【感想】愛という名の支配(新潮文庫)

田嶋陽子 / 新潮文庫
(26件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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ブクログレビュー

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  • ms06f2

    ms06f2

    学術書でないからこそ伝わってくるものがありました
    顔と名前しか知らず著書を初めて読みましたが、自分の頭の中にあるイメージのようなものを、どうしてそう認識しているのかを立ち止まって考えてみる必要性をあらためて感じました続きを読む

    投稿日:2024.04.02

  • sor

    sor

    30年近い時の流れがあった筈なのに、まったく古さを感じないどころか、まさに今の世ではないのか、、?日本は前に進んでいないのか?と愕然とした。

    著者が心身を削られ続けた実体験から苦しみもがいて深く考察し、様々な人間関係や経験を経て、あまりにも身近過ぎる母娘の問題を俯瞰できた時、フェミニズムの普遍的かつ根源的な考えと社会の構造の問題に至ったのは、驚きと共に感慨深い。

    家族からの精神的な支配は、苦しく切なく絶望的だ。
    子供はそこから逃げられないのだから。

    この問題は、今も昔も、我々の足元にもあり、広く世界中にある。
    虐待や暴力や差別は連鎖していくのか。
    断ち切るには。

    ガレー船の例えはとても秀逸だ。
    音頭をとって洗脳してくる人、いる。

    三倍働いて、何倍もの成果を上げたならと、やっとの思いで甲板によじ登って、やっと同じスタートラインに立てる、かに見えるそんな世の中で、その後も手を踏まれたり頭を押さえ付けられたり引き摺り下ろされたりする。
    土俵に上がりさえすれば、同じ扱いをされるなんてのは幻想だ。スタートラインなぞ存在しない。
    疲れ果てて、擦り減って、絶望する。
    戦い続けるのは中々にしんどい。

    もう同じ土俵で戦わず、船を降りるか、船を壊すか、全員でボイコットか、漕いで前に進む(資本を拡大させ続ける)以外のルールを、、、いい方策がないものかと現実逃避で夢想する。
    (いや、船を降りて自由に泳ぐのは悪くないのだけど、問題解決はしていない。船のような環境が至る所にある限り逃がれられない。)

    退出するしかないのか。

    しかし、それでも、何度でも甲板に上がって、数を増やして、声を上げ続けなければ。
    ルールを変える為には、まずは現状のルールを超えていかねばならないのだろう。
    独立国家を樹立せずに、共生する限りは。

    疲れるし、疲れた、もう嫌だ、、、、
    それでも、やっぱり自立して、戦おう。何度でも。
    世の中を変えたい。次の世代のために。
    多くの先人が勝ち取ってきてくれたものをもっと良くしたい。
    私は好きな方角へ進みたい。
    皆が好きな方角に進んでほしい。
    そういう世にするために、まずは力を合わせたい。
    そう、全員が同じ方角を目指さなくてよい。
    と思えた読後。

    優しく鼓舞してくれる大先輩の愛に触れられる本だった。

    また、後半に語られる、これまでの日本のフェミニズムは別の思想に組み込まれて語られてきてしまったという指摘は興味深かった。
    私もフェミニズムはシンプルな人権思想でよいと思う。
    他の問題が合わさると、問題の本質がぼやけてしまう。

    著者のあとがきで、タイトルをどちらにするか迷われたという、もう一方のタイトル案は、まさしくこの世に蔓延る呪いであり、明確な支配だ。
    ゾッとするし、耳から離れない。
    力強く払い退けられる腕力と、軽々と逃げられる脚力と、流されてしまわずに「世の中を変えるのだ」という強い意志を持ち続けたい。

    「小さく小さく女になあれ」
    続きを読む

    投稿日:2023.04.10

  • ラララライブラリ

    ラララライブラリ

    フェミニズム入門にぴったりの一冊。フェミニズムに合わせて窮屈に生きるのではなく、自由に生きる術としてフェミニズムを使いなさい、と書いてあり、心強い。

    30年ほど前に書かれたものなのに全く古びてない。それだけ文化の中にある差別が変わってないということなのだけど、これから自分由来でないしんどさに出合ったとき、お守りとしてくり返し読みたい。続きを読む

    投稿日:2023.03.27

  • チムチム

    チムチム

    本書の中で何度も涙が出て来ました。
     茶碗を洗いながら女であることを泣いていた田嶋先生の母の件。「どうしてお母さんだけが朝昼晩、茶碗のお尻撫でていなきゃいけないの?」。これは完全に人権侵害ではないでしょうか。能力のある女性の言動が抑圧されている。ここから派生すれば現代においても会社で女性はお茶くみ、掃除、電話取り、家庭では共働きであっても女性が家事育児、介護をさせられている場合が殆ど。恐らく多くの女性はおかしいと思っているが異を唱えられない現状。それを見て見ぬふりをしている男性達。面倒な事はやりたくないから知らんぷり。現在の特権的地位を絶対に譲りたくない。なので権利の平等を唱える女性達の魔女狩りすら行う。男性陣に言いたい。あなた達が女性だったらどうですか?想像してみて!男性の方が優秀と自負するのなら余計その事に気付いて下さい。in her shoes!
     家事、育児、介護等、女性達が無償で与えてる家事労働を母性とか愛情だとかいう言葉に置き換えて女性を家事労働にしばりつけ女性の人権をないがしろにする時代はもう終わりにして欲しい、自分達の都合の良いように女性を扱わないで!女性はあなた達と同じ知能レベルです!誰かが我慢を強いられている状況にあなたは満足ですか?それを感じないのであればあなたは女性を同じ目線で見ていない証拠です。生殺与奪を握られている男性に目をつけられないようにしたたかに生きているだけ!全員ではないけれど自分達の傲慢さに気付いてください。性別が無いとしたらどうですか?(現にグラデーションがかかっており無いも同然。)
     筋力的な力の強弱はそれはあります。それは適材適所と考えるべきではありませんか?詳細はここでは語りません。(力の弱い女性は常に獲物になりがちです)
     昔からテレビで田嶋先生は一人でおじさん相手に闘っているのをずっと視てきました。あれはテレビ局の男性スタッフと共演者のイジメでしょう。それを男視点で捉えてしまう多くの女性視聴者(杉田水脈病)、共演者達。勝ち馬に乗っかっていれば自分は安全地帯にいられる。苛められたくない。そういう気持でしょう。
     それ位田嶋先生は孤立無援でした。それでも田嶋先生は絶対負けない。たまに収録中に怒って帰ってしまう事もありました。その頑張りをずっと視てきたので田嶋先生のこの著作を涙無くして読み終えることが出来ませんでした。田嶋先生を抱きしめてあげたい。書評の山内マリコ氏も同じ事を感じていたんだ、仲間がいた、と嬉しくなりました。
     先生の言うとおり、女性を一人の人間として扱ってくれ、という女性達の魂の叫びに皆に気付いて欲しい。
     そして自分の書評を何度も見直して感じたことはやはり女性差別は現存する。フェミニズムは男女平等論ではなくて女性差別撤廃論である、と。
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    投稿日:2022.12.11

  • 四木

    四木

    基本的にはこの人なりの経験と考えの話。
    個人的なものを、主語を大きくしてまわりに押し付けてしまう(ように見える)のはどうなのかなぁ……とおもってしまいました。

    この人の考え方を知るために、先ず第六章を読んだほうがいいかもしれません。

    男性に対することばが強すぎてこわいです。
    本来ことばを届けたいはずの女性であるわたしでさえも、びっくりしてしまいました。正しく伝わらない気がしてしまって、少し残念です。

    ただ、当たり前に受け入れてしまっているあれこれを、改めて考えるきっかけにはなりそうです。


    (以下、読みながら綴った感想)


    2022/10/05 p.3-55

    p.3
    “十八歳で東京に出て親元を離れてからも、私は母の見えない糸で支配されつづけていた。”
    わたしも、親から離れてなお、親から言われたことを思い出してしまいます。つらいです。もう気にしなくていいはずなのに……。

    p.3
    “どうしてこんなに生きづらいんだろう、きっと私が人間として未熟だからなんだ、と苦しみつづけた。”
    わぁ……わたしもそうおもっていました。ずっと。自分はだめなやつなんだ、と。

    p.4
    “私は救われた。長い時間がかかった。”
    救われた、と感じてよかったです。素晴らしいです。
    本当に……時間がかかりますよねえ。苦しんだ時間が長いほど、自分の思考はなかなか変えられません。

    p.4
    “私を苦しめていた母も、その母から苦しめられていたことがわかった。”
    苦しみは継承してはいけません。断ち切らないと……。

    p.5
    “まず知ること、それこそが、救われるための第一歩だと思う。”
    そうですね。
    言語化して、あらゆることを見つめ直したら、少し楽になりました。知ること、自覚して考え直すことは大切です。

    p.22
    “自分を傷つけるものはイヤだときっぱり拒否できる力が、まだ残っていた”
    凄いです……。きちんと、嫌なものは嫌とおもうし、行動できるのですね。
    わたしは耐えることばかり選んでしまっていました。

    p.23
    “子どもは親から逃げられないしくみになっているんです。ですから、親はそこにつけこもうと思えば、いくらでもつけこめるということです。”
    悲しいことに、親たちは逃げる方法を知っているし、逃げる力もあるから、嫌なら逃げたらいいとおもってしまいます。子どもたちが逃げられないことを忘れている気がします。

    p.25
    “おこって熱を出したりして、からだにさわります。ですから、私は逃げてはいけなかったのです。”
    逃げられない状況はつらすぎます……。

    p.25
    “こうして一挙手一投足に文句をつけられました。それをやられつづけていくと、私は自意識過剰になって、なにもできなくなる。”
    当たり前です。何もかも間違っているかもしれない、とこわくなります……。そんなの、しつけではありません。

    p.27
    “しつけの名に隠されたいじめ。当時、そんなふうに距離をおいてものごとを見ることはできませんでした。いじめだなんて夢にも思いませんでした。”
    (中略)
    “みんな自分が悪いからだと思っていました。”
    つらい……。つらすぎます。
    子どもの頃は気持ちを言語化できず、冷静に見つめることができず、ただただ自分を責めてばかりでした。なので、こういう思考ルートになってしまうのは、親近感を抱きます。

    p.32
    “あるがままの私なんてなんの価値もない。”
    自分に価値がない、むしろ害があるとおもっていました。自分さえいなければよかったのに、と。
    「そのままのあなたでいい」と言ってもらえたのは今年です。そう言ってくださる方と出会えて、本当によかったです。しあわせです。
    自分は自分だから、良くないんだと否定ばかりしていた過去のわたしも含めて、抱きしめてもらったような気持ちになりました。

    p.34
    “なぜ自分をやさしく愛してくれないのか。なぜ自分の気持ちをわかってくれないのか。”
    (中略)
    “こちらには伝えたい思いがいっぱいあるのに、親は聞いてくれない。”
    だから、伝えることをあきらめてしまいました。自分のことばが届かないなら、もういい……。悲しかったです。
    でもその悲しさすら、よくわかっていませんでした。

    p.34
    “私は十代のころからキリスト教に興味をもち、二十代から三十代にかけて、キリスト教徒になろうかどうしようか悩んだことがあります。”
    へえ。そうなのですね。
    結局、キリスト教徒にはなっていないのでしょうか?


    2022/10/09 p.55-114

    p.56〜
    “いまでも男の人が、小柄でほっそりした、髪の毛の長い女の人を見ると、胸のあたりがキュンとしたりするのも、”
    (中略)
    “掠奪の快感が遺伝子のなかに記憶として組みこまれているせいかもしれませんね。”
    それはどうなのでしょう……? 考えすぎでは……?
    体重が軽いほうがいいなら、胸が大きい女性がすきな方はどうなのですか?
    このみは人それぞれでしょう。

    p.67
    “愛のあるなしだけでものを考えていると、ものの実体が見えにくくなるということです。”
    この方、男と女の話になると途端に極端なことを言い始めますね……。
    それはともかく。この部分には同意します。彼女の意図とは違うのでしょうけれど。すきだから、と相手に合わせすぎてしまう友人を思い出しました。

    p.69
    “男はなにかといえば、「だれが養ってやってるんだ!」と言って怒ったりどなったりしますが、”
    ……実父がそんな人でした。厭になります。

    p.72
    “考えてみると、名まえが変わるって、こわいことです。自分がちがう自分になることですから。”
    うーん……それはこわいとはおもわないです。むしろ名前に縛られたくないです。すきな名前を名乗れるようになったらいいのに、とおもいます。
    本名よりあだ名のほうがすきな人間もいるのですよ、世の中には。

    p.75
    “女は、自分も女なのに、女の子より男の子をほしがります。”
    人によります。決めつけないでください。


    2022/11/13 p.114-最後

    p.124
    “ですから、たけしさんの発言もまた、鋭い現状分析だと言えます。”
    へえ。怒りまくっているのかと思いきや、それはそれとして受け止めているのですね。

    p.127
    “極端な言い方であることは承知で言いますが、”
    はい、極端です。

    p.129
    “思いきってペニスを使わないで二時間、思うぞんぶん相手を愛してみたらどうでしょう。”
    それはちょっと、興味があります。

    p.129
    “年をとってペニスが立たなくなると、「“男”でなくなった」と思い、まるで人格喪失したかのようにだらしなくなります。”
    男性だろうとそうでなかろうと、その人はその人なのに。中身を見ていたら、外側なんて関係ないと思ってしまいますけれどね。まぁでも、それは恋愛関係ではないから、そう思うのでしょうか……。

    p.138
    “同時にそんなすばらしい女を惚(ほ)れさせた作家の自慢話だとも言えます。”
    そう捉えたことはありませんでした……。穿った見方では? と言われても仕方ないと思いますけれど。

    p.140
    “妻とのあいだに愛がなくなっても、家事労働と子育てだけを不払いでやってくれさえすれば、それでよかったわけです。愛はほかで求めればいいからです。”
    そんなの、金を出して専門家を頼ったほうがきれいになるのに、と思ってしまいます。けれどお金を払いたくないのでしょうね。
    愛だけ求める関係なら気楽です。その場だけ仲良く過ごせばいいのですから。常にご機嫌でいなければならないってわけではないのですから。そりゃ愛人のほうが居心地がいいでしょうよ。一緒に暮らし始めたら、絶対変わりますけれど。

    まぁ、こうやって見ると、田嶋さんのご主張もわかります。わたしも、頭ごなしに反対したいわけではありません。
    ただ、時々物言いがあまりにも攻撃的なのでは……とハラハラしてしまいます。本当にことばを届けたい方にも届かなくなってしまいそうです。

    p.149
    “だれかラグビー邸にやってくる客人と浮気をして子どもを産んでくれないかと言います。”
    最低……。そこまでして、どうして子どもがほしいのですか。妻も子どもも、物ではありません。

    p.158
    “「男らしさ」という画一的な社会規範ではなくて、「自分らしさ」という、より自由な状態に移行しつつあるのではないか。”
    確かに。それはそうかもしれません。
    とてもマイペースに暮らしている恋人を見て、そう感じます。

    p.162
    “自分育てを忘れてしまっている人ほど、相手を過剰に支配してしまっても不思議はないのです。”
    そうですね。母は、「自分」のために生きていないな、と感じました。

    p.163
    “この報復の環(わ)は、やっぱり、意識的に、知的に断ち切るべきなのです。”
    はい。それには心から同意します。
    自分は大丈夫だなんて思えません。子どもを産まないことこそ、まだ見ぬ我が子への愛情だと、わたしは捉えています。

    p.168
    “子どもをほうっておけない、やたらに心配する。自分が信じられないから子どもも信じられない。”
    いつまでも、何もできない子どもだと思い込んでいます。そんな母親たちは。
    そんなことないのに。子どもたちだって、さまざまな経験を通して、自分なりの考えを持っています。
    ひとりで生きられます。ひとりが無理なら、誰かを頼ることもできます。大丈夫です。母が心配するほど、子は「小さな子ども」ではありません。

    p.174
    “恋愛で相手を選ぶ場合も、無意識のうちにその目的にふさわしい相手を選んでいるのかもしれません。”
    それは、あなたはそうだった、という話ですね。

    p.184
    “母に対して反対意見を言うときには、まず涙ぐんでしまう。先に感情が出てしまって、ものが言えなくなるのです。”
    わたしは、父に対してそうです。泣きたくないのに、涙が出てきます。

    p.187
    “不幸にならざるをえないようなパターンを生きてしまっている人がいます。いちど捨てられて、つぎに男を替えても、またおなじタイプの男を選んで、その結果、おなじたぐいの不幸を繰り返してしまう。”
    友人がまさにそんな人です。ふしぎです。
    彼女には、心からしあわせになってほしいのに。

    p.197
    “私のフェミニズムは、私のフェミニズムです。そう、田嶋陽子のフェミニズムでしかありません。”
    それを理解してらっしゃるのですね。
    少々他者に押し付けているように感じてしまう文章であることが、もったいないなぁと感じます。あくまで、この人の話で、この人なりの向き合い方なのですから。

    p.201
    “いまあなたが悩んでいるのはあなただけの責任ではない。”
    このことばは、覚えていてもいいかもしれません。
    あなたは悪くありません。

    p.212
    “子どもだって大きくなったら、だんだんヘンな気持ちになるでしょう。自分がいちばん愛して大事に思っている人が、お父さんよりランクが下で、しかも、自分ならしたくないことを毎日しているのを見ているわけですから。”
    絶対こうはなりたくないし、なれないとも思いました。
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    投稿日:2022.11.20

  • 屑鉄汚

    屑鉄汚


    田嶋陽子の、女性の人権、男社会の分析、について、気になること。
    日本だけが歴史的に男女差別社会で女性だけが性搾取されてきた「アナ」(田嶋陽子自身の言葉)でタダ働きさせられてそれで潤ってきた、という論理。この日本だけという印象を与える手法がどうにも共感を持てない点になっている。
    その一方、最近の著書は欧米の映画の悲劇のヒロインに着目してなにか語っているようだが、そこまで言って委員会では結局日本批判になっていた。

    一部を取り上げてそれがすべてのように語るやり方は学者としては納得しかねる。

    日本は倒幕後の太政官政府の発表で、婚姻はこれまで通り男女別姓を名乗るべし、となっていたところ、近代国家建設のためには女性の人権が守られなければならないから婚姻は男女同姓にすべしと改められた経緯を知らないのだろうか?その時代欧米ではどうであったか知らないのであろうか?
    もちろんその明治初めの男女同姓の件のみで日本は男女平等になった、などとは到底主張できない。しかしすくなくとも日本だけが先進国の中でも男女平等が遅れていた、などということはない。
    ただ現在は遅れているのもまた事実。
    問題の分析はなぜそれが遅れているのか、特に戦後の男女平等の取り組みに問題があるのでは、とそこに焦点を当てるべきじゃないのか?
    田嶋の男社会理論は妄想、捏造に近いと思われてならない。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    たまたま観たテレビ番組「そこまで言って委員会」のなかで田嶋さんが女性の社会進出について、議員や会社役員や大学教授など、男女の比を同じにしないといけないという主張をしていて、その理由がとても素晴らしく納得の行く説明であったのを覚えている。しかし詳細を忘れてしまった。

    これまで男女平等についてよく理解できておらず、よくわからない部分が多く、田島さんの本を読めば何か得られるだろう、大学の先生だし、テレビでは「男社会オトコ社会おとこぉ〜〜わおぉ〜〜〜」と吠えてるけれども、それはテレビの演出で、本なら科学的な論理的な分析が得られるものと思って期待をして本書を購入した。

    とても読めるものではなかった。未だ半分までしか読めておらず、これを読む苦痛は相当忍耐を要する。

    新潟の生まれ育った家、とくに田嶋さんの母親のことを例に出し、それがさも日本全国全ての家庭で女が虐げられていた、という非科学的な論理が根底にあって、恨み節ばかりの前半で読んでいて気持ち悪くなった。
    およそ大学の先生とは思えない論理で、後半から整理されてくるのか、そうゆう期待さえ失ってしまった。

    田嶋さんの新潟の家庭は酷かったんだね、私の家は違いますけど、というつまんない感想しか出てこない。

    男女平等、女性の社会進出に対する反感を煽る言動著述にしかなっていない。

    ま、しかし、議員や役員などの数を男女同じ数にする、それについてはそんなことが男女平等なのか?男性蔑視じゃないのかと懐疑的だったところから、全く納得して賛成に変わったのは事実。

    きちんと反省して知識人らしく女性の地位向上に向けて働くべきだよ、田嶋さん。


    新潟といえば田中角栄。
    新潟の歴史的な貧しさは新潟人の骨身にしみているのだろう。それがドケチさに顕れ、旅行に行くと彼らの賤しさに辟易とするくらいだ。
    新潟では宿を取らない。これが私のルール。理由は簡単、彼らは旅行者を見ると金をばら撒くお大臣としか思ってない、そんなのにしか出くわさなかったからだ。君子危うきに近寄らず。一事が万事と非科学的な判断が我が身を守る。我が身を守るには非科学的だろうと非論理的だろうと何でも良いのだ。
    その土地柄県民性を田中角栄はよく理解していた。そしてその貧しさの原因が川であると考えていた。
    その貧しさを脱するにはまず川に悩まされない道路を作らなければならない。そうしなければ新潟は豊かにならない。田中角栄はそのためにおのれの政治家人生をすべてつぎ込んだのではないか。
    新潟に行くと地べたを走らない、川をまたぐ大きな道路が縦横無尽に走っている。今でも田中角栄の恩恵を感じられる。

    田嶋陽子の家も相当貧しかったのだろう。
    続きを読む

    投稿日:2022.11.18

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