【感想】ついでにジェントルメン

柚木麻子 / 文春e-book
(124件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
17
44
40
9
1

ブクログレビュー

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  • MIKI

    MIKI

    ジェントルマンといえば、教養があって社会的地位も高く、人格の立派な紳士というイメージ。
    ですが、男性優位の資本主義社会において発展してきたその理念は、令和で喩えると女をモノ扱い、マンスプレイニングし放題の古くさい価値観を持ったおじさんってとこでしょうか。

    本書では、どこか女性を見下しているような前時代的な男性がいろんなカタチで登場します。
    令和の女性に触発されて変わっていく男性もいれば、ただただ女は楽しくてたくましい!を側で見る男性、前時代的な価値観でのかっこいいを体現するために整形する男性、みたいな作品も。
    後味の悪い作品は個人的には一作だけで、ほかは心がほんわかしたり、楽しくなる作品です。

    それら短編をサンドイッチする構図で菊池寛が出てきます。

    菊池寛について、史実をあまり知らないのですが、本書の菊池寛は、破天荒で好奇心旺盛、いたずら好きの子供みたいな感じで、ちょっと可愛い。
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    投稿日:2024.04.08

  • オリ

    オリ

    頼んでもないのに、余計なことをしてくる男たちの物語。
    女性専用車両は美しくか弱い女性のためにあるのか。男性が守りたいと思う女性のためにあるのか。よくネットで見かける女性専用車両に関するインタビューの画像、あの作為的な画像はたぶん男性が作って喜んでいるのだろう。
    どんな女性でも男性が怖いと感じたことはあるし、安心して過ごせる場所がほしいのだ。
    だいたい怒りの矛先を女性専用車両に向けることがおかしい。元凶は痴漢である。痴漢を捕まえてどっかに閉じ込めれば、女性を専用車両に閉じ込める必要はないのだ。
    女性の安全のためと言って女性を閉じ込める宗教と同じ。凶暴な男性を閉じ込めた方が、よっぽと平和に暮らせるのに。男たちはそうはしない。
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    投稿日:2024.03.27

  • riddele

    riddele

     旧時代を生きる『ジェントルメン』と今を生きる女性たちの短編集です。

     私は、多分タイトルと装丁からもっと違う雰囲気のお話を想像してしまっていて、旧時代のどうしようもない男尊女卑から派生したフェミニズムだとか、固定観念だとか、セクハラ問題だとか、女性をモノか何かのように見る『ジェントルメン』たちの考え方に対する嫌悪感の方が強くなってしまい、あまり物語自体を楽しむことができませんでした。
     今も女性が思うままに生きるには窮屈な時代だとは思いますが、少し前には更にその傾向が顕著だったのでしょう。自由と平和が欲しいと思うのは男性でも女性でも同じはずなのに、女性がそれを勝ち取るのはこうも困難なことなのかと苦しく思います。それでも、少しずつ前に進んでいるからこそ、この時代やこの感覚の描写がぞわぞわと怖気が走るような感じをもたらすものになってしまうのかもしれません。

     様々な偏見にさらされながらも、強かに生きる女性たちには魅力を感じます。
     特に、お洒落なバーで次々とメニューにない鮨をオーダーする卒乳したての子連れの母の話は痛快です。ワインをボトルで飲みながらあれこれと指示を飛ばす玄人っぷりには脱帽でした。
     また、『純喫茶』と書かれた店の『純』って何だろう、となんとなしに思っていた疑問もお話の中で知ることができて、時代背景も含めてなるほどそういうことか、と納得しました。

     いつか、この物語が「共感できる」と言われなくなるくらい、誰でも心が自由になれる時代がくることを願っています。
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    投稿日:2024.03.23

  • miyuki

    miyuki

    柚月裕子の7作品の短編集。
    短編集、最初と最後の作品は文藝春秋社、そして創設者菊池寛が登場する。
    どの作品も少し世の中や事象を皮肉っぽく著しているところがあり、ニヤリとできる終わり方をしている。

    投稿日:2024.02.18

  • よむよむえっちゃん

    よむよむえっちゃん

    菊池寛に始まり菊池寛に終わるって、なんで菊池寛???
    ホントにオトコって生き物は、、、っていう短編集

    投稿日:2024.02.09

  • たーへる

    たーへる

    アップデートされていないヤバいけど結構よくいる自称イケてるおじさんや、「お洒落でしょう?ねえ、お洒落でしょう?」という雰囲気のむかつく鮨店や、女性専用車両がなぜ生まれたのか全く理解していない騎士気取りおじさんなど、解像度の高さに笑いつつもゾッとしてしまった。

    「エルゴと不倫鮨」が1番好みだった。
    赤ちゃん連れの女性が指定する美味しそうな鮨の描写にわくわくしたり、出産祝いでお会計をする姿にはウルッとしたり、最後女性たちが仲良くなっているのに元気づけられたり。
    元気出たー!
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    投稿日:2024.02.08

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