたい!
      スタンダードコース:研修転移を測定せよ!
      プレミアムコース:現場の声を拾いに出かけよ! 数字を押さえよ!

    2.教育スタッフの仕事が変わる
      コラム 研修評価は、教育スタッフの「内省」機会

    第5章 これからの研修評価の実践例

    1.三井物産人材開発株式会社
    2.株式会社TKC
    3.株式会社
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    投稿日:2022.07.07

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