【感想】僕とアリスの夏物語 人工知能の,その先へ

谷口忠大 / 岩波科学ライブラリー
(5件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • masa-jf3kqa

    masa-jf3kqa

    毎年恒例の企画展示「科学道100冊」に2022年新たに加わった本。
    ラノベ風の小説部分と実行知能の現状と技術解説部分を交互に織り交ぜている。

    あらすじ:
    小学生の悠翔のもとに突然やってきた謎の少女、アリス。まるで赤ちゃんのように何も知らなかったが、悠翔たちから多くを学んでいく。しかしそこに、怪しい影が忍び寄り……!? AIと共存する未来とはどういうものか。「発達する知能」は、いかに実現されるのか。小説と解説の合わせ技で、いざ、めくるめく知の融合体験へ!

    最初、家にやって来た時、車椅子に座り、言葉もわからず、記憶もない、知らないことだらけのアリスに主人公の悠翔がいろいろ教えてあげることになるという展開で、赤ん坊状態から徐々にAIといか自立・自律型アンドロイドのアリスが成長していく。

    最近のChat-GPTの優秀さにも驚くが、それはあくまでも文字ベースの遣り取りが自然になりましたというレベルではある。

    ただその中で延長線上にアリスのような学習して自律的に成長していくAIが可能なのか?という問いに対して、従来ならまだまだ大きな壁が存在しているような気がしていた。

    しかしながら、最近はそういうAIの未来はあるとも実感している。

    その中で重要なのは、この本の中でも述べられているが、AIが自分の身体を持ち、視覚・聴覚以外にも触覚、臭覚、味覚など五感を持ち、リアルタイムで様々なことを経験して記憶していくことではないかと思う。

    それを一つ一つどう実現していくかが課題なのかもしれない。
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    投稿日:2023.02.19

  • ina-lib

    ina-lib

    不登校の悠翔のもとにやってきた、話すことも歩くこともできない少女アリス。赤ちゃん人工知能のアリスは周りの人から言葉や動作を学び、ついには自分の意思で行動できるようになるが…。

    投稿日:2023.02.07

  • NORIS

    NORIS

    本屋でみかけて衝動買い。
    小説×解説のあわせ技といえば、川添愛の一連の作品を思い出す。
    不登校になって一人で家ですごす小学6年生の主人公悠翔のもとに、突然なぞの少女アリスがやってくる、というか父親の知り合いの研究者が連れてきて、家で預かることになる。車椅子に座り、言葉もわからず、記憶もない、知らないことだらけのアリスに悠翔がいろいろ教えてあげることになるという展開で、一章ごとにAIについての解説がつく。うん、やはり「自動人形の城(オートマトンの城): 人工知能の意図理解をめぐる物語」あたりがヒントになっている気がする。続きを読む

    投稿日:2022.03.25

  • shimon

    shimon

    『ふだん使いの言語学』で我々がいかに無意識に巧妙に言語を使っているか、ということに触れた後に読んだこともあるが、こちらはまた別の観点での人工知能の多くの課題を「ふだんの生活」の中に落とし込む形で論じている。
    そもそも、我々が生きるために獲得した「知能」、生得的な「本能」のみならず、誕生から長い時間をかけて獲得する部分もある「知能」をトップダウン的に構成することはできるのか。筆者は否定的な見方を取っている。確かにトップダウン的に与えて社会の「役に立つ」ものは確かに作れる。ただ、現在のスマートスピーカーのようなものは、以前よりも格段に曖昧性に強くなったと言っても、自分の想定する「文脈」を十分に理解してくれない。SFの中に描かれるような以心伝心できるアシスタントとは程遠いのはなぜか。『しばしば私たちは、文の意味はその文のみで完結していると考えがちだが、それは大きな誤り』のためだ。
    AI/人工知能を業務に取り込むことは現在のトレンドでもあるが、自分たちが無意識に、ふだん使いしている思考・言語・振る舞いの奥深さに気づかずに楽観的に捉えていると、落とし穴にはまることに気づかされる。
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    投稿日:2022.03.05

  • yoshio2018

    yoshio2018

    各章の入り口は僕とアリスのお話だけど、科学ライブラリーだけあって、解説にはしっかりとした人工知能の話が出てくる。見て触って聞いて知るロボットができるんだ。クロスモーダル推論というらしいが、教師データを提供しなくても、自分で推測することが可能だそうだ。AIの解説が面白かった。お薦めです。続きを読む

    投稿日:2022.02.23

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