【感想】ウイルス学者の責任

宮沢孝幸 / PHP新書
(18件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
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5
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ブクログレビュー

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  • 雷竜

    雷竜

     ウイルスに関して間違った情報が氾濫していたことがよく分かった。日本の学者達は自分の責任を回避するために勇気ある直言はしない。
     ウイルスに対する免疫力は地域によって異なるはずなのに、欧米諸国と全く同じ対応をする。年少者や妊婦にもワクチンを投与する必要性とリスクについて日本の独自の対応をしようとしない。手洗いを石鹸で30秒なんて過剰過ぎることがキチンと話されない。専門家が勇気ある発言をしないのなら、何のために研究しているのだろう。続きを読む

    投稿日:2024.02.08

  • AAR

    AAR

    不可解で過剰なコロナ対策、ワクチンへの拭い切れない疑問…ウイルス学者として訴えるべきことがある!独特の「研究者論」も語る。
    「PHP新書」内容紹介より

    人体には、人体だけでなくさまざまな生物でまだまだ解明されていないことがたくさんあることを実感した一冊.
    すべての研究に言えることだけれど、さまざまな因子が複雑に絡み合って起こっている現象を、こうだと決めつける姿勢に自分も疑問をもっていたので、そうだよなぁというのが素直な感想.
    なにが正しいことか、専門家でも難しいことを素人の自分が判断するのはもっと難しいことだと思うけれど、こういった専門家の発信するさまざまなことを、自分の頭で考えることはやめないでおきたいと強く思った一冊だった.
    途中の鑑識への協力や研究者としてのキャリアなど、人となりを知ることのできる部分も面白かった.
    もうこういう自由な研究はできない世界になってしまっていることが残念でならない.
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    投稿日:2023.12.31

  • レモン

    レモン

     コロナ禍の最初の時点で、大規模な自粛要請や学校休校等の措置は不要だったと訴えておられた。基本的なマスク・手洗い・うがいで事足り、飲食店などでは黙食もしくはマスク着用の上での必要最低限の静かな会話で十分だったらしい。mRNAワクチンの効果や今後どんな影響が出るかわからない点など勉強になることが多かった。
     中盤からの著者がウイルス学に携わるきっかけ等の部分は専門的で難しい箇所も多く流し読みしつつも、この部分で著者の誠実さと熱量が伝わってきたので、必読ではないが著者への信頼度が増す。
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    投稿日:2023.11.20

  • biztechartist

    biztechartist

    このレビューはネタバレを含みます

    GWの読書でAmazonが5冊買うと割引だったことと、何かの紹介で見てひっかかっていたのでちょっと読んでみようかと思いポチっと購入して読んでみた。

    感染症の医者でもウィルスのことは案外精通していないということは驚きの事実だった。そして
    そのウィルスに詳しい専門家が農学部/獣医畜産学科の領域だというのは言われてみると、あぁそうか!となるのだけど今まで全く気づかかなった。獣医師資格なんてペットのお医者さんでしょ、という感じで獣医さんが(いや、正確には獣医畜産学の分野が、ですね)ウィルスのエキスパートだなんて思いもしなかったのである。

    コロナの過剰な意識について社会的問題は確かに筆者の話の通りで、もう少し要領よくやる方法があるのではないかとも思う。ただ、私のような「知らない素人」は家族やかかったリスクを考えるとどうしても保守的な反応をしてしまう。筆者の説明によると、ウィルスが一定数まで増殖しないと発症して健康上の悪影響を顕在化させないのだそうだ。そしてウィルスと細菌の違いについても初めて知った。最近は微量でも問題を起こすようだ。この特徴から手洗い、うがいを徹底してウィルスの量を100分の1に減らせるのであれば問題はまず発生しないというのが筆者の主張だ。問題は、なぜこのことが公にならないのかである。

    政府が都合のいいようにエビデンスを重視したりしなかったりしてしまう点は、コロナ対策だけではないと思う。少子化も同様なことが起こっていて不都合な事実をもみ消されているのかもしれない。科学や技術のリテラシーを本質的な意味で持たないとなぁと改めて思わせてくれた。

    筆者の関西人的な感覚もなかなか興味深い。イグノーベル賞を狙う気質!?(笑)のようなおもしろい話や命に係わる科学だからこその倫理観を求められる話もある。メディアになかなか出てこない著者ではあるが興味深く拝読した。

    比較的ページ数も多すぎず、読みやすかったし新たな教養を学べた感じがしてよかったな。

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    投稿日:2023.07.27

  • kojirok1222

    kojirok1222

    前半に書かれた今般のコロナ禍に対する我が国の対応についての指摘は、うなずけるものばかり。

    ウィルスは動物の体内で変異するため獣医師の方が知見を持つが、対策本部には人間の医者しかいない。
    重症化率等の状況が明らかに異なる欧米のものを当てはめたため、大幅に過剰となった対策。
    リスク評価をせずに若年層にまで接種を進めたmRNAワクチン。

    今後、事後評価する際には本物のウィルス専門家を入れてほしい。

    後半は著者の研究者人生を振り返る。
    進振りでの綾もあったようだが、結果的には初志を貫徹した実り多いキャリアだったのではないだろうか。
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    投稿日:2023.05.22

  • kentoriko

    kentoriko

    宮沢孝幸先生の説明は、常に腑に落ちる。
    素直に事実を見て、判断すれば良いのだと教えられた。
    昔から、風邪っぽい時におばあちゃんに言われてすることは当たっているのだ。
    100分の1作戦や目玉焼き理論が浸透すれば良かったのにと思う。
    私も先生の話を信じて、シンプルにマスク手洗い換気を実践して、そっと旅に行ったりしていたが、結果、家族の中で私だけコロナに感染することなく、ここまで来た気がする。
    この本は、後半先生の自伝的様相なので、それを理解して読めば、読み物としてとても面白かった。
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    投稿日:2023.04.16

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