【感想】今よみがえる丸山眞男

冨田宏治, 北畑淳也 / あけび書房
(2件のレビュー)

総合評価:

平均 3.0
0
0
1
0
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • koochann

    koochann

    丸山眞男の孫弟子(田口富久治の弟子)を自称する冨田氏と「哲学的YouTuberじゅんちゃん」の対談及び淳ちゃんの書下し文。淳ちゃんのバックボーンが良く分かった。近代主義者との批判もあった丸山の現代的な意味、今、政治無関心層が増え、形態としては民主主義でありながら、実際には独裁主義国家の様相を示している日本(ロシアではなく、日本!)の問題点を丸山の著作から探る。「既成事実への屈服」が、「結局においてそれを是認する根拠となる無責任さ」というのは日本の戦争指導者の態度でもあり、又、私自身も自戒すべき!次の一文は心に刻みたい言葉。
    「この政治的無関心が膨大になり、そのまま行けば、現状の支配層にとって有利な社会的 仕組みを変更する可能性は潰える。「政治的無関心」では、政治的には保守的に作用せざるをえない、まさに無関心は価値中立ではないということを教えてくれる良い言葉。では、無関心が社会全体で大きくなった結末はどうなる?ファシズムにつながりうるということ。我々は昔のヒトラーの演説に熱狂するドイツの映像を前にして、演説家による宣伝を警戒しなければとなりがちで、煽動を警戒することも重要なのですが、その前段階ですでに勝負がついている可能性が ある。大規模な演説集会をする前には、徹底的に政治に対する無力感や絶望感があるという丸山の指摘を繰り返し反芻する必要がある。」
    なお、丸山と網野義彦を対極として一国史的な日本論、と伏線的な日本史像と表現する部分は私には想定外だったが、成程。
    続きを読む

    投稿日:2022.08.16

  • Go Extreme

    Go Extreme

    第1部  丸山眞男入門 「開かれた社会」への政治思想
      第1章 丸山眞男を少しだけ 「超国家主義の論理と心理」とその後
      第2章 丸山眞男をもう少し 「開国」論から「古層=執拗低音」論へ
      第3章 丸山眞男をあと少し 「古層」を突き抜け「もうひとつの主体」へ
    第2部 丸山眞男の作品で現代を読み解く
      第1章 無責任、無計画、不合理 ―『軍国支配者の精神形態』
      第2章 なぜ政治は変わらないのか? ―『政治的無関心』
      第3章 陰謀論はなぜ流行るのか? ―『政治的判断』
      第4章 戦後日本の思考停止の起源 ―『忠誠と反逆』
      第5章 政治との関わりで最も重要なこととは何か? ―『現代における人間と政治』
      第6章 これからの時代を見定めるための3つのキーワード―『現代文明と政治の動向』
    続きを読む

    投稿日:2022.01.18

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。