【感想】あちらにいる鬼

井上 荒野 / 朝日文庫
(72件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
12
31
24
0
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ブクログレビュー

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  • みえはる

    みえはる

    発売当初、すごく読みたかった本。やっと読めた。
    瀬戸内寂聴と不倫していた相手の男、その娘が井上荒野さんとのことで、その不倫関係を描いてあると知っていったいどんなドロドロとしたものが書かれてるんだろう…と思ったけど、そんなことはなかった。
    寂聴モデルのみはる目線と、妻の笙子目線で交互に語られる篤郎はどうしようもない女誑しの嘘つき。
    それでもみはるにも妻にも愛されていたんだな。
    不倫テーマだし幸せなシーンはないけれども、読み終わった時少し切なく、彼らが愛おしくもあった。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.16

  • hiro-ism

    hiro-ism

    一人の男を巡って妻と愛人の視点からその生涯を描いた作品で主要な登場人物の誰にも感情移入や共感できないけれど興味深く読み進められた
    これが実話を元ネタにしていて、描いているのがその娘で、愛人がこれを絶賛してとかもう色々ぶっ飛んでる続きを読む

    投稿日:2024.02.22

  • もん

    もん

    善き。
    やっと読めた。映画になった時からの積読…

    瀬戸内寂聴と井上荒野のチチ、井上光晴とその妻、1人の男を巡る女達の生涯の物語。
    実話?とも、小説?とも言われ、どちらで読んでも深い。娘の立場で取材し文章にし、そして解説でもあったが、そうやって初めて小説家はそのテーマとの訣別ができるのではないだろうか…と。

    なんともダメ男に思えるが、常に女が周りにいるオス。どこまでも男な父と同じ職業になり、父もそれを喜びながらも病魔に襲われて亡くなる。人間らしく生きた、昭和の時代だな、とも思わされる。

    ドロドロした内容だが、清々しさも感じる文章で、他作も読んでいきたい。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.28

  • ちい

    ちい

    このレビューはネタバレを含みます

    おもしろかった。井上荒野さんのも、瀬戸内寂聴さんのももっと読んでみようと思った。
    わたしはいつまで長崎弁がスムーズに読めるのかな。とふと思った。ずっとじゃないんだろうな。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.01.15

  • reso100

    reso100

    長内みはると白木篤郎を中心にそれぞれが情事を積み重ねて行きながら、作家としての仕事はそれなりにこなしていく奇妙な物語だが、このような生き方もあるのだなと、ある意味で感心した.篤郎の妻 笙子が夫の浮気を感じながら、子育ても難なくこなす幅の広さは特筆ものだと思った.篤郎の行動は突飛な面はあるが、読者からするとやってみたいなと感じさせるものだ.みはるの行動も篤郎とつかず離れずの憎い動きで自分の生き方を守り抜く意思を感じた.得度する決断も面白く、篤郎がこまめに現れるのも楽しめた.解説にモデルとなる人物が紹介されていたが、それは別にしても、作家の行動形態が垣間見える内容だと思う.続きを読む

    投稿日:2024.01.05

  • 1031nk

    1031nk

    このレビューはネタバレを含みます

    ひとりの男を取り巻く女ふたりの話。

    主眼は妻の方かな
    前評判では瀬戸内寂聴さんの話って聞いてたけれど、話題が落ち着いてから読んだからそんなにあの人を思い出すことなく、小説として読めた。ここ大事だったかも。だって、娘が書いてるのを心に浮かべながら読むなんて、ねぇ。

    男に対して本当に思うところはたくさんあるけれど、それがあっても惹き付ける人っていると思うし、それに惹かれて愛着を持ってしまったふたりの思いや決断が興味深く読めた。その辺りが私は好き。
    最後まで読んでから改めてタイトルをみると、なんとも毒っけがありつつ、突き放してもいないいい感じ。

    出家という、自分にも世間にも相手の男にも家族にも有無を言わせない頑とした方法をとった女と一生側で支え続けた女。
    同じ女としてどちらの気持ちも感情もわかる。
    そして、私個人としてこの妻の行動は『妻』という立場に期待しているものだと思った。自分がこうなりたいと思うかとは別で『妻』ならこうしてほしいという勝手な思い。
    まぁ、女たちの行動の基盤には男への愛があって、それ故にこうなっていると思うんだけれど、やっぱりこの男はずるい。
    本心はどうなのか、考えても分からないことだけれどふたりとも大事で、なおかつ、ひとりじゃだめだったんだろう。そして女にちょっかいを出すのが好きだったんだろうと思うけれどこればっかりはなんともね。そういう性質なんでしょう。

    愛に生きたいと思う私にとって、この小説にあることはそれぞれが愛を体現してるように思えた。綺麗事かもしれない、こんなの本当の愛じゃないっていう意見もあるかもしれない。ただ、各々が傷を負いつつ、自分の信念に沿って生きた姿が見えた。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.10.29

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