【感想】NHK「100分de名著」ブックス オルテガ 大衆の反逆 真のリベラルを取り戻せ

中島岳志 / NHK出版
(4件のレビュー)

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ブクログレビュー

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  • ピコ

    ピコ

    人間は正しさを所有することはできず、真理に通じているのではないか、という道を思想として語ることだけができる。だからこそ多数派こそが正しいという考えを疑う。ひとつの正解を皆で所有し、それに逆らう人間を処罰することの危うさ(スターリニズム、ファシズム)

    戦後日本は立憲主義よりも民主主義を優先させた。多数派に支持されているからこそ何でもして良いと考える政治家は少なくない(ほんとか?)p. 101

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    投稿日:2024.03.25

  • 観領

    観領

    オルテガの名著を、大衆、リベラル、生きている死者、保守という4つのキーワードで語る。
    未読の書物を、原著に当たらせたくさせる好著だ。

    オルテガのいう大衆とは、自分と異なる他者と共存しようとする冷静さ、寛容さという意味でのリベラリズムを欠くもののことである。その対極が貴族だ。
    そして大衆の原型が、専門家だという。

    保守とは、人間の理性には限界があり、理性と知性によって社会を設計するなどということは不可能だという認識を持ち、過去の人々、死者たちの叡智とともに生きようとする姿勢のことである。

    自我、私、自己責任などという観念が肥大した近代という時代の根源的な誤謬、近代が失ったものの本質を見事に剔出してみせたオルテガ。

    あらためて本邦の西部邁をはじめとした保守の論客から学ばねばならないと思いを定めさせられた。
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    投稿日:2023.10.13

  • Go Extreme

    Go Extreme

    はじめに オルテガと現代の共通点
    第1章 大衆の時代
    哲学者として評論家として
    「私は、私と私の環境である」
    人間に対する信頼
    身体の規律化と個性の剥奪
    専門家こそが大衆の原型

    第2章 リベラルであること
    保守こそがリベラルである
    リベラルの出発点
    敵とともに生きる
    パンを求めてパン屋を破壊
    超民主主義
    あるべき国家像

    第3章 死者の民主主義
    「生きている死者」の存在
    過去を無視すると、どうなるのか
    人は後ろ向きに未来へ入っていく
    歴史を知ることの意味
    平凡であることの非凡

    第4章 「保守」とは何か
    「保守思想の父」エドマンド・バーク
    「永遠の微調整」を続けよ
    懐疑することを会議しない
    疑いの先にある英知
    複数の共同体に関わる


    ブックス特別章1 他者との関係性を紡ぎ直すには
    ブックス特別章2 私たちの「民主主義」を機能させるために
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    投稿日:2022.05.16

  • ぽん

    ぽん

    真理は手に入らない、人間は不完全な存在であり常に自己懐疑的視点を持ち続ける。他人の意見に耳を傾け、自分と異なる考え方に対して寛容になり、合意形成を粘り強く模索する。何かと他人を論破してやろうとする今のご時世で、本書を何度も読み返し、常に自省を促していきたい。続きを読む

    投稿日:2022.03.19

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