【感想】美しき愚かものたちのタブロー

原田マハ / 文春文庫
(102件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
53
35
10
0
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ブクログレビュー

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  • hiroking

    hiroking

    どうしてゴッホの作品が表紙になっているのか?と考えながらページをめくりました。(もちろん読んでいた中でしっかりと納得)

    ゴッホやモネそしてその作品の素晴らしさについては、すでにマハさんの作品からかなり吸収できていたつもりでした。しかし、いやいやまだまだ。様々な角度でマハさんは楽しませてくれます。

    本作品の主人公たち。松方幸次郎、田代雄一(矢代幸雄)、日置釭三郎という実在した人々を中心にしてストーリーを展開しています。日清戦争、日露戦争、第一次大戦を経てきた、まさしく江戸時代から現代へと向かう日本文化の成長の礎となる歴史の動きを感じることができました。

    富国強兵を掲げながらも、絵画を初めとした文化が一般大衆に根付かなければならないということにこだわった当時の上流階級の選ばれし人々。まあ、作品に登場する人々は超上流階級の人々であり、市井の人ではない。少し眩しい憧れのようなものを感じてしまいました。

    本作は「松方コレクション」が日本文化に与えている重みを感じさせてくれる作品でした。

    国立西洋美術館の完成は第二次大戦後となったのだけれど、その前に絵画を中心とした様々な文化、当時の先進国の一般大衆の文化が日本にも入っていたとしたら、果たして第二次大戦に踏み込んだのだろうか?ふと、そんなことを考えてしまいました。

    マハさんのおかげで、いろんなことを考えされられました。政治、経済、文化、戦争、人々の営み、、、さらに今では地政学ですかね?微妙なバランスは今も昔も変わらないですね。
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    投稿日:2024.04.14

  • みお

    みお

    タブローにかけるそれぞれの熱い想いを知る前と知った後では、見方が変わりそうです。それぞれ全然違う人生で、タブローとの関わり方も違うけど、みんなにとって特別であることには変わりない。
    国立西洋美術館もう一度行きたくなりました。
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    投稿日:2024.03.25

  • Limei

    Limei

    一つの美術館のために、こんなに情熱を捧げた人がいて、命懸けで守った人がいて、尽力した人がいたことを知り、心から感動しました。
    戦争で失ったものも多く、戦争で狂ってしまったことも多く、それがとても悲しいです。
    それでも困難を乗り越えて守り抜いた絵画や彫刻、そして国立西洋美術館の誕生は彼らがいなければなかったことなのですね。
    そこにあるのが当たり前と思っていた美術館、美しい絵画をいつでも見られることを心から感謝したいです。
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    投稿日:2024.03.14

  • mao2cat

    mao2cat

    タブローにかける情熱。
    敗戦国日本に本当の豊かさ、本物の美術を見せれる美術館をと願い行動した人々の情熱。
    胸が熱くなった!

    パリには行ったことないけれど、若き田代の目線で芸術の都、パリにワクワクドキドキした!

    直島の地中美術館でモネの絵を見てからモネが大好きになったけど、この小説に出てくるモネとモネの庭の描写を読んでますます大好きになった!
    この衝動のまま今からモネの絵観に向かっているところ!
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    投稿日:2024.03.13

  • たんば

    たんば

    国立西洋美術館の成り立ちを描いた物語。前半では、松方幸次郎の豪快で、明晰で、愛らしいキャラクターにぐっと惹かれ、後半では日置釭三郎への感謝が止まらなかった。ビッグ・ラブ!
    松方が芸術を愛する若者たちのために、会社と社員とその家族を背負う重圧の中で集めてきた西洋美術を、戦火の中命懸けで守ってくれた日置からバトンを受けた吉田茂内閣。戦後間もない頃の必死で、報われなくて、それでも食らいつく『敗戦国』の空気感を味わい、現代社会を憂いたりしちゃう。まぁそんなことは置いといて、西美に行きたくなった!!続きを読む

    投稿日:2024.03.02

  • 春之助

    春之助

    原田マハさんは、男性よりも男性のロマンをよく知り、表現するのがうますぎる。
    そしてどこまでがノンフィクションで、どこからがオリジナルなのか、全くわからなくなるから不思議としか言いようがない。かの有名な松方幸次郎、何回人生やってるの?と驚く経歴の持ち主。彼やモネが実際にこんな人だったら、嬉しいな…関係ない私でさえそう願うのです…溜息がでるほど、熱く切なく感動する物語。
    愚か者、美しい、タブロー…絵画がもっと好きになる一冊です。
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    投稿日:2024.03.01

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