【感想】ドラゴンランス レイストリン戦記2 魂の剣〈下〉

マーガレット・ワイス, 安田均, 石口聖子 / KADOKAWA
(4件のレビュー)

総合評価:

平均 4.5
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ブクログレビュー

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  • ただ

    ただ

     『ドラゴンランス戦記』以前の、若かりし魔道士「レイストリン」の人生を綴った物語で、すんなり『大審問』に話が行くのかと思ったら、その前のランスの仲間たちによる(しかもキティアラが同行)、ヘイヴン行が思いの外、面白かった。

     このヘイヴン行は、当時まだドラゴン軍が台頭していなかった時代でもあったことから、冒険ごっこにならざるを得ない面白さもありながら、その後、結果的に大冒険となる展開も巧みで、しかもそれぞれのキャラクターの特性をちゃんと活かしたものになっており、それは、スタームの騎士道に則った周りに影響されない勇気ある行動や、キティアラの如何にもな行動指針に、フリントの言葉の裏に潜む優しさや、タニスの当時から窺えるリーダー的視点、弟の為ならば自らを顧みないキャラモンに、そして、ここぞというときに頼りになるタッスルホッフと、やはり、このメンバーは五年後に再会を誓う前から、素晴らしいパーティだなと思わずにはいられないし、結果、レイストが彼等をまとめ上げて、大きな目的も達成される点には、前巻の展開にヤキモキさせられた方も、きっと、すっきりすることだろう。

     そして、物語はついに『大審問』へと突入するが、ここでの双子の葛藤だけでなく、試す側の、「パー=サリアン」達の見解や思惑も判明することによって、『ドラゴンランス伝説』で感じた疑問点も解消されるが、そこで知らされたレイストの葛藤はより印象的であり、こんなにその先へ進むのを躊躇っていたことを知らなかった私としては、彼は彼なりに、もう二度と戻れないことを既に覚悟していたようでもあり、それと唯一つり合いを保てる存在に身も魂も委ねていた、そのときの孤独感は如何ばかりだったのであろうか。

     また、それ以上に心に残ったのが終章であり、それを何故残したのかもそうだし、キャラモンの弟への思いもそうだし、何よりも、ここに書かれている彼自身の思いが全て真実であったことを、私はとても嬉しく感じられた瞬間、これまでの彼の心の内にあった、彼の中にもあった人間らしさを思い出す。

    『~の優しさと惜しみなさは、彼の心の壁をあとかたもなく突き崩していた』

    『レイストリンの胸の中に怒りが燃え上がった。
    遠い昔にののしられた言葉に火をつけられてから、くすぶり続けていた怒りだ。弱い者が自分よりも弱い者に使う言葉』

    『弟は兄の顔を見て、喜びのあまり泣き崩れそうになった』

     『戦記』や『伝説』とはまた違った彼を知ることが出来る、このシリーズ、特にレイストファンには、是非読んで欲しいと思う。
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    投稿日:2023.08.13

  • ひまわりめろん

    ひまわりめろん

    フィス!タン!ダンティラス!!(打ち合わせにない掛け声はやめろ!そしてなにより語呂が悪い)

    面白かった!面白かったがどうやらまともにレビューするつもりはないらしいので、あーなんかひまわりめろんがやいやい言うてますなー思って少しでもドラゴンランスの物語に興味を持たれた方はネットでちゃんとしたレビューを検索して頂きたい(他力本願寺の住職か!)

    「前日譚」です!(急に)
    前日譚てこういうのを言うんだなっていうお手本のような物語です
    あの日あの時あの場所で彼が下した決断は過去のこんな出来事に起因してたんだな!という真実
    本編で語られた仲間内の思い出話の詳細
    実はあの人とちょっとすれちがってました!というオマケ
    うーん、素晴らしい!

    それでは最後にご一緒に


    ゼーン!ジーツ!ターン!!(確かに語呂はいい)
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    投稿日:2022.12.07

  • taroi

    taroi

    いよいよレイストリン前半生最大のエピソード大審問が登場。ゲームブックとなんか違うけどまあいいや。我々はすでにこの後何が起こるかを知っているが、そのエピソードをうまく消化し、散りばめている。スターウォーズのEP1-3を見ているような感じだ。この後、引き続き続くエピソードが出ると言うことなので、強く期待。途中までしか刊行されなかったドラゴンランス序曲の続き(タニス、フリントにも期待。 続きを読む

    投稿日:2022.02.10

  • 一条浩司(ダギナ)

    一条浩司(ダギナ)

    レイストリン戦記 第2巻を読了。ファンが求めていたものは全てある。光と闇の両方の性質を持ったレイストリンの魅力、若かりし頃の竜槍の仲間たちとの憩い、ドラゴンランス本編につながる数々のエピソードや小ネタなど、ページ数は多いのに全く長さを感じない至福の読書タイムだった。
    前日譚の性質上、何を書いても面白さを損ないそうなので具体的なことは語れないが、かつてドラゴンランスを読んだことのある人で、購入を迷っている方には「迷う必要はないよ!絶対面白いから」と伝えたい。第二部の翻訳も予定されているとのことだが、「魂の剣」上下巻のみで終わってもいいほど、きちんと区切りはつくのでご安心を。
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    投稿日:2021.11.21

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