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イアン・トール, 村上和久 / 文春e-book (4件のレビュー)
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bachbygg
アメリカ側の視点で見た太平洋戦争。 全6巻シリーズの5、6冊目の完結編。上巻はガダルカナル後からレイテ沖海戦まで、フィリピン戦も含む。 下巻はレイテ海戦後から沖縄戦、本土攻略、終戦までを描く。 上巻の…前半はアメリカの政治的な話が多かったが、後半は日本の戦史本では読んだ事が無い様々なエピソードや出来事が詳細に考察されていて、大変面白かった。 日本側の戦史本では、米軍が物量と作戦で日本を圧倒したような記述が多いけれど、実は米軍も指揮官の判断ミスや失敗、予想外のことが起きていて、相当苦労しながら戦っていたらしい。 日本の陸海軍の仲が悪かったのと同様に、米軍も陸海軍の仲は良くなかった。 上級の指揮官のうち、誰が主導権を握るかで政治的な駆け引きがあったりして、日本軍と同じような状況だった。 レイテ海戦の栗田中将の謎の反転は有名な話だが、著者の考察には納得する部分が多かった。 つまり栗田中将のトラウマが原因であり、本当は特攻作戦だったが、現場は全く承知していなかったことなど。また日本の戦史本にはあまり出てこないフィリピン戦の状況も詳しく書かれている。下巻では台風でアメリカ艦隊に被害が出ていた話、台湾侵攻を中止した話、九州侵攻のオリンピック作戦や関東侵攻のコロネット作戦なども紹介されていた。 下巻のハイライトは、戦艦大和の沖縄特攻、沖縄戦と日本本土空襲、原爆までの話。政治的、大局的な話から沖縄戦、広島長崎の市民の声まで緻密に取材されていて、大変読み応えがあった。 日本と米国のそれぞれの視点で書かれた歴史を知ると、よりこの戦争が立体的に見えてくる。 戦争は、勝者敗者に分かれるのではなく、どちらも敗者になるのかもと思った。現在進行中のウクライナ戦争も勝者はいないだろう。続きを読む
投稿日:2022.10.07
hiro1548
三部作の最後は硫黄島、沖縄戦と上陸作戦が描かれる。 あらためてアメリカの物量と兵站能力に驚かされる。沖縄戦に参加した海軍の艦艇数は1500。そしてそれを支える燃料・弾薬と整備班。 初めて知ったのは、沖…縄戦では海兵よりも海軍の方が犠牲が大きかったってこと。それが特攻の結果だ。それと台風の被害も大きかったらしい。神風は吹いたわけだ。でも1500からすれば、てんでなんだけどね。 日本軍の奮闘はアメリカにとっては、脅威だった。この結果から、本土上陸作戦前に原爆を使用することになる。軍の犠牲を考慮してだ。アメリカの合理性が怨めしい。続きを読む
投稿日:2022.05.31
Go Extreme
序 章 政治の季節 報道嫌いな海軍、巧みな宣伝で英雄視される 第一章 台湾かルソンか マッカーサーvsキング 第二章 レイテ攻撃への道 劇的な大転換を承認 第三章 地獄のペリリュー攻防戦 日本海軍の航…空戦力に大打撃 第四章 大和魂という「戦略」 神風特攻隊の悲劇 第五章 レイテの戦いの幕開け 栗田艦隊・ハルゼー 第六章 ハルゼーの誤算、栗田の失策 栗田艦隊の奇襲的な勝機 第七章 海と空から本土に迫る 超空要塞Bー29 第八章 死闘のレイテ島 日本軍、分断・圧倒される続きを読む
投稿日:2022.05.20
文藝春秋公式
【かつてない太平洋戦史三部作、クライマックス】太平洋戦争最後の一年。レイテ侵攻へ動き出す米軍に日本海軍は最後の決戦を挑む。無数の群像劇で歴史のうねりを描く巨弾戦記完結編!
投稿日:2022.02.15
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