【感想】現代語訳 蜻蛉日記

室生 犀星 / ディスカヴァーebook選書
(7件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • Kei.Co

    Kei.Co

    かなり正直に気持ちをぶっちゃけていて、心配になってしまうほど。当時、周りの反応はどうだったのかしら。その分、平安時代を身近に感じられた。

    投稿日:2024.04.29

  • ☆ベルガモット☆

    ☆ベルガモット☆

    国語教師をしている友人から勧められ、こちらの本のレビューに惹かれてお取り寄せ。
    室生犀星の現代語訳でとても分かりやすい。和歌の解説も丁寧。兼家から求婚の文和歌を何度も送られて熱烈アプローチ受けるうちに心を許して長男まで設けたが、夫の心移りへのいじけ具合や正妻時姫とのやり取りがなんともじれったい。確かに自分のところへ行くといいつつ来なかったり、家の前を通った余韻を漂わせて他の女性のところへ行ってしまうのは腹立たしいか。でもせっかく顔を出してくれた時ぐらい素直になればいいのに、キレ気味でつらく当たる態度ばかりだとますます縁遠くなるのだと思うけれど。
    「どうして来ない、訪れない、憎らしい、悲しい、と言って、なぐったりつねったりすりゃいいじゃないか」と兼家に言わせてしまうまでに。
    伏見稲荷神社、賀茂神社などへの参拝の様子は観光している気分。母想いで芸達者な息子の道綱が、心寄せる人への和歌は切ない。想い人が他へ嫁いてしまっても未練を残す息子と自分の不憫さと抱えながらも歳の暮れを迎えて終わる。

    付き合い始めの頃
    人知れず今や今やと待つほどに返り来ぬこそわびしかりけり
    (こっそりと今か今かとお待ちしているのに、御返事のこないのは心細いことです)

    夕ぐれの流れ来るまを待つほどに涙おほゐの川とこそなれ
    (夕ぐれを待っている間にもう涙が頬ににじんできます。会いたくて)

    思ふこと大井の川の夕ぐれは心にもあらず泣かれこそすれ
    (物おもいの多い夕方は、すぐにもかなしくなってまいります)

    『相変わらずはかない日常であることを思うと、こんなことを書きしるしていることも、あるかなきかの感じがして、ちょうど「かげろうの日記」とでも名づけたらよいのであろう。』
    大空をめぐる月日のいく返り今日行く末にあはむとすらむ
    (空ゆく月日が繰り返すように、末長く年月を重ねることだろう)

    道綱から想いを寄せる人への歌
    狭衣のつまも結ばぬ玉の緒の絶えずみ世をやつくさむ
    (着物の褄も結ばれないようなはかない命が、あなたのお心しだいで、耐えようとしたり絶えなかったりして、一生を終えるのでしょうか)
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    投稿日:2023.11.28

  • chokococo

    chokococo


    開始:2023/2/20
    終了:2023/3/4

    感想
    宮廷の煌びやかさと人の想いの瞑さ。それでも歌に乗せてしまえばどこか清々しさすら感じさせる。女性の心情の変化はまるで秋の空。

    投稿日:2023.02.20

  • Cymbeline

    Cymbeline

    源氏物語の空想的・独善的な男の見方より、この方が真実味がある。が、独りよがりにみえて、興ざめである。物語ではなく日記。

    投稿日:2020.10.05

  • あこ

    あこ

    夫・兼家との結婚生活での苦悩やささやかな喜びを描いた、回想録。
    己のプライドの高さゆえに、兼家の浮気が許せず嫉妬に苦悩する。
    現代の恋愛にも通じる文学を、室生犀星の現代語訳で楽しめる。


    熱烈にアプローチしてきたのは向こうなのに、溺れて苦しむ道綱の母の苦悩は、現代の私たちにも痛いくらいわかります。
    自分だけが想っているのかしら、他の誰かと笑っているのかしら、肌を寄せあっているのかしら、と。
    もちろんそんなことは書いてありませんが、文章を読み進めていくうちに、彼女の想いが強く伝わってきます。

    原文は上中下巻に分けられていますが、この本は一冊にまとめてあるので、お手軽に読めると思います。
    個人的には、面白いのは上と中で、感情が下火になりつつある下巻はあまりそそられなかったです。
    勢い余って原文買ってしまいました(笑)
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    投稿日:2020.08.08

  • glideoff

    glideoff

    道綱母は女性性そのものなのではないか。受け身で自分勝手な一方で、感受性が豊かで他人に対する思い遣りや同情心が強い。息子への愛情は特別に深い。およそ一般的に女性性と言われるものが、見事にそのまま具現化したようで驚いてしまった。この人の女性としてのあり方に非常に高い普遍性を感じる。
    生活の不安や仕事の煩わしさのない貴族という身分では、人間本性が現れやすいのだろうか。そう考えると平安文学にますます興味が湧いてくる。
    続きを読む

    投稿日:2017.02.05

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