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前野隆司 / プレジデント社 (6件のレビュー)
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総合評価:
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YAJ
著者も、プロローグの部分で危惧している。 「本書を後半だけ読むと、奇をてらったトンデモ本に見えるかもしれない」と。 壮大な理想論だ。タイトルの通り「幸福論」、いや、もう、著者の願いというか、思い…があれこれと述べられており、もはやエッセイに近い。後半だけ読まないよう、順に前から読んでいけば、それなりに学術的な裏付けや、研究結果も付言されてはいるが、言いたいことを言い放ったものという感が強い。 けっして間違ったことは言ってはいないので、単なるトンデモ本ではないが、常に「だから?」という思いがよぎる。 「いずれにせよ、立ちも戻るべきは「死んだらなにもなくなる」という客観的事実である。」 その事実に立ち返ると、どうなる? 「人間の心にいきいきと湧き上がるクオリアも、わたしはすべて幻想だと考えている。クオリアがすべて幻想であること、それはすなわち、「心はない」ということだ。」 割りと序盤の記述だが、もうこのあたりで、そうなの?じゃぁ、どうすれば?と反問だらけ。 死について、心について、いかに捉えるか、いかに向き合うか、理想を語るが、そのために何をすれば、どう実践していけばという話がない。新・幸福論の概論故にか、あるいはガイドブックじゃないから、そこは書いてないということか。 「みんな、もっと自分のゲームをするべきだ。誰かが決めたルールに従うゲームに身を任せるのではなく、自分でゲームをつくるべきなのだ。」 それが出来れば誰も苦労しないよ。 心、死、そして幸せについて、多角的に考察し、著者自身の捉え方を示してはくれる。それが、“目の前の「視野の狭さ」から脱するためだ”と、言われて、「死ねばなにもない」「心はない」と得心して、どう行動に移せばよいのか、本書を読み終わったときに、さぁ、動き出そう、という思いには駆られなかった。 「地球的46憶年の視点や現生人類約20万年の視点から、いまという瞬間をたまたま生きる自身の存在の意味について、視野を広げて思考するためだ。その姿を、自分なりに捉えるためだ。」 要は、自分は小さな存在だと思えばよいことか? という点では、冒頭に紹介されている、イギリスのシューマッハ・カレッジにある「Deep time walk」という、地球が生まれてから現在までの46憶年の歴史を、4.6キロメートルにたとえて歩く活動は、面白い試みだ。 「わたくしたち人類の歴史は、地球4.6キロの旅の最後のたった20センチなのだ。そして、農耕革命が1センチ、産業革命は0.26ミリだ。そして、あなたの歴史は、100年生きたとしても、0.1ミリに過ぎない。 あなたは、この0.1ミリの人生をどのように生きたいだろうか?」 たかが0.1ミリ、されど0.1ミリだ。 間違ったことは、言ってない内容だったが、心に届くかどうか? 私には響かなかった。 P.S. Ikigaiベン図は、ちょっと使えそう。だが、その中心にある「Ikigai」に手が届かないのが、世の中の大半なのだ。 「約80憶人の世界人類がこれをできる世界を目指せたら、まさに自利利他円満な社会である」 ごもっとも。間違ったことは言ってない。そこへのアプローチが示されていない、トンデモ本かな、やっぱり(苦笑)続きを読む
投稿日:2023.08.02
オフロスキ
人生は泡沫、突き詰めればなにもないから、感謝して、愛して、前向きに生きて、(意味なんてなくとも、せめて)幸せに生きたほうがいいよね、がメッセージかな。 著者がいっていることはとても共感するし、整理さ…れた考えは、そうだなーと心から同意するけど、うん分かってたって言いたくなる内容だったので★3.続きを読む
投稿日:2023.06.24
KEIJI
前野幸福論の集大成。壮大である。理想が、これでもか!というくらい詰め込まれている。ただ、理想を掲げなければ何も始まらない。あとは、各々がどう行動していくか。
投稿日:2023.01.29
katak-ai
日本人の孤独 心配性遺伝子 内向きの鬱積 110万以上の引きこもり 現代、自由度は増したが、普通の人へのセーフティネットの多様化が不十分 人を個人としてではなく、みんなと見ている 欧米:強い…個が自発的な利他行動 日本:無意識な集団主義の利他性 心は幻想 意識=脳が無意識に行っている処理をエピソード記憶するためのもの 過去も未来も幻想 今しかない 主観的には死は存在しない 幸せの因子 ありのままに 他人と比べない どうなりたいか? やってみよう 主体的に生きる 自分の道を歩むほどつながりやすくなる なんとかなる 未来を信じる ポジティブ思考からポジティブな結果 ありがとう ともに生きる 社会貢献活動に関わる 合意できる上位の共通点 アメリカ:中心に愛と自由 日本 :中心に”無”がある (絶対真理がない) 無私 ウェルビーイング中心主義 世界人類を愛そう 100% Ikigai 4つの円 1.好きなこと 2.社会が必要とすること 3.得意なこと 4.収入を得られること 4つの円が重なるところがIkigai 4つの円がひとつに一致=自己利他円満 =100%愛する続きを読む
投稿日:2022.08.20
Go Extreme
第1章 前提条件:心はない パンデミックという人類滅亡リスク 資本主義は限界を迎えたのか? 不幸化する日本 ウェルビーイング産業への転換を 第2章 必要条件:死を想う 心がなくて本当によかった わ…たしはずっと嘘の人生を生きていたのか? 怒りと本能 一生の長さはたったの0.1ミリ 主観的な死は存在しない 第3章 幸せの連立方程式 生きてよし、死してよし 「幸せ」はいつも人類のテーマだった やってみよう・ありがとう・何とかなる・ありのままに アコモデーション 第4章 解:わたしは、地球であり宇宙である わたしは地球の一部以外の何者でもない この宇宙の一部である以上に、なにを望む必要があるだろうか 中心に無がある国・日本 あらゆる価値観の無自覚な雑居 人類3.1 第5章 分岐点:愛するか、滅びるか 心の地動説 「世界中の生きとし生けるものを愛す」ことは可能か? 自利利他円満というひとつの円続きを読む
投稿日:2022.06.18
K62
このレビューはネタバレを含みます
人新世の『資本論』→シューマッハーなど産業主義批判を一巡→自然科学→社会科学などを色々巡って辿り着いた前野先生の本。 まさか、昨年11月に自分が辿り着いた境地と、全く同じことが同じロジックで書かれているとは。。。 "ウェルビーイング資本"主義。とても良いと思います。
投稿日:2022.06.15
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