【感想】ユア・フォルマIV 電索官エチカとペテルブルクの悪夢

菊石まれほ, 野崎つばた / 電撃文庫
(4件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • yamanokikuzu

    yamanokikuzu

    人間にも「敬愛規律」のようなものがあることは、デーヴ・グロスマン「戦争における『人殺し』の心理学」を読むと分かることですが、本書には、そのような心情を欠いた人物が登場します。
    作者の菊石さんは、第1作目のインタビューで、「機械のような人間」と「人間のような機械」との交流を描きたかった、ということをおっしゃっていましたが、本書でも、「人殺しへの抵抗感」という人間的な心を失った(その意味では機械のような)人間と、敬愛規律はなくとも、人を傷付けることに心理的な(!)抵抗を覚える機械との対立が描かれています。続きを読む

    投稿日:2022.12.29

  • らいら

    らいら

    このレビューはネタバレを含みます

    ハロルドの心の中の中核に存在する、今までも端々で語られてきた、ペテルブルクの悪夢のお話。ハロルドの事件に対する強烈なこだわりや、ソゾンとの過去の話が中心に据えつつ、犯人探しが展開される。
    ペテルブルクの悪夢の動機などは正直、しょぼい印象もあったが、最後の最後の展開が、予想外の方向からボールを投げられた感じ。
    今後の展開も期待したい。

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    投稿日:2022.12.24

  • ebshi1004

    ebshi1004

    【悪夢の靴音が次第に近付く、繰り返される悲劇に抗え】

    過去の殺傷事件と似た事案が発生する事で、ハロルドの力量が試される物語。

    路頭に迷っていたハロルドを救ってくれた存在。
    ソゾンにより、ハロルドの心は救われる。
    彼らと疑似家族を形成する事で、彼の根幹と言える物が形成された。
    しかし、暖かさを伴う安寧は永くは続かなかった。
    卑劣な犯行により、恩師は惨殺されハロルドの心に影を落とす。
    そして、月日が過ぎると共に悪夢が再演される。
    今度こそ、大切な人を守る為に全身全霊を尽くして抗う。

    それが亡くなった者に対する唯一の贖罪だから。
    続きを読む

    投稿日:2022.09.08

  • sakopy

    sakopy

    このレビューはネタバレを含みます

    ロボットじゃないんだよ
    この世界特有の名前「アミクス」がある。
    別の物語世界で使われている名前ではなく
    この世界特有の名前があるから、
    この名前を使われると
    この物語の世界に連れて行ってくれる。

    人間に近しいものは
    人間なのか
    人間によく似ているのに
    人間ではないもの
    それを描いてくれるからこそ
    人間とは何かを考え感じる機会になる
    人を害するのは何
    人を守るのは何

    誰がやったのか
    どうやったのか
    提示された謎が少しずつ解かれていく
    幕間に挟まれる過去話が良かったです。
    この過去話は無くても
    この巻は物語になるんだけど
    このエピソードがあるから
    読んでいて良かったと思える
    解かれた謎で全てではないからこそ
    また新たな謎が提示される。
    謎を解くことも目的なんだけどそれだけではないんですね。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.08.19

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