【感想】裏世界ピクニック7 月の葬送

宮澤伊織 / ハヤカワ文庫JA
(14件のレビュー)

総合評価:

平均 4.7
9
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ブクログレビュー

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  • グゥ

    グゥ

    第7巻。今回は怪談をテーマに文化人類学の考え方や、閏間冴月との直接対決、裏世界の干渉方法の変化、空魚、鳥子、るなの能力が裏世界に及ぼす影響の推測、冴月に対する皆の感情、色々なことが一気に盛り込まれていたようで非常に読み応えがあった。物語の中ではちょうど1年くらいになるようだが、主要人物たちの大きな転機になる出来事を存分に堪能した。

    「怪異に関する中間発表」
    小桜が霞を引き取ることを決意した翌々日、空魚はゼミの帰りに初めて裏世界のゲートを見つけた廃屋に向かう。そこにはすでにゲートは無くなっていたが、閏間冴月が目の前に現れる。

    「トイレット・ペーパームーン」
    閏間冴月がアルファ・フィメールであることを思い知らされた空魚は裏世界へと誘われる。難を逃れた空魚は鳥子と一周年記念日を祝うべくホテルディナーへ行き、冴月との関係を断ち切る相談をする。

    「月の葬送」
    空魚、鳥子、小桜、るなの4人は冴月の葬式を実行するため裏世界へと向かう。予期せず裏世界からの干渉を受け、そこには冴月の葬儀場が用意されていた。4人はどうにか冴月を祓おうとする。

    今まで明確には描かれているこなかった冴月の存在について明かされる。ここまで読み進めてくるとさすがに冴月はすでに人間ではないと思いつつも、どこか人間としての部分だか形だかをとって(第四種接触者のような)DS研などに収容される進展もあり得るかなと想像していたが、そうはならなかったようだ。冴月が裏世界に求めたものが何か明らかになり、裏世界の中でどうなっているのか明かされる。それを踏まえて今までの干渉や今回の干渉を想像すると、とても正気でいられる気がしない。冴月を思う皆の気持ちが、冴月の人間らしさを浮かび上がらせるのがなんだか皮肉めいているようにも感じる。空魚と鳥子の惜別の言葉と小桜の感傷の情、どちらもとても良かった。
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    投稿日:2023.10.07

  • ocean@読書垢

    ocean@読書垢

    明確な脅威として存在し続けてきた閏間冴月とついに決着。実際は閏間冴月本人とではなく、冴月の姿を取った裏世界の一端とではあるが、これは初めて裏世界に対して先制攻撃ができたのではないか?何やら綺麗な終わり方だが、まだまだ明らかになっていないことも多いし、紙魚と鳥子のこれからも気になる。続きを読む

    投稿日:2023.02.26

  • kun92

    kun92

    ラスボスですらなかったようだが、一応重要登場現象についてケリはついた。

    テーマをちらつかせながら、間延びする。日本人てのは、日常感がないと、続けられないのか。続ける必要があるのか。連載だから?
    色々考えさせられる。面白いのは面白いんだけど。

    この先どうなるんだろうかね。

    図書館在庫分追いついた。当分保留か。
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    投稿日:2023.02.21

  • 風見鶏

    風見鶏

    閏間冴月との決着(?)をつける巻。
    月の葬列の名の通り葬式をする話なんだが普通の葬式で終わるはずもない。ネットロアとか都市伝説とか怪談話を下敷きにして襲ってくるへんなものたちと戦う手段がこっちもこっくりさんで無理矢理名前をつけるとかそういうネットロアとかオカルトに頼っているのがおもしろい。いつもは銃とかで立ち向かうけど今回はまたべつの手段が示された巻だとおもった。
    閏間冴月は人間であった頃から人でなしで謎の、多分危険な類いの人物だったけれど、小桜とかにとっては友人だったし鳥子は憧れていた。
    人間の強い感情や何でもない美しい思い出は美化もされるし永遠にそこから消えやしないと思っているので、二人にとってこの葬式は悲しいとも切ないとも違う複雑な感情だったんだろうなと思う。
    小桜が最後に空魚に言った一言がその感情を圧し殺したもののすべてだったのだと思うとちょっと切ない。

    それはそうと、「お山」とかまた気になるワードが出てきたし、閏間冴月はひとまずの区切りを迎えたけれど空魚のことはまだ何も明かされてはいないので今後も気になる展開。でもとりあえず一区切りって感じもある。

    あと地味にるなちゃん好きなので出て来てくれてよかった。敵ではないが味方ではない感じでこれからもちょいちょい出て来てほしい。
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    投稿日:2022.10.11

  • keixinhu

    keixinhu

    閏間冴月。
    鳥子の探してる人であり、小桜の友人であり、茜理の家庭教師であり、るなの崇拝する人。それが現実世界で空魚に接触してくるようになったため祓う事を決意する。しかし、既に裏世界の一部である冴月を祓うにはどうすれば良いのか?空魚は葬式をする事を提案して。
    面白い。会話やテンポが良く楽しく読める。ネットロアを文化人類学と絡めてるのは興味深い。
    この後の展開がどうするのかわからないが、まだ読みたい。
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    投稿日:2022.07.14

  • ヒュナ

    ヒュナ

    このレビューはネタバレを含みます

    シリーズ第7弾!
    1巻からの宿敵、閏間冴月
    閏間冴月vs空魚、鳥子、小桜、潤巳
    4人での弔い、お葬式
    今巻は怖さよりも、切なく、そして清々しく開放された感じがする
    それぞれの閏間冴月への想いを抱えて裏世界へ!
    潤巳ちゃん……倒れちゃうなんて最後まで何か可哀想…残念な子?に感じてしまう苦笑
    空魚ちゃん、人間に興味無いと言いつつ凄く人間らしく成長しているなって、良い方に変わってきてるなってとても思う
    閏間冴月という人間との決別後、どんな物語が展開されていくのか気になってしょうがない

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    投稿日:2022.05.05

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