【感想】メキシカン・ゴシック

シルヴィア・モレノ=ガルシア, 青木純子 / 早川書房
(11件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
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ブクログレビュー

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  • ナナキ

    ナナキ

    勝気なメキシコ美女やら、イギリスから来た一族が住む古びた館やら、設定がてんこもり。
    ゴシックというと白黒灰色の世界をイメージするけれど、こちらはメキシコ系だけあって、色彩が鮮やかなゴシックホラーだし、みんなよく喋るから明るいホラーでもあった。最終的には恋愛小説かな。
    爺さんが醜くすぎて、ゴシックよりホラーより恋愛より、爺さんを抹殺することが私の中ではメインテーマになってしまった。キモすぎ。
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    投稿日:2024.04.28

  • 急転逸朗

    急転逸朗

    このレビューはネタバレを含みます

    中盤までは動きがなくて退屈だったが、謎が詳らかになってからは面白くなった。原住民の禁断のキノコが菌糸を張り巡らせて人間と一体化し、その作用で半不死になるという設定は面白い。一族の中に適性があり、その不死性を維持するために新しい血が必要。ラヴクラフト的なストーリー運び。舞台が1950年のメキシコなのも良い。

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    投稿日:2024.01.15

  • かわはら

    かわはら

    田舎に嫁いだ従姉妹から、異様な手紙を受け取ったノエミ。真実を突き止めるため、従姉妹の嫁いだ屋敷を訪れる。
    屋敷には、一体何が棲んでいるのか。
    何、の正体明かしからの盛り上がりが凄くて後半あっという間に読み終えた。
    私の好きな構成してる物語。
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    投稿日:2023.06.27

  • ひまわりめろん

    ひまわりめろん

    先日読んだ『ニードレス通り
    果ての家』が面白かったので、その巻末の広告に載ってた本作も手に取ってみました

    ってまたホラーやないかいっ!

    ってホラー作品の巻末広告なんだからホラーに決まってるやろバカタレ!

    ホラー苦手なんだけどなぁと思いつつも、いやいやこれこそあれですよ
    浄土瓶宗に伝わる荒行のひとつ「新境地のためあえて外しに行ってるとも思えるほどの苦手分野を読み進めてあーやっぱり苦手だったわーという悟りを開く行」ですよ

    結果はというとあーやっぱり苦手だったわーという

    でもあんまり恐い!って感じもしなかったかな
    静かな狂気と言いましょうか、人の持つ浅ましさをギュッと濃縮したようなお話しでした

    王道の展開は嫌いじゃないんですが、あまりにおどろおどろしい感じを出そうとし過ぎてか、情景描写が多すぎてちょっと疲れちゃいました

    悪くなかったんだけど、時間もかかってしまいました
    読むのに時間かかってる時って脳が喜んでないときなんだよね

    でもホラーはまたごんごん読んで行こうとも思いました
    そろそろ行ってみる?スティーブンとか
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    投稿日:2023.03.20

  • 茶山

    茶山

    正直、プロットやキャラクター、ロマンスさえも、作り込みが浅いなぁ...と、Goodreadsという世界最大級の読者レビューサイトでも、多くの人が"退屈なストーリー"とコメントされていました。
    にもかかわらず、この小説が幾つかの文学賞を受賞していたり、好意的なコメントも数多く寄せられているのは、そのアンチ・ゴシック的な試みを評価されてのことかな、とも思いました。

    つまり、ゴシックといえばヴィクトリア朝、そして、その時代的な背景から仕方がないとはいえ、白人至上主義的な風潮が暗黙のうちに認められていたりしますが、こういう傾向に対して、植民地支配を受けた側のメキシコの元気一杯、破天荒、傍若無人で自意識過剰な女子大生が、ちょっと待った!と全編に渡ってケンカを売る、という覚悟に対する評価です。

    正直退屈なストーリーはさておき、優生学、人種差別、性差別、植民地支配、親が求める世間体、などなどに怒れる女子大生ノエミが、とことん楯突くのが見ものです。他人のお屋敷に押しかけ、部屋では煙草はご遠慮くださいと懇願されても、ガン無視してスパスパやり出すという、一事が万事こんな調子で、静かなゴシック屋敷を縦横無尽に暴れまくるノエミの活躍が愉しいホラー活劇でした。
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    投稿日:2023.01.18

  • Kani

    Kani

    ラヴクラフト好きにはたまらない!
    カビだらけの洋館、墓所、幻覚見せるきのこの山…(-_-;)
    ゴシック・ホラーの世界観を楽しめる作品でした(〃´-`〃)



    何やら沢山の賞を取っているこの作品。
    っと気になっていて、読みたいリストの先頭に載せてました♡(*´˘`*)



    時代は1950年。


    主人公のノエミは超金持ちの遊びまくってる大学生のお嬢様。


    仲の良かった従姉妹のカタリーナから支離滅裂な手紙が届き、父からカタリーナの様子を見てくるよう命令される。


    カタリーナの嫁いだ先『ハイ・プレイス』は霧がかった墓地のそばにある、ヴィクトリア朝期の建築様式にこだわった屋敷。


    その屋敷に住む人々は皆どこか様子がおかしい……


    ラヴクラフトを連想させる世界観。

    代々続く家系。寝たきりの主人。

    悪臭と甘すぎるワイン。

    霧がかかり不思議な声が聞こえる墓所。

    カタリーナの奇怪な言動と、館で起こる数々の現象。幻覚や違和感。


    カタリーナの夫、ヴァージルは不思議な力でノエミにせまる。


    エログロまではいかないにしても、想像次第では結構グロデスクです。


    私の頭の中では肉感と弾力がリアルで湿気とカビと湿った空気、あらゆるぬるぬるしている何かと悪臭で…とグロ妄想が炸裂してました(-∀-`; )


    最近読んだ『血の配達屋さん』のような雰囲気に近いかも。


    いや、あそこまでグロではないですが、クトゥルフ神話っぽさが近い。


    美しいドレスを着た美女2人が何やら奇妙でグロテスクな何かに囚われ、精神を蝕まれ…


    逃げ出したくても逃げられない。
    血族の呪いがどうしてもハイ・プレイスへ惹き寄せる…。


    ゴシック・ホラーの世界へ浸りたい方におすすめします(*˘ー˘*).。.:*♡
    続きを読む

    投稿日:2022.11.15

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