【感想】八月のくず 平山夢明短編集

平山夢明 / 光文社
(8件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
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ブクログレビュー

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  • せみ

    せみ

    特に表題作が好きでした。
    内容はひっどいのに喩えや言い回しが面白くてすらすら読めました。短編はそれぞれ内容は繋がってないけれど共通の単語が出てくるところにニヤニヤしました。登場人物はどれも悪い意味で凄いがこんな話を楽しく読んでる自分も大概だなと思えました。続きを読む

    投稿日:2023.06.01

  • ao-neko

    ao-neko

    短編集。「異形コレクション」に掲載されたものが多いので、ホラー寄りかな。予想はしていたけれど、とにかく邪悪極まりない作品ばかり。装丁の爽やかさに騙されてはいけません。
    「異形コレクション」の分はだいたい読んでいるし、好きかな。どれもひどいけど(笑)。「祈り」と「箸魔」が特に好きな作品。とてつもない悪意にぞくりとさせられます。
    表題作「八月のくず」も凄まじいなあ。全然同情はできないのですが、このような状況に陥らされると思うと恐ろしくて仕方がありません。読んでいるほうも、どんどん不条理な世界に呑み込まれていく気がしました。
    続きを読む

    投稿日:2022.08.17

  • ゆう

    ゆう

    短編で読みやすく最初の「8月のくず」は本当に主人公がくずでしたが怪談のように展開していき主人公のラストが凄く「祈り」は生活に潜んでいる怖さです。平山さんがどこから発想がくるのか知りたくなります。

    投稿日:2022.08.08

  • mendako

    mendako

    青空に真っ白なシャツという爽やかな表紙に、手書き風のタイトル。
    まあ、クズと呼ばれるような人が時折見せる人間らしさ、みたいな話なんだろうか、と楽観的に読み始めた。

    しかしその中身は。
    中身は反吐が出るなんて言い方では物足りないほど!
    クズオブクズしか出てこない。
    ありとあらゆる種類の暴力、絶望。
    貧困や、老化、酒、薬、死、血、精神の崩壊、肉体の苦痛。

    正直何度もやめようかと思った。
    気持ちが悪い、怖い、そんな思いでいっぱいになる。
    なんてこった、本書の全て、全てだ!

    よくもこんなひどい話ばかり思いつけるものだ。
    著者の物語が好きな人には、「らしさ」が出ているのだろうし、好きな作品もきっと出てくるのだろう。
    ファンタジックさとエログロを混ぜたようなものが持ち味だとするのなら、きっと楽しめるのだろう。
    だけれども、わたしはこういう話は好きじゃない。
    多分これからも著者の作品は読むだろうけれど、今回はなかなかきつい読書体験だった。
    続きを読む

    投稿日:2022.01.30

  • towa

    towa

    読了2021.10.31
    初めて平山夢明さんの著作を読みました。
    衝撃。
    ホラーとスプラッタとSFとアウトローと不条理と…。
    一編ごとグロさに挫けかけても、すべて後味が爽快なんです。天才の所業だと思いました。続きを読む

    投稿日:2022.01.23

  • かえるのすみか

    かえるのすみか

    このレビューはネタバレを含みます

    10作品収録。どのページから読んでもグロい。精神的暴力の詰まった1冊。肉体的暴力描写も山盛り。この装丁はどういうつもりなのか。

     過去のアンソロジーからの物が多く、2007が最も古く2020のもある。

    八月のくず
     悲惨な境遇に酷薄な人格が遭遇して起きる犯罪の話を万華鏡のような果てしの無い怪談で落とす。悪が報いを受けてよかったと思う。
     いつか聞こえなくなる唄
    架空世界の格差社会で家畜と牧童のふれあいのお話…だと思うけど。
     幻画の女
    この作品がもっとも近作で、残念ながら最近の単行本に感じてきていた、変わってしまわれたなあというところが同じだ。(もちろん、この変化が進化の過程であるのかもしれないけど)ヤクザもの。何かのパロディなのかな。
     餌江。は怪談
    この作品集で一番好き。比較的ハッピーエンド。汚わいと純真の乱反射があって草間彌生「心中桜ヶ塚」を思い出した少女もの。ちょっと重なる。
     祈り
    あやしいのはあいつだな!と思ってたら当たった。ひたすら悲惨さを積み重ねてむちゃくちゃになり笑いさえ誘ってくる夢明マジック顕著。
     箸魔
    食人もの。初めから怖いがラストはとんでもなく怖いことになる。
     ふじみのちょんぼ
    失恋はつらいというお話という読後感。凄惨な暴力とびっくりするほどメルヘンな場面で落差に目眩を感じるほどだったのに最後は。
     0.04%
    酷薄な犯罪と吸血鬼。道具立てがエレガントでカッコいい。
     あるグレートマザーの告白
    毒母もの。搾取的な家族関係はこんなすさまじい暴力とかなくてもだいたいこんな仕組みだと思った。
     裏キオクストック発、最終便
    難解な未来SFもの。頭を使って理解しないと、と乗せられてるうちに、あー化かされてた!ということに気づかされる。ラストで全部わかって妙な爽快感が残る。愚かで残酷でトリにふさわしいスケール感でした。タイトルもすてきだ。

     

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    投稿日:2021.12.12

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