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北山猛邦 / 創元推理文庫 (5件のレビュー)
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Yoshi_Navyfield
プロローグにあたる「序奏 月光の渚で君を」読んだだけで、一つの短編を読み終えたかのように、ちょっと間を置いて余韻に浸ってしまいました。 同じ著者の「ギロチン城」のプロローグ「首狩り人形」を読んだ時のよ…うな衝撃でした。 そして本編、「うんうん、これぞ北山作品やんな」と期待を裏切らない世界観とストーリー、そして蠱惑的な謎の数々とそれを可能にする物理トリック(偉そうに言ってるけど、全く謎は解けませんでしたが…)。 読み終わって思ったのは「ちょっとマイクル・コーニイ入ってるかも」でした。 決して多作ではないけど、新作が出るたび、もとい文庫化されるたびに買ってしまう北山猛邦さん、もっともっと作品を読みたいですね。続きを読む
投稿日:2023.08.05
あーお
このレビューはネタバレを含みます
読む順番は恐らく違ったのだろうが、北山ミステリは初読みだ。叙述トリックのものは読んでいたが、ここまでの物理トリック。説明的なのに説明だけでは終わらない、雰囲気や温度感、空気感も大事に描かれていた。 何より少しずつ小さな不明点を明らかにすることで、1番大きな伏線を回収することへ繋がる。残った人たちの推理が、その人の都合で解釈されていく中、もっとも冷静で冷酷な答えに導かれる。歯車が噛み合ってしまった無念さも、オルゴールの世界観と同期されている気がした。 順番は違ったのだろうが、1作目に選んで正解だったと思う。解説にもとても作者への愛を感じることができた。少年検閲官や、他の作品も読んでみようと思う。
投稿日:2022.08.10
山田
傑作です。 ミステリの面白さが詰まった作品であり、なぜこのトリックを使用したかの答え、序奏の幻想的で儚げな物語、散りばめられたガジェットなどなどめちゃくちゃミステリ的な面白さ。よかった。
投稿日:2022.05.11
ちょびこん
厚さが嬉しくなるほど夢中で読んでしまった。 二転、三転。 そして途中で気づいて 嫌だ、嫌だと思うも 1番苦しく切ない真実を突きつけられた。 それなのに物語の美しさに まるでハッピーエンドかのような錯覚を覚える。 クリスの冒険の続きを読みたい。 けれどこれ以上のものが生まれるのだろうか。 ちなみにカルテの『足枷』はなんだろう。 高さが怖い、とかかな?? それなら先輩のために頑張ってビルに登ったのはとてもかわいい。
投稿日:2022.05.05
馬南神空
作中の検閲官は中世の異端審問官とゲシュタポを混ぜたような連中で、存在そのものが「悪」と切って捨てたくもなるのだが、それでも彼らの、人殺しの話を何故読んだり書いたりするのか、という問いは、ミステリ読者として見過ごしにはできないだろう。この問いに少なくとも「人殺しの話が好きだからではない」と作品そのもので返答しているように思えることを、まずは讃えたい。ミステリとしてはこれでもかの物理トリックが、別の途方もない仕掛けの伏線であることに感嘆。素晴らしい。
投稿日:2022.05.01
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