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小白井亮一 / 草思社 (3件のレビュー)
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bookrouge1010
こんな本ないかな。と、思っていると。 地質の本はなかなか手強いか、簡単なもの。 この本は、初級から中級まで、楽しめる。 よく出来た本。 続編で、更に幅広く、専門用語を幅広く図解した本を出してほし…いと思う。続きを読む
投稿日:2023.01.21
たまぞう
【まとめ】 ●露頭の見方 = 離れて見る、割れ目に注目、周囲を見渡す、方向を変えて見る、化石を探す、基礎知識が大事 ●地質学の基礎 = 地層累重の法則、地層同定の法則、放射壊変の法則 ●日本列島の地層…を理解するにはプレートテクトニクスと付加体の知識が欠かせない 【感想】 写真や図が多く説明もわかりやすい。とくに数万枚も撮りためた中から200枚を厳選したという写真はどれも美しく、著者の石好きっぷりに脱帽かつ羨望。思い出話や脱線をまじえつつ進むので、教科書としてより読み物として楽しんだ。巡検欲をそそる一冊。 【ノーツ】 ・日本列島は地質学的にとてもおもしろい場所 ●地層の基礎知識 ・露頭 ≡ 地下の様子を観察できる崖・河床など ・巡検 ≡ 地質や地形の見学旅行 ・見かけの水平(地層の走行)と本当の傾き(地層の傾斜) ・地層累重の法則 ≡ 一連の積み重なった地層のうち下にあるものほど古く、上にあるものほど新しい (by ニコラス・ステノ) ・級化構造 ≡ 粒径の大きなものから沈む → 地層の上下判定に使える(※たまに逆級化構造もある) ・層理(層を成す構造) ・葉理(ラミナ、単層のなかの細かい縞々)= 平行葉理 + 斜交葉理(クロスラミナ) ・漣痕(リップルマーク) ・年縞 ≡ 1年間に堆積した明暗の地層のペア = 時代の目盛(福井/水月湖) ・ジェームズ・ハットン = 不整合を発見、斉一説 ・斉一説 ≡ 侵食や隆起など現在の地球上で少しずつ作用している現象によって、過去に起きた地表の変化を説明する(「現在は過去を解く鍵である」) ・前原の不整合(秩父盆地)= 日本列島の歴史をものがたる不整合 ●地層をつくる岩石 ・岩石 = 火成岩(火山岩、深成岩)+堆積岩(砕屑岩、生物岩、化学岩)+変成岩(広域変成岩、接触変成岩) ・火山岩 = 斑状組織(斑晶+石基←地表近くで急速に冷える)、化学組成(SiO2)で分類 ・深成岩 = 等粒状組織(←地下でゆっくり冷える)、構成鉱物の量比で分類 ・続成作用 ≡ 砂や泥などの堆積物が固結して岩石になる一連の作用 = 圧密作用、セメント化作用など ・砕屑岩 = 礫岩、砂岩、泥岩・頁岩 ・生物岩 = 石灰岩、チャート ・化学岩 = 蒸発岩、一部の石灰岩・チャート ・変成作用 ≡ 地下深くやマグマ近傍にある既存の岩石(火成岩、堆積岩、変成岩)を、ほぼ固体のまま別の岩石に変化させる作用 ・凝灰岩(火山砕屑岩)の位置づけは?火山岩or堆積岩? → 火成岩、堆積岩、火山砕屑岩、変成岩 ・インプリケーション(覆瓦構造)≡ 水流のある場所で礫がなるべく水の抵抗を受けない方向に並んでできる(上流から見た場合と下流から見た場合で印象が変わる) ・偽礫(同時代の堆積物)↔本物の礫(礫岩の形成よりも古い) ・珪化木 ≡ 材の化石 ・砂岩泥岩互層 ← タービダイト ・タービダイト ≡ 混濁流によって運ばれた砂や泥の堆積物 ・スレーキング ≡ 泥岩などが風化(乾燥と湿潤の繰り返し)で著しく細片化する現象 → グサグサ、地すべり・斜面崩壊の原因になることも ・赤坂(金生山、岐阜/大垣)= 日本の古生物学発祥の地(←1874. ドイツのギュムベルが赤坂石灰岩のフズリナ類をシュードフズリナ・ジャポニカと命名、日本産の化石に関する初めての記載) ・南部北上帯 = 付加体と異なり整然とした地層 ・火山砕屑岩 = 火山灰(-2mm)・火山礫(2-64mm)・火山岩塊(64mm-)の量比にもとづく(凝灰岩、火山礫凝灰岩、凝灰角礫岩、火山角礫岩) ・火山砕屑物 = 軽石(多孔質で淡色←安山岩質・流紋岩質マグマ)、スコリア(多孔質で黒色・暗褐色←玄武岩質マグマ) ・地層の対比 ≡ 離れた場所での地層どうしの関係(同時代性、新旧)を調べること → 鍵層を利用 ・凝灰岩といえば大谷石(栃木/宇都宮) ・グリーンタフ = [広義]緑色凝灰岩、[狭義]北海道西部から本州日本海側に分布する新第三紀中新世の火山砕屑岩で緑色系に変色したもの ●地層と化石 ・化石とは? → 意外に定義しづらい ・化石 ≡ 生物の発展史を明らかにする証拠 ・化石による地層同定の法則 ≡ ひとつの地層にはそれに特有な化石が含まれ、これにより上下の地層と区別できる(by ウィリアム・スミス) ・生層序学 ・示準化石(→地層年代を特定、離れた地層どうしを比較)、示相化石(→地層の堆積環境を特定) ・地質時代の区分 = ①地層(下部ジュラ系)→②時間(前期ジュラ紀) ・地質時代 = 先カンブリア時代+顕生累代(古生代=カオシデ石ペ、中生代=三ジュ白、新生代=古第三紀・新第三紀・第四紀) ・相対年代と絶対年代 ・年代測定法 = K-Ar法、炭素14法(14C法)、U-Pb法、Rb-Sr法 ・フィッション・トラック法 ≡ 岩石中のウランが核分裂する際に鉱物やガラスに残る、核分裂片の通過した跡(トラック)の数などから年代を測定(→火山灰層などの年代決定) ・チバニアン: ①GSSP(global boundary stratotype sections and point、国際境界模式層断面とポイント)≡ 地質年代の境界について国際的な基準となる地層と地点 ②M-B境界(Matuyama-Brunhe 境界)≡ 松山逆磁極期とブルン正磁極期の境界 = 77万年前 ③Byk-E テフラ = 白尾(びゃくび)火山灰層(←古期御嶽火山) ・U-Pb法により白尾火山灰層の年代を精密測定 → 目に見えない堆積残留磁気の記録(=M-B境界=チバニアン)を見える化 → 白尾火山灰層の下底から上がチバニアン、M-B境界は白尾火山灰層の1mほど上 ・化石: 現地性(生息地で化石化)↔ 異地性(生息地から離れた場所に運搬されたのち化石化) ・タカハシホタテ(後期中新世〜前期更新世)= 成長前期は遊泳型→成長後期は横臥型(ふくらんだ殻が下) ・一般に、運動しない動物の筋肉よりも運動をした動物の筋肉のほうが美味 → タカハシホタテはきっとまずい ・甌穴(おうけつ)≡ 岩のくぼみや割れ目に小石が入って回転し、岩が深く削られてできた、ほぼ円形の穴 ●プレートテクトニクスと地層 ・VLBI(very-long-baseline interferometry、超長基線電波干渉法)≡ 準星(quasar)からの電波を利用して、数千kmの長距離を数mmの誤差で計測する技術(茨城/石岡に国土地理院のVLBIアンテナ) ・付加体 ← 剥ぎ取り+底付け(+順序外スラスト) ・海洋プレートに乗って運ばれてきた砂・泥、チャート、海山(玄武岩)および付随の石灰岩などが、大陸プレートに付け加わる続きを読む
投稿日:2022.06.25
bukurose
表紙は沖縄県名護市のバン崎。 斜めと水平の層になった岩石。みごとだ。遠い昔、ものすごい力が加わったんだろうなあ、と圧倒される。本文ページにはもっとすごいS字型の曲がりが載っている。 砂岩泥岩互層からな…る岩石海岸。嘉陽層(古第三紀始新生の中期、およそ5000万年~4000万年前) 著者の小白井氏が永年撮りためた数万枚の写真から200枚を選んだ。石を採ること、地層を撮ることが趣味だったとある。この前書きを読んでページをめくると、日本各地、小白井氏が、あ、これすごい、と思った、その思いが伝わる。地層がダイナミックに主張している、という気がする。 趣味とはいいながら本職は国土地理院の測量・地図作成というだけあって、地層の説明も本格的、なのだが、写真で日本各地の地層を楽しんだ。 行ってみたい場所は、宮崎県。「高千穂峡」、「日南海岸、青島」 あと福井県高浜町の海岸、難波江(なばえ)層群。これが黒い岩に茶色の太い別な岩石が筋状に3本入っている写真が載っている。厚い泥岩(粘板岩)の層に挟まれた砂岩の層とある。 著者の小白井亮一氏は国土地理院で測量・地図作成や災害対策業務に携わった。2021年3月退職。 1960年生。1986年3月千葉大学大学院地理学研究科(地学専攻)修了。 2021.11.4第1刷 図書館続きを読む
投稿日:2021.12.13
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