【感想】チンギス紀 十二 不羈

北方謙三 / 集英社文芸単行本
(19件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
2
10
7
0
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • あやごぜ

    あやごぜ

    第十二巻。

    金国に侵攻中のチンギスは、一旦軍を国境付近のダライ・ノールまで退げます。
    その間、金国の将軍・完顔遠理は騎馬隊を整え、若き文官・耶律楚材はモンゴル軍の兵站を切ることに注力。
    そんな中、モンゴル国の西方にある〈鎮海城〉が西遼の部族たちからの襲撃を受けてしまい・・。

    前巻のレビューで、金国との戦いは“ここからが本番”と書かせて頂いたのですが、完顔遠理はチンギスご本人に斬られて重傷を負い、金国の帝が逃亡してしまった事で燕京が陥落し、意外とあっさりと決着がついてしまいました。
    ただ、モンゴル軍が金国側に兵力を割かれているのを見越したように、西方の大兵站拠点〈鎮海城〉が襲われてしまうという事態に。
    以前も(第七巻)戦闘要員がいないアウラガを急襲されたことがありましたが、今回もまさにこのパターンですね。
    そしてこのピンチをダイルが命を張って死守してくれたのですが、今回の襲撃でダイルと狗眼のヤクという、長い間チンギスの情報網を担ってくれていた二人が逝ってしまいました。
    さらに、海門塞で充実したセカンドライフを送っていた、チンギスのかつての宿敵・タルグダイも賊徒と戦って死んでしまったし、元メルキト族の長で森に住んでいたトクトアもいつの間にか亡くなっていて、その森の住まいはアインガに引き継がれていました。
    このように“テムジン時代”の歴戦のキャラ達が、どんどんいなくなってしまう代わりに、次世代を担う若者たちが続々登場しておりまして、例えばチンギスの孫(そう、孫ですよ!)・ヤルダムも才気あふれる若者に育っていたりと、すっかり世代交代というか時代の流れを感じた巻でしたね。

    さて、領土が広がりすぎて、四方に敵を抱えている状態ともいえるモンゴル国ですが、周辺国の動きが気になるところです。
    個人的には、“一旦離れたけど復縁しつつあるカップル”みたいになっている(笑)、ホラズム国のジャラールッディーン皇子とマルガーシの動向に注目しております~。
    続きを読む

    投稿日:2024.05.27

  • 三上 直樹

    三上 直樹

    金国との戦が小休止し、つかの間の些事を書き連ねたような、またも万華鏡の光景のみが印象づけられる一巻。次につながるエピソードがないのが不満です。

    投稿日:2024.02.20

  • nkwada

    nkwada

    金を降伏させ、皇帝の娘とかを迎えてオルドきたー、という感じ。一方のラシャーンだが、相方のタルグタイが死んでしまい意気消沈するが、もうひと濡れ場ほしいところ。

    投稿日:2024.02.01

  • につ

    につ

    このレビューはネタバレを含みます

    感想
    チンギスは50歳になり、3年かけて金国の燕京を落とす。自分であれこれしなくても周りが動く体制が出来上がっているので大まかな方針さえだせばよいようになっていた。

    チンギスが大きくなるにつれて、そこから逃れていた敗者も大きな流れに逆らえず飲み込まれていくのが皮肉。どこまで大きくなるのか?本人はもう望んでいなくても広がり続けるように見える。領土は広がるも何か寂寞としたものを感じる。

    あらすじ
    鎮海城が西遼によって攻められようとしていた兵力はモンゴル軍の十倍。ダイルはなんとか防ぎ切るが、死ぬ。狗眼のヤクも命を落とす。

    金国は完顔遠理の兵力を5万まで増やし、モンゴル軍の侵攻に備え、兵站線を切ることに努力していた。

    チンギスはダライノールから再び南下し、完顔遠理を敗り、燕京を降伏に追い込む。

    タルグダイが金国から逃れてきた船と闘争して命を落とす。トーリオが後を継ぐことに。

    トクトアは亡くなり、隠遁したアインガが森の生活を継いでいた。そこにマルガーシが現れ、一緒に生活するが、ホラムズ朝よりマルガーシに迎えがくる。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.11.04

  • みちょはちゃ

    みちょはちゃ

    このレビューはネタバレを含みます

    チンギス紀 十二 不羈
    北方謙三

    ∞----------------------∞

    軍人では無いのに先頭を切って闘うダイルに圧倒された。

    みんな自分の立ち位置を理解してそれぞれの役目をしっかり果たしていて、どこにも不真面目な人が出てこない。
    チンカイとか不真面目派かと思ってたのに、今じゃダイルの後を任され指揮官になるくらいの立派な人だし。

    他にもタルグダイやトクトアも亡くなった。タルグダイは亡くなってもなおラシャーンに愛されてるし、トクトアの最期なんて捕った虎の皮を干して眺めながら亡くなるなんて隠居生活として最高じゃないの?

    孫のヤルダムも活躍し、チンギスも50代。世代が変わっていくのは淋しいけど、若い世代が活躍するのも面白い。

    通信手段が鳩。

    2023/06/14 読了 (図書館)

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.06.14

  • とりりん

    とりりん

    2023.04.17
    この年代の50代は相当歳を取ってると思われる。ついにそんな歳になったか。
    まだまだ楽しみ!

    投稿日:2023.04.19

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。